間章~パイリの追憶に耽る今日この頃
やっとパイリの章です。
短いです。
次は、2人目のヒロイン登場です。
「あれから10年以上経ったのね。奥様に御子を託され今まで色々有ったわ。」
これは、パイリの追想。
あの地から、龍の里まで、万が一さえ起きぬように、神経をすり減らし、飲食もセツナを優先して、私が龍族である事も秘匿しないといけないから、空も飛べなかった。
1年以上かけてなんとか到着しても、皆からの質問も大変で、言い訳も四苦八苦したわ。
暮らしはまあ今思えば楽だったかしら。
セツナは、空腹とトイレ以外、滅多に泣かなかったし、泣いても、気付けば泣き止むし。
もしかして、あの頃にはもう自我をもっていたのかしら?
しかし、その分、初めての一声が、「母さん」には参ったわ。
思わず泣き崩れたし、奥様には内緒の恥ずかしい思い出ね。
1人で動けるようになると、今までの手間要らずが返上され育児の苦労を思い知ったわ。
ちょっとでも、目を離すと行方不明になるし。
まあ、大抵家の書庫に居るから良かったけど、もし、家の外に出ていたらと思うとゾッとするわ。
けど、頭が良かったのは事実よね。
読み書きに四則計算が、信じられない速度で修得していったし。
外に出れるようになれば、なればで魔法の修得や村長家侵入とかで騒動起こすし、私も奥様に代わりセツナを教育しようとむきになり、終いには私の回復魔法で治療出来るギリギリまで、痛めつけてしまい我にかえって慌てたものよ。
しかも、それが何度も有ったし。
数年経ちある日、龍王様とその御令嬢が来られた時は慌てたたわ。
奥様に、この方達にもバレないようにと言われてたから。
その日の太陽が沈み始めた時、セツナが意識不明で帰って来た時は、本当に血の気が引いたわ。
龍王様の御慈悲で助けられたけど、もし万が一が有れば、どう奥様に詫びればよいか解らなかったもの。
そうして、気付けば龍王様の弟子になり、御令嬢とは幼馴染になり、今まで以上に、アレコレに手を出して龍王様までドン引きさせ、2日続いた収穫祭も今日で終わり。
奥様、色々ありましたが、セツナは立派に成長されております。
そろそろ私の役目は終わりかもしれません。
「パイリ母さん。女の子のプレゼントって何が良いの?教えて。」
「はい⁉」
奥様、私の役目はまだ終わりでは無いみたいです。
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