リアトリスと嫁達の戦い。
嫁達の戦い。
あの日の模擬戦という戦いはこうだった。
イリス編
「イリス、参ります!」
「ほう。やはり、細剣か。」
「はっ! ふっ! せい!!」
「良いぞ。その調子だ。」
ボクは一族の誇りとも言える「細剣」でリアトリス様に挑んでいる。
やはり、リアトリス様はとても強く、美しく戦っている。
ボクは細剣もしっかり鍛練したつもりだったけど、全然届いていない。
仕方無い。ボクの小さな拘りを止めよう。
アルスランでボクは学んだ。
どれ程の誇り高くとも、勝てなくば意味が無いと。
どんな手を使ってでも、勝てば良い訳では無く、自身の全てを出す勝利こそ価値が有ると。
同時に誰かを守る為の戦いは手段を選ぶなとも教わった。
「拘束しろ 『蔦捕縛』!」
「お?」
「濡れろ 『水大球』!」
「え!?」
「吹き晒せ 『風乃旋風』!」
「ええ!!」
「突き抜けろ 『魔女の一撃』!!」
ボクは今出せる最高の一突きを繰り出したが、リアトリス様は、自身の左手人差し指で受け止めた。
「中々の攻撃だったぞ。拘束し濡らす事で意識を反らし、風系魔法で視界と濡れた身体に風を当てる事で体温を奪い、動きを鈍らし、最高の一撃を入れる。素晴らしかったぞ。」
「ありがとうございました。」
「次!」
レイカ編
「レイカだ。お願いします。」
「レイカよ、来い!」
「えい! やあ! でやあ!」
「大振りな斧を振り回しても当たらんぞ。」
う~ん。当たらない~。
セツナさ、アルスランの指導で大分言われたけどやっぱり斧で当てるのは難しい。
だから、当てる為に振り回さず、当たる様に誘導しろと教わった。
よし、やってみるだ。
「痺れ 『雷林(ライトニングウッド』!」
リアトリス様の周りに雷系魔法の柱を回らせ、動きを封じた。
今だ!!
「轟け 『雷撃斧』!」
雷撃斧の一撃を掌で止められた。
「詠唱破棄とはいえ、素晴らしい魔法だったぞ。アレに触れれば文字通り痺れて動け無くなっただろう。もし、動けなければ斧の一撃が来るか。素晴らしかったぞ。」
「ありがとうございました。」
「次!」
シャオ編
「シャオリートとこうして向き合うのは初めてだな。」
「それはそうじゃ。普通なら、数百年先の事なのじゃ。」
「それなのに、この場に立つ理由は、『セツナ』か?」
「そうじゃ。後、言っておくが、妾が着いて行くと決めたのは、セツナが正式に龍王の後継者になる前からなのじゃ。」
「それはお熱い事で。」
「な、何を言っておるのじゃ。始めるのじゃ。」
「何時でもどうぞ。」
「全力で行くのじゃ。『龍紋破軍』!」
「ほう。」
「ひれ伏せ 『重力弾』に『闇霧』」
「何!?」
「止めなのじゃ! 『背後乃刃』!」
魔法の刃はリアトリス様には届かず消滅した。
「シャオリートよ、素晴らしい魔法だったぞ。これなら、胸を張ってクランベルに報告が出来る。」
「いや、まだまだなのじゃ。」
「何を言っている。今のシャオリートは、15歳のクランベルより強いぞ。鍛練に付き合わされた、あたしが保証するぞ。」
「そうなのかなのじゃ。ありがとうございましたのじゃ。」
「次!」
リーナ編
「リーナです。宜しくお願い致します。」
「リーナよ、来い!」
リアトリス様に中途半端な攻撃は通用しないと判断した私は、一撃に全てを賭けた。
「閃光乃弾!」
「お!」
「討ち砕け 『烈閃光乃槍』と 付与『降魔乃槍』」
私は目眩ましの魔法を放ち、現時点の最高の魔法を放ちながら、武器に魔法付与を施し、ほぼ同時にリアトリス様に突撃をした。
「一瞬に全てを賭ける潔さは見事だ。」
リアトリス様は、私の2つ同時攻撃を無傷で受け止めて、私を誉めて頂いた。
「次!」
ミヤ編
「ミヤや。宜しくお願いします。」
「ミヤよ、来い!」
うちに接近戦は意味は無い。
何の為の遠距離担当かっ!
魔法や!!
