聖鳥様、お邪魔しまっす。
リアトリスとリン達の戦いの行方は?
翌日、俺達は準備を整えてリアトリス様から頂いたコインを使う。
大草原に転移した俺達は各々が準備を始めていると、リアトリス様が現れた。
「次の日の朝から来るとは思わんかったぞ。」
「それだけ、皆は楽しみだったんですよ。リアトリス様に会えるのが。」
「そ、そうか?」
「そうですよ。」
「それなら、仕方無いな。」
(リアトリス様、チョロいな。)
「セツナ、あたしを馬鹿にしたか?」
「いいえ。」
(何故、気付くんだ!?)
「まあ、良い。では、どんな順番だ?」
「はい。ボクが1番手です。」
「ほう。翼人族か。懐かしいな。良し。来い。遠慮は要らぬ。」
こうして、遠慮の無い本気の模擬戦が始まった。
順番は、「イリス」→「レイカ」→「シャオ」→「リーナ」→「ミヤ」→「セレン」→「ラン」→「リン」という事になった。
内容はまた、別の日に語るとしよう。
そして、俺の順番が廻って来た。
さて、昨日散々相手をして頂いたが、お願いしようかな。
「お願いします。」
「うむ。来い!」
~しばらくお待ち下さい。~
30分後。
「昨日に続き良い汗をかいた。」
「ありがとうございました。」
「セツナよ。やはり仲間内で隠し事は良くないと思うのだがな。」
「いきなり、何を言っているんですか!?」
「やはり、セツナ様は何か隠しておられたのですね。」
「セツナ君。私達の間で隠し事は駄目だよ。」
「セツナ。幼馴染みにも隠すつもりか?」
(久しぶりにシャオの「のじゃ。」無しを聞いたな。それ程という事か。)
「分かったよ。話すよ。『鬼神覇招』」
その瞬間、空間は歪み、悲鳴を上げ、空気は重くなり、皆は地面に伏した。
「鬼神封縛」
「……以前は、あの紅いヴァンパイアに全力で襲いかかってかすり傷を負わせるのが精々だったのが、数ヵ月で倒した後に外見に気配りが出来る程の実力が付くのは怪しかったのですが、コレが真の力なら納得です。」
「何時からなのじゃ?」
「徐々に加えて、狼王サラディナ様と聖鳥リアトリス様、この2人の模擬戦でこうなった。」
「セツナ君。どういう意味?」
「俺のスキルの1つに、強敵と戦えばステータスが異常に上がるのが有る。そのスキルによって俺は強くなれた。」
「そうだったのね。」
「俺が怖くないのか?こんな途方も無い力を持っているのに。」
「全く怖くありません。どれ程の力を有していても、セツナ様はセツナ様なのですから。」
俺は皆を見ると、全員が頷いていた。
「ありがとう。皆。」
俺達は、互いの体温を確める様に抱きしめあった。
頭を撫でたりしながら、絆を確かめあっていると、いつの間にかリアトリス様が居なくなっていた。
後日、リアトリスは女王サルビアに語った。
「最初は感動的な空気だったのだが、途中からは甘い空気になり、身体の中から無限に沸く砂糖を口から吐く幻覚に我慢出来ずにこの場から逃げた。」
しばらくすると、リアトリス様が帰って来た。
「うむ。セツナの嫁達はしっかりと鍛練を積んでいるようだな。あたしからの褒美を与えよう。あたしからの祝福を全員に、『加護』を1人だけになるが与える。」
皆が一斉にリンの方を向いた。
「悪いが、王家の血統を持つリンでは無い。あたしとしてもリンに与えたいが、残念ながら『相性』というモノが有る。リンにはリンで、『加護』を与える存在が必ずいる。だから気を落とすな。」
「はい。リアトリス様。」
「リアトリス様。では誰ですか?」
「ミヤだ。」
「うち!?」
「そうだ。その内に燻る炎はあたしと相性が良い。きっと助けになる。」
「はい。ありがとうございます。」
リアトリス様から「朱色の光」が、現れてミヤの身体の中に消えた。
その瞬間、ミヤから朱色の炎が溢れ出した。
俺達は慌てて消そうとしたが、ミヤ本人は平気の様だ。
様子を見ていると、次第に収まり、消えた。
……消えた瞬間、ミヤの尻尾が5本に変化した。
「へっ!?」
ミヤは周りの視線に気付き、自分の5本に増えた尻尾を見た。
「見んといてー!うちの尻尾、見んといてー!?」
リアトリス様を含め、全員がミヤに背中を向ける。
どうやら、いきなり増えた尻尾に動転した様だ。
俺達には判らないが、種族的な何かや理由が有るのだろう。
10分以上過ぎてやっとミヤも落ち着いた様だな。
「もう、大丈夫や。」
「でも、どうして?」
「聞かんといて。」
「分かった。もう聞かないよ。皆もいいだろ?」
皆も頷いた。
その後も、皆がリアトリス様と模擬戦をしながら、自身の実力の向上に余念が無く、熱気に溢れていた。
そんな時、突然の来訪者が現れた!
「突然失礼致します。こちらにセツナ様は居られますか?」
「セツナなら、ほれ、そこに居るぞ。」
「リアトリス様ありがとうございます。セツナ様。突然の来訪、申し訳ありません。緊急時故に参りました。」
「とりあえず、落ち着け。後、誰?」
「これは失礼致しました。私の名は、『リオン』です。
西のエルフ王国の女王陛下『ミール=サイオ=サザンクロス』に仕える者です。実は、『ミール様』からのご命令で御招待に参りました。」
「え!?」
「セツナ様は謂わば『東』の出身。何故、正反対の『西』からの、しかも、女王陛下ミール様からの御招待があるのですか?」
「それは着いてからお話し致します。勿論、貴女方もご一緒でも構いません。」
「どうする、皆?」
「セツナ君。行こうよ。こんな事が無いと中々、西へは行けないよ。」
「そうじゃな。」
「他の皆は……」
他の皆も頷いた。
「分かった。行こう!」
「ありがとうございます。」
「どうやって行くんだ?」
「ご安心下さい。お預かりした魔道具で、一瞬で転移します。」
話を聞いている間に、皆の準備が済んだみたいだ。
「では、行きます!」
俺達の足元に魔方陣が浮かび、俺達を光に包むと、俺達は一瞬で大草原から消えた。
「ようこそ御出下さりました。私達エルフ王国はセツナ様とその仲間達を歓迎致します。」
……俺は、迎えに来た少女の名前「リオン」に聞き覚えが有った。
ソレは前世での「妹」の名前だった。
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