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第八十四話 入学試験で検証 その六

 

「フランツさん! お久しぶりっすね」


「よう、嬢ちゃんもいたのか、こんなところで会うなんて奇遇だな……って、考えてみれば入学するのにちょうどいい冒険者ランクだし、そうでもないのか」


「そうっすね、FランクからEランクには独力で上がれても、Dランクから難しくなって学校への入学を考える若い冒険者は多いって聞いたことがあるっす」


「何? そうなのか?」


「いや、そんなことも知らないでお前は何でここにいるんだよ」


 ふむ……調査不足であったな……。


 だから自分がしばらく王都で活動することを話したミュリエル殿たちや、学校への入学を目指していることを話したシスター・アナスタシア殿は、特に気にせずそれを受け入れていたのか……。


「まぁ、自分のことはいいのだ……それよりもフランツ殿がここにいる理由の方が気になるのである」


「うーん、まぁ、そうだな……実は……」


 フランツ殿がここにいるのは、結論から言うと、しばらくこの学校で先生をやるためで、今日から試験官としてそういった活動を始めているからとのこと。


 そして、その境遇に置かれているのはフランツ殿たち〈爆炎の旋風〉のメンバー全員で、両手武器や片手武器、弓に攻撃魔法、回復魔法と、それぞれ得意分野をここに入学する生徒に教えるような形らしい。


「ふむ……Cランク冒険者というのは、そんな活動もするのだな……」


「おいおい、俺たちは……って、そうか……お前はしばらく隣の国にいたから知らないのか……」


「む? 何をだ?」


「オースさん、フランツさんたち〈爆炎の旋風〉のパーティーは、全員Bランクに昇格したっすよ?」


「何? そうなのか?」


「ああ……まぁ、それがここに来た理由の一部でもあるんだけどよ……」


 フランツ殿が言うには、自分とグラヴィーナ帝国で別れた後、ジェラード王国へと戻り、その帝国に来ていた理由である護衛依頼で貢献度を溜まったらしい彼らはそのままBランク昇格試験を受けて、全員一発で合格したらしい。


 四人一度にBランクへと上がったことは凄いことだし、パーティーメンバー全員がBランク以上という肩書はかなり大きく、それだけ受けられる依頼も、指名が来るような確率も増える……はずだった。


「? 高いランクでしか受けられない依頼が受けられるようになるし、実力を示せる肩書を持っていればそれだけ指名で依頼が来るようなことも増えるのではないか?」


「……あー、普通に考えればそうなんだろうが……まぁ、大人の事情ってやつだな」


 そこから先はあまり深い部分までは話してくれなかったが、まず、アルダートンは大きい街ではあるものの、開拓が済んでいる平和な街なので、強い魔物が街の近くまでやってきたりすることはなく、そういった魔物の討伐など、高ランクの依頼はそれほど多くない。


 そして、そういった高ランクの魔物を倒すような冒険者パーティーは、実は既にアルダートンに存在していて、フランツ殿に高ランクの依頼が下りてくることは少ない。


 その他、所属する冒険者たちの力バランス的に、アルダートンの冒険者ギルドが、王都の冒険者ギルドに近づきすぎたことや、既にアルダートンで活躍する高ランク冒険者パーティーがアルダートンから離れられない事情をもってるなどの状況が重なって、フランツ殿たちは最終的にとりあえずここで先生をすることになったのだそうだ。


「ふむ……とりあえず、色々あって今回の冒険者学科の試験監督はフランツ殿になるということであるな……詳しい事情も聴いてみたいところではあるが、ひとまず試験ではお手柔らかに頼む」


「おいおい、言っておくがこれはちゃんとした仕事だからな? 身内とはいえ不合格と判断したら有無を言わさず落とすぞ?」


「ひぇー、勘弁してほしいっす! ちょっと間違えていてもおまけしてほしいっす!」


「ダメだダメだ、おまけなんてやらん……ほら、そろそろ試験開始の時間だぞ、しゃべってる暇があったら席について少しでも予習しろ」


「うぅー、分かったっすよ……まぁ、面接官が知ってる人だからそんなに緊張しなそうってだけでもありがたいっすね」


「身内のよしみで言っておくが……面接を担当するのはセイディだ、油断して足元をすくわれないようにな?」


「ふぇ? セイディさんって、いつもニコニコして優しそうなエルフの美人さんっすよね? だったら尚更心配いらないんじゃ……」


「そうだな……優しそうな彼女なら安心だろう」


「まぁ、そう思うならそれでいいさ……だが、俺は一応忠告したからな? っていうか、そうだ、坊主……」


「ふむ?」


「お前、セイディに何かしたか? 何があったのかは詳しく聞いてないが、あいつお前にかなり怒ってたぞ?」


「む? 自分が? セイディ殿に……?」


「ああ……あの顔はきっと金が絡んでるな……何かセイディに金回りで検証ってやつをしたんじゃないか?」


「うーむ……セイディ殿……お金……あ……」


「やっぱり何かしたのか?」


「いや、してないことは無いが……あれをやったのは自分である時ではないからしてないとも言えるような……」


 そういえば、グラヴィーナ帝国の武闘大会で、彼女に賭けを持ち掛けて、その掛け金を持ち逃げする検証をしていたな……。


 しかし、あの時は完璧に串焼き屋に変装していたから、気づかれていないはず……。


 うーむ……持ち去ったのがいくらだったか……とりあえず不動産の検証でお金はほとんど使い果たしたから、今の所持金じゃ返せないのは間違いないだろう……。


「ま、よく分からんが何かやったなら後で謝っておけよ……流石にその私情を面接の結果に加えることは無いと思うが、面接の過程には加わるかもしれないからな」


「うむ……後で聞いてみることにしよう」


 もしあの変装が見破られているのだとしたら、今後の検証のためにも何故バレたのかを聞いておかなければ……ついでに返済期限なども。


 自分はそんなことを考えながら、グリィ殿と一緒に席に着く……。


 冒険者学科、入学試験……。


 筆記試験も面接試験も満点で突破する予定だったが、早くも少し不安が出てきてしまったな……。


 もしフランツ殿の言っている気をつけろという言葉が、セイディ殿が真実を見抜くような何らかの力を持っていることをさすのであれば、もしかすると借金というペナルティを抱える自分よりも、考えもないが裏表も無いグリィ殿の方が有利なのかもしれない……。


 でもまぁ、ここまでの試験は無事に想定通りの検証結果が得てきたのだ、最後に残った満点試験を通過した時の挙動確認も無事に成功させてみせようではないか。


「ふむ……なるほど……よし」


「とりあえず筆記試験が終わったらすぐにセイディ殿を探して土下座しよう」


 こうして自分の最後の試験が始まるのであった。


▼スキル一覧

【輪廻の勇者】:不明。勇者によって効果は異なる。

【物理耐性】:物理的な悪影響を受けにくくなる

【精神耐性】:精神的な悪影響を受けにくくなる

【時間耐