不穏な歓迎会
自分なりの追放モノを書きたい意欲が、出始めています。
「なんで、王都の玄関口に『冒険者セツナ様とパーティー達様、歓迎。』というのぼりが有るんだ?」
俺は馬車から飛び降り、早足でのぼりを持つ女性に詰め寄った。
「おい! この馬鹿げたのぼりは何だ?」
「という事は貴方様が冒険者セツナ様ですね?」
「そうだが、この『のぼり』は何だと聞いているのだが?」
「勿論、歓迎する為の物です。そろそろ来る頃だろうと思い、予定日より1週間早く出て良かったです。」
「何で予定日より1週間早く出ているんだ?」
「……何と無くですね。」
「………………まあいい。話くらいは聞いてやるから、のぼりを仕舞え。」
「分かりました。さあどうぞ。門番には話しを通してありますので、パーティーの方々もそのままお入り下さい。…… 一応、セツナ様の冒険者カードを確認させて下さい。」
「ほい。」
「確かにセツナ様の冒険者カードです。」
「改めて自己紹介をさせて頂きます。私の名前は『マヤ』と言います。立場は北の大国クロツバキの女王様に支える事を許された者です。得意な戦闘術は後衛の魔法使いです。」
「そこまで聞いていないが、この後はどうするんだ?」
「はい。このまま、王城に向かいます。そして、女王様と謁見して頂きます。」
「いや、どういう経緯で俺達の事を知ったのかは分からないが、予定日より1週間早く着いたのに大丈夫か?」
「全っっったく問題有りません。むしろ、予定日より1週間早く会えると喜ばれると思います。」
「しかし、俺達の誰がどの様に女王様と繋がっているんだ?」
「申し訳ありませんが、私からは何も申せません。女王様にお会いすれば解決すると思われます。」
「仕方ない。皆はそれで良いか?」
「はい。」×8
俺達はマヤの案内の下、王城を目指した。
彼女のお陰かスムーズに進み、女王に謁見する為の控え室に今、俺達が居る。
「とりあえず、聞く耳を立てているモノ好きは周りには居ない様だ。」
「セツナ殿。女王との謁見をどう考えるでありますか?」
「そうだな。最悪、本物の女王は既に亡き者にされ、謁見の間で玉座に座っているのは偽者で、難癖付けられて、俺達は罪人にされる。」
「流石にそれは無いかと思いたいのでありますが……」
「俺もそう思う。普通だと、理由や原因は分からないが、俺達が女王にとって有益な事をしたから。」
「セツナ君、そうだね。心当たりはこないだの盗賊ぐらいだよね。」
「まあな。後はあり得ないとは思うが、実は女王とランが母娘というオチだな。」
「セツナ殿、流石にそれは無いのであります。」
「ランもそう思うー。」
「……だよな。幾ら何でも、……なぁ。」
俺達は他の幾つかの可能性を話していたが、誰かが、近づいて来たので、話を止めた。
「セツナ様とパーティーの方々。謁見の準備が整いましたので、ご案内致します。」
マヤさんに案内されて謁見の間に入り、一応膝を着いた。
見た感じの女王は穏やかで理知的な感じがする女性だった。
「よくぞ来てくれた。私がこの北の大国クロツバキの女王『ヒルド=フェン=クロツバキ』である。」
「初めまして。冒険者セツナとパーティーの者達です。」
「どうも硬いな。……まあ仕方ないか。おい!」
「はっ!」
「全員下がれ。」
「女王様。流石にそれは『はい。』とは答えられません。」
「それはそうだな。では、冒険者セツナとパーティーの者達よ、大義で有った。下がって良い。後の事はマヤに聞いてくれ。
と、これなら良かろう?」
「はい。その形ならば許容致します。」
俺達は意味も分からず、マヤさんに案内され、王族専用の応対室に座っていると、女王が入って来て俺達の対面に座った。
女王が座った後に足を組み直した為に思わず視線が動いてしまい、両脇に居るリーナとランに脇腹をつねられる。
「痛っ!」
「はっはっはっ! 仲が良いな。」
「それで、俺達が呼ばれた訳を教えて頂けませんか?」
「話すが先ずは、口調を普段通りにしろ。私まで肩が凝る。」
「分かった。」
「先ずは、この国の女王として、お礼を言いたい。町を盗賊共から救ってくれてありがとう。」
「別に気にしなくても良い。俺達は冒険者として、盗賊共を始末したのだから。」
「そういう訳にも……、無駄な時間になるな。では、素直に盗賊共を潰してくれてありがとう。」
「ああ。まだ、話が有るのだろう?」
「うむ。盗賊共のアジトから、紋章付きの短剣が無かったか?」
「有ったな。やはり、其なりの価値の有る短剣だったのだな。これだろ?」
俺はマジックバッグに予め入れておいた短剣を女王に見せる。
「おお! 確かに私が使いに渡した短剣だ。冒険者に只で返せと言う積もりは無い。幾らにする?」
「金貨10枚。」
「分かった。」
多分宰相だと思える男性が懐から小袋を取り出し、俺達の前に置いた。
「金貨10枚以上入っている。」
「俺は金貨10枚と言ったが。」
「名義上は口止め料込みだ。」
「……分かったよ。有りがたく頂くよ。」
「それで、本題なのだが、私には娘が3人居てな。約10年前にちょっとした争いが有って、末娘が行方不明だったんだが……」
「……ちょっと待て! まさか!?」
「そうだ。お前の冒険者パーティーの『ラン』が、私の末娘だ。」
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