プロローグ1
こんにちはーこんばんはーちーです。
プロローグの改変を出します。これからも続きよりか、とりあえず改変をあげてく予定ですが大改編なので設定から小さな所まで色々変わっていきます。本筋は同じですが、キャラが消えたり増えたりする事もありますし、その他色々あるので、よかったらみてみて下さい!続きを楽しみにしていた方、申し訳ございません。もう暫くお待ちください。
第1章丸ごと消しましたが、今日中に第1章を纏めて全部1つにしたのを出します。
今後とも、よろしくお願いいたします。
ーーー『時に人とは残酷で恐ろしい。』
「火だ!早く消せ!」
誰かが言った。
ーーー『常に裏切り、常に憎み』
「おかぁさん!!おかぁさん!!」
メイドの服を着た少女が、火の中で氷のように冷たい母親を抱く。
ーーー『挙句の果てには知らぬ間に同族を殺める。』
誰かが炎の中を走っている。顔は良く見えないが、蒼い美しいドレスを着ていて、綺麗に結ってある金髪は炎の中に降りてきた蜘蛛の糸のようだ。胸には1つになったばかりの小さな、すやすやと寝ている子供を抱いている。
その後ろにはすみれ色のドレスをきた女性。こちらは茶髪で肩までの髪が靡いている。
2人は目にも止まらぬ速さで走ってゆく。『目にも止まらぬ』というのは比喩ではなく、まさに目で追えないくらい速い速度で2人は走っていた。きっと、2人が走る隣に居ても2人が通ったと気が付かないだろう。
ーーー『それでも平気で生きて、正義を語る。』
2人は瓦礫に埋もれた扉の前で足を止めた。
2人がいるところはかつては白く美しい建物の中の、大きな部屋だったようだが、今はほとんどが瓦礫に埋れ塵が散っている。
茶髪の女性が瓦礫の前に行って手を伸ばして、目を瞑る。すると不思議な事に、触れてもいないのに勝手に瓦礫が浮き上がり、女性が右にゆっくり手を動かすと瓦礫もそっちに行く。
ガシャン!
女性が目を開けて手を下ろすと、大きな音をたてて瓦礫は右の方に積み上がった。
2人はそれを見もせずに、現れた扉を開けて中へ駆け込んだ。
ーーー『そして人間である事の意味を忘れ、考えるのを辞めた。』
少しして、また扉が開いて2人は出てきたが…子供が居なくなっている。しかし、チラリと見えた少し前まで子供を抱いていた女性の口元は、この驚くべき出来事とは対照的に、勝ち誇った様な笑みを浮かべていた。その笑みは薄らと狂気を帯びていて、見た者がいるならばきっと逃げ出しただろう。
いきなり、2人がパッと自分達が走って来た方向に顔を向けた。するとそこから黒いローブで顔まで隠した人間が20人ほど、2人を取り囲むように黒いローブを着た者たちが飛び出した。
2人はそれに驚きもせず、ドレスの隠しポケットから40センチ大の杖を取り出し構える。
ーーー『自分達が何故生きるのか、生きているのか』
2人は舞うように黒ローブを攻撃する。
2人の女性の杖は輝く剣に変身していて、その剣は彼女の体の1部のように弧を描き的確に黒ローブ達の心臓を裂く。しかし、黒ローブも負けてはいない。それぞれの武器は2人の攻撃を跳ね返し、徐々に2人にダメージを入れていく。
いつの間にか、2人は劣勢になっていた。…とうとう茶髪の女性の頭に矢が突き刺さり、それに追い打ちをかけるように魔法の電撃が浴びせられた。
バタン…
紫のドレスが中を舞い彼女は倒れ込んだ。
ーーー『それすらも忘れ、ただ意味もなく生きるのだ。』
残った金髪の女性はその剣で懸命に戦う。しかし結局、黒ローブの一人の短剣が足に刺さりぐらついた所をいくつもの攻撃が襲い、彼女は倒れだ。辛うじて生きてはいるが肩で息をして、横になったままもう立つことはできないだろう。
そこに、黒ローブの中の1人がコツンコツンと足を進めた。
ーーー『だから、私は君達に託す。』
その人がパサッとフードを脱ぐと、人形のように美しいが冷たい男性の顔が現れた。栗色の髪の毛に、全てを見透かすような青い目。彼は女性の美しい金髪を靴で踏みつけて、氷よりも冷たい声で言った。
「王女はどこだ」
それに、女性は薄ら笑いを浮かべてか細い声で返す。
「言うわけないでしょう。裏切り者に」
しかし男はそれを無視して続けた。
「この城には王女の遺伝子が残った死体が無かった。しかし俺とあんた以外生体反応もない。…あんたが逃がしたんだろう?…王妃様。」
男はグリグリと靴の踵で女性の頭を強く踏み付ける。
ーーー『この美しい牢獄の中で、人間が美しく居られるために。』
「そうよ。これであんたの野望はおしまい。あんたは王の座を手に入れられない。あの杖も。全部、全部あの子の物。」
チッ…
男は舌打ちをすると、手に持っていた剣で女性の心臓を貫いた。
「…王女を探せ!今すぐ!」
黒ローブ達に命令すると、男は瞬く間にどこかへ消えてしまった。
瓦礫と炎の中には、息絶えた2人の女性が横たわっていた。
ーーー『セリン・ニンドーラ』
◇◇◇
5歳のリーシャは大きく欠伸をして窓から外を見た。
驚くほど蒼い空で、雲などひとつも無い。太陽が照りつけ、リーシャに起きろと告げていた。
リーシャは眠い目を擦ってベットから降りると、靴を履き、木で作られたボロボロで土まみれの床を歩いていって窓を開ける。
途端、熱い風がリーシャを襲った。
「暑い…」
こんな夏の日にはリンゴでも絞って、氷を入れて飲んだら美味しいんだろうなと思いながら、リーシャは何気なく時計を見た。
木の小洒落た時計の短い針はちょうど11を指していて、長い方は12を指している。
リーシャはそれを見て、静かに目を瞑るともう一度時計を見た。
結果は変わらず11時で、時計のカチッカチッと言う音が無情にも一定に流れている。
それを認識すると、リーシャは血相を変えて自分の隣のベットに寝ていた母の所に飛んで行った。
「ママ!起きて!ママ!大変だよ!11時だよ!ねぇねぇ!!」
しかし、リーシャの母はちょっと顔を顰めてゴロンと転がるだけ。カチッカチッと後ろで鳴る時計は、リーシャにとってなんとも不気味だった。
仕方ない。
そう思ってリーシャは3歩後ろに下がると、助走をつけて自分の母親目掛けて飛び込んだ。
「起きてー!!!」
「な、な、なな何?!」
ベットに寝ていたリーシャの母は飛び起きると、リーシャからの攻撃をびっくりして避けた。
ベットの上に顔から突っ込んだリーシャは、何も無かったように自分の母の方を向くと、黙って時計を指さした。
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