セシリアのお願い。
セシリアお嬢様のお願いとは?
俺達はセシリアお嬢様の案内で、伯爵邸の応接室に居る。
少し待っていると、当主のセドリック=タルト=アルフォード伯爵とその次女のセシリア=タルト=アルフォードが入って来た。
「待たせてすまない。おれがこの屋敷の主でセシリアの父のセドリック=タルト=アルフォード伯爵だ。身分を気にせずにセドリックと呼んでくれ。」
「初めまして、リーダーのセツナです。」
「娘の危ない所を助けてくれて感謝する。」
「いえ、偶然ですから。」
「それでもだ!」
「分かりました。」
「先ずはコレを受け取って欲しい。金貨20枚だ。」
「素直に受け取りますよ。」
「成る程。何度も経験済みか。」
「ええ。最後には断れなんですよね?」
「そうだ。」
「では、本題に入りましょう。ただ、お礼を言うだけなら、当主が出るまでも無いでしょう。きちんと護衛を出していたのですから。」
「その通りだな。実はな、此処から馬車で2日の所に我が領地が有る。しかし、正体不明の魔物に因って被害を受けている。」
「……正体不明ですか?」
「うむ。証言が一致しないのだ。ある者は四足の獣と言う者がおれば、ある者は羽を持つ鳥だと言う者がおれば、巨体な老人だと言う者がおる。」
「成る程。確かに証言が食い違っているならば正体不明と言うしかありませんね。」
「そうなのだ。そこで王都に赴き問題解決が出来る者は居ないかと思っていた。」
「見つかりましたか?」
「方々廻ってみたが良い返事は無く、最後の希望で冒険者ギルドに向かい紹介された冒険者パーティーに試験的に娘の護衛をやらせてみたが、優秀ではあるが強さが不足だと判断した。」
この話の流れだと……
「君達にお願いしたい。」
「私からもお願いします。領地には仲の良い友人も居るのです。彼女達を守り安心させたいのです。たがら、お願いします。」
俺は後ろを振り向くと皆は頷いてくれた。
「分かりました。お引き受けします。」
「ありがとう。勿論、口頭での口約束では無く、ギルドに依頼として出してきちんとしよう。」
「ありがとうございます。それで、準備が整うまでは俺達はどうすれば良いですか?」
こうして、本来なら、冒険者ギルドで依頼を受け、依頼人と会ってから依頼内容や報酬の内容等を細かく決めるのだが、それをこの場で決めて俺達は伯爵邸を出た。
まだ日が高い為、王都周辺の盗賊のアジトを2つ潰して冒険者ギルドで報酬を貰い、王宮に戻りヒルドさんに明日からアルフォード伯爵の依頼を受けて領地に向かうと伝えた。
後、帰りの途中に第2の俺達のダンジョンに向かい、ダンジョンから出せるお酒は無いかと検索したら、幾つか有ったので、全種類3セットを用意してヒルドさんに渡すと大変喜んでいた。
どうやら、欲しくて手を回していたが、手に入り難いお酒だったようだ。
翌日、冒険者ギルドに到着した俺達は受付嬢さんに指名依頼は来てないかと聞いてみた。
「セツナ様。アルフォード伯爵様から指名依頼がきております。どうなさいますか?」
「はい。この依頼を受けます。手続きをお願いします。」
「畏まりました。手続きを致します。」
俺達はギルドでの手続きを終わらせ、俺達の馬車で伯爵邸に向かった。
俺達が伯爵邸に到着すると既に出発の準備が出来ており、軽い挨拶の後、伯爵の領地へと出発した。
道中の魔物は、暇潰しとは言わずに仕事の一環として護衛という形で対応した。
勿論、この護衛も報酬の上乗せにしている。
内心はどうあれ、仕事として受けている以上は只働きは極力しないよ。
他の冒険者に迷惑だし、被害が出るからね。
後、狼王様との模擬戦が切っ掛けで新しい空間魔法が使える様になった。
その空間魔法を使い、馬車の内部を拡張させて大変快適になり、移動中の夜営では、見張りを交代しながら馬車の中では遮音の魔法を掛けて皆と戦っていました。
多勢に無勢の為に苦しい戦いだったけど、何とか勝つ事が出来た。どうやら、あの日以降、個別の個室でなくても平気になったみたいだ。
そしてやはり、リンが最も手強かったとだけ言っておく。
出発して3日目の午前中に目的地の伯爵の領地「都市アングレカム」に到着した。
俺達は領地の伯爵邸、いや、領主館に到着早々にこの数日の間に上がっている正体不明の魔物の報告書を精査しながら、明日からの行動を話し合った。
粗方の方針が決まった頃に夕食の時間になり、ご馳走になった。
この夕食の時に、伯爵が留守の間を守った伯爵夫人を紹介された。
「初めまして。私が第1夫人のセリーヌ=タルト=アルフォードです。主人の依頼を受けて下さりありがとうございます。」
「此方こそ。アルフォード伯爵様からの依頼を受けた冒険者パーティーのリーダーを務めるセツナと申します。」
俺は自分の挨拶の後、皆を紹介した。
どうやら、長女は既に嫁いでおり、この領主館には居ないとの事だ。
第1という事は第2とか居るのかと考えていると、考えを読まれたのか、説明を受けた。
第2夫人とその子供は長男14歳と長女13歳の2人で、今は王都のあの屋敷で生活しているが、子供2人は王都の全寮制の学院に通っている為に、会えなかった様だ。
第2夫人は運悪く体調を崩していた為に、挨拶に来れなかったらしい。
伯爵の家族構成の説明を受けながら、食事をして、明日に備えて何もせずに旅の疲れを癒し就寝した。
……確かに仕事上の事は何もしていないが、プライベートでは、結界と遮音の魔法を掛けて、皆との戦いは有った。
翌日、目覚めて先ず、部屋全体に洗浄を数回掛けて綺麗にした。
その後、素知らぬ顔で朝食を伯爵の家族と頂き、少し時間を置き、正体不明の魔物の捜索を開始した。
予め、昨日の内に精査した資料から、目星を付けた俺達は森を探索していると、昨日の内に人払いを済ませた筈の辺りから悲鳴が聞こえた。
「キャアアアアアア!?」
暖かい応援メッセージと星の加点をお願いします。




