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南の大国バイコウ

何が起こったのか?

 俺達はとりあえず、宿屋を探して3日分の料金を支払い、冒険者ギルドに顔を出す。

 受付嬢の列に並び順番を待つ。

 今回の同行者はリンとランとリーナ。


「ようこそ。南の大国バイコウの冒険者ギルドへ。」

「初めまして。冒険者のセツナです。」

「御用件は?」

「初めて訪れたんだけど、最近変わった事や、注意事項とか有る?」

「……特には無いですね。」

「じゃあ、ギルド内での私闘はどう対応しますか?」

「何故そんな事を?」

「あれ? 初めて訪れるギルドでは、ほぼヤっていたから連絡が有るかと思っていたんだけど、やっぱり日常的に誰でもヤっている事だから連絡が来ていないのかな?」

「どういう事でしょうか?」

「俺の外見と彼女達の外見を見れば判るかと思いますよ。」

「……ああ。成る程です。では、当ギルド内での私闘ですが、内容問わず先に行動に移した方に責任が問われますが、死亡者が出た場合はそれ相応の責任を両者に追及します。」

「分かりました。ありがとうございます。」

「また、何か有ればその時は、お願いします。」

「またのご利用をお待ちしております。」


 俺達は依頼掲示板を一通り確認して冒険者ギルドを後にした。


「あれ? 他の皆は何処に?」

「セツナ様。地面に何ヵ所かの血が流れた後があります。」

「皆の匂いが北の方向に向かっているー。」

「行って見よう!」

「はい!」×3


 俺達は皆の匂いを追跡した。

 暫く進むと衛兵の詰所が有り、ボコボコにされ縛られている冒険者らしき野郎共が10人居た。


「セツナ君。まさか……ね?」

「多分、今回は場外乱闘だろうな。」

「匂いは詰所の中にー。」

「……行こうか。」


 俺達は意を決して詰所の中に入った。



 ……怒り心頭な皆と、青から白に変わり始めた詰所の人達がそこに居た。

 俺は皆を宥めて理由を聞いてみたが、どうやら、皆が加害者の様な対応を最初に取られて、その杜撰な扱いに怒り、この詰所で責任者を呼び出し理論的に追い詰めていたらしい。


「とりあえず、理論的に真偽を正して、どちらが加害者でどちらが被害者かがはっきりと明白にしたんですよね?」

「は、はい!」


 詰所の責任者が怯えながら答えた。


「では、きちんとした処理をお願いしますね。これ以上に何か有れば俺でさえ、彼女達を止める事が出来なくなりますから。」

「はいー!」×詰所の衛兵全員


 詰所での手続きを終えた俺達は、散策をする事にした。


「しかし、大変だったな。」

「そうなのじゃ。」

「外で待っていたら、いきなり話し掛けてきたのであります。」

「連れがいると伝えても、そんなのを無視して連れて行こうとしてたんよ。」

「セツナさが、私達の誰かに触れて無理やりの行動を起こしたら、仕留めて良いと言うから。」

「ボク達は行動に移したんだけどね。何故か衛兵が、こっちを捕まえようとしたからビックリだよ。」

「何か悪かったな。こういう時は女性が被害者になるから、そういう対応を進めたんだけどな。」

「セツナ様は、悪くありません。」

「そうだよ。対応した衛兵達が馬鹿なせいだよ。」


 ……多分、日本なら過剰防衛だろうな。


 俺は皆と先程の詰所での出来事を聞きながら、散策していると、年頃の女性が比率的に少ないと思った。

 勿論、比率的といっても目分量だけどな。

 それにしても、やっぱり獣人族が多いなぁ。

 南の大国バイコウは獣人族の国だから当たり前だけど、あ!? あの狐の獣人族の女性の尻尾が凄い艶が良いな。服も上等な物だし、良い所のお嬢様かな?


「痛っ!」

「セツナ様、『余所見(・・・)』をしていると(セツナ様が)危ないですよ。」

「ごめん、ごめん。」


 俺の周りのみに冷気が漂いながら、リンの注意を受けた。

 絶対に怪我とかの心配では無いよな。

 因みに俺の左右を固めているのは、リンとランだ。

 獣人族は良くも悪くも気持ちに素直だから、万が一を防ぐ為にもリンとランが俺を守りながら周りに対して牽制している。


 俺達は色々と店を回ってみた。

 武器屋では、中◯系の物が多く見掛けた。

 服屋も同じ様な内容で、皆の服を買う事になった。



  ~暫くお待ち下さい。~



 2時間後、御肌艶々の皆と、疲れ切った俺が居た。

 誤解しないでくれっ!

 俺は皆の「どっちが良い?」に付き合っただけだからな。

 そして、女性店員さんと買い物に来ていた女性の生暖かい目と白い目がキツかった。


「おい! 良い女じゃないか。ガキは有り金を置いて失せな。」

「……冒険者ギルドで無かったのに此処で発生かよ。」

「何ごちゃごちゃ言ってやがる。死にてえのか?」

「メスオークの尻でも追っかけてろ!」

「テメエ、殺す!」


 馬鹿な野郎共が全員武器を抜いた。


「見物人の皆さん。先に武器を抜いたのは向こう側ですからね。」


 俺は周りへのアピールの後、野郎共5人を潰す為に行動に移した。

 1人目は、突進して懐に潜り勢いのままに下から肘を鳩尾にえぐり込む様に突き上げ、2人目は、アレが潰れないギリギリの力加減で股間を左足で蹴り上げ、3人目は、左脇腹を殴り反対の拳で顎を殴り、4人目は、突進を避けてそのまま後頭部に手刀を叩き込み、5人目のリーダーらしき男には、部分強化した一本抜き手で両腕に2ヶ所、両足にも2ヶ所、腹にも致命傷にならない場所に2ヶ所、刺した。


 野郎共の有り金全てを没収した頃に衛兵が到着した。

 衛兵達は彼女達を見た瞬間に青くなったが、俺が対応した事を確認すると少し落ち着いた様だ。

 俺達は再び詰所で、手続きを済ました。

 俺達が詰所を出ると、ランが俺に話し掛けてきた。


「あいつらから、変な匂いがするー。遺跡で嗅いだ匂いと同じー。」


 この発言は俺達に緊張を走らせた。

 俺達は少し離れて様子を伺った。

 暫く経つと詰所に上等な服を着た執事風な男性が入っていった。


 10分くらいで執事風な男性が出てきた。

 俺達はこの執事風な男性を追跡する事にした。

 全員追跡すると目立つから俺とリンとランで追跡して、残りは宿屋で待機する事にして別れた。

 執事風な男性は、其なりの大きな貴族屋敷に入っていった。

 運良く近くに喫茶店が有ったので、そこで3時間ぐらい監視したが出てくる気配も無かった為に俺達は宿屋に戻った。


「とりあえず、3組に別れて交代で明日は見張ろうと思うけど良いか?」

「賛成。」×8


 翌日、俺達は交代で見張っていたが特に変化が無かったが、日が沈みかけた時に変化が訪れた。

 6人の女性が周りを男性に囲まれながら、不自然な歩き方で屋敷に入って行く。

 俺は皆を集めて話しあった。


「多分、笑えない事が起きる可能性が高い。忍び込みたいと思う。」

「セツナ様、行きましょう。」


 リンの言葉に全員が頷いた。


 ……数時間後に俺達は屋敷に手分けして忍び込んだ。




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