『紅蓮乃矢!』
「どうした? ただ、打ち続けるだけか?」
うちは兎に角、打ち続けた。
でも、無駄打ちやない。
避けられた紅蓮乃矢は大きく迂回して、リアトリス様の頭上に待機している。
うちは更に打ち続ける。
避けられた紅蓮乃矢は大きく迂回しながら、視界に入らないギリギリの所で待機している。
やっと全方位に待機が済んだ。
「ミヤよ、他の者達の様な工夫は無いのか?」
「勿論あるで。」
「ほう。どんな?」
「うちのはこれや! 『紅蓮宮乃矢』!」
全方位に待機させていた紅蓮乃矢がリアトリス様に襲い掛かる。
流石に全方位からは逃れなかったのか、身体を固め、防御に徹した。
うちは更に追い打ちを掛ける。
「燃え尽きろ 『紅蓮閃光』!」
圧縮された大火炎球をリアトリス様に放つ。
リアトリス様に当たった瞬間に通常では考えられない大爆発を起こした。
しかし、何も無かったかの様に、リアトリス様は歩きながら、近付いた。
「ミヤよ、素晴らしかったぞ。避けられる事を前提とした火矢を放ち、周辺に配置して、全方位からの攻撃にするとは考えたな。最後の魔法も素晴らしかったぞ。」
「ありがとうございました。」
「次!」
セレン編
「セレンです。宜しくお願いします。」
「セレンよ、来い!」
「しっ! せい! はっ!」
「うむ。基礎を徹底的にしているな。素晴らしい足腰と槍裁きだ。」
リアトリス様に誉めて頂いたが、当たらなければ意味が無い。
だから、吾も魔法を使う。
「穿け 『岩乃針』!」
リアトリス様の周辺の地面に岩乃針を作りだした。
これで、避けられたとしても、足元の岩乃針が黙っててもリアトリス様はダメージを受ける。
体勢を崩した瞬間に畳み掛ける!
「うおっ!?」
「せいやー!」
吾の渾身の一撃は、リアトリス様が難なく受け止めた。
「素晴らしい戦略だ。これからも、切磋琢磨をしなさい。」
「はい!ありがとうございます。」
「次!」
ラン編
「ランだよー。」
「ランよ。来い!」
「はあぁ! えい! とあ!」
「風系魔法で身体を強化しながらの近接戦。お主には相性も良く理にかなっている。」
リアトリス様強いー。全然当たらない~。こうなったら、セツナに教えて貰った方法でやろー!
う~と、あ~して、こう~して、……良し!
行くぞー !
「巻き付け 『烈風乃牙』!」
リアトリス様の周りを風の牙が10本飛び回り襲う。
ランは、それに合わせて攻撃をする。
リアトリス様がランに意識を集中した瞬間に風の牙はリアトリス様の四肢を拘束し、ランの爪はリアトリス様の胸に刺さる?
胸を凹ませるだけで、刺さらない?
「素晴らしい戦略だったぞ。攻撃する為かと思っていたら、四肢を拘束する為の魔法とは驚いたぞ。まだまだ近接戦の実力は伸びる筈だ。頑張りなさい。」
「はい!ありがとうございましたー。」
「次!」
リン編
「最後のリンです。宜しくお願い致します。」
「リンか。来い!」
「ほう。最後故にしっかりと見ていたのに関わらず、直ぐには攻めないか。」
「いいえ。既に始めています。」
「何!?」
「これで、足元を凍らせ、足を封じました。」
「面白い。まだ有るだろう?」
「行きます!」
私はリアトリス様の足元を凍らせて足を封じ、氷の矢で、牽制しながら、リアトリス様の頭上天井近くに細かい氷を精製し続ける。
同時に冷たい空気も混ぜていく。
更に、足を凍らせ続ける。これにより少しずつではあるが、リアトリス様の動きが鈍くなっていく。
「停滞せよ 『氷柱』!」
良し。リアトリス様の上半身も、氷の柱で封じた。
今だ!!
「吹き降ろせ 『凍結乃氷嵐』!」
「何ぃ!?」
俺は被害が出ない様に皆を囲む形で魔法障壁を張った。
5分後、嵐の中心部の方から、拍手と上機嫌なリアトリス様の声が聞こえた。
「素晴らしい。本当に素晴らしいかったぞ。氷魔法の特性を生かし、静かに対象の足元に近付き足を凍らせ封じる。氷の矢で周りの警戒を薄くさせ、氷の柱で上半身を封じ、武器で止めに来るかと思わせ、死角の頭上から切り札の氷系魔法を使うとは、大変素晴らしい戦略だったぞ!」
「ありがとうございました。」
皆は、手加減が必要も無く、全力を出しても問題無い場所で戦えて嬉しいみたいだな。
良かった。
まあ、ここで一旦休憩でも良いけど、やっぱり俺の番かな。
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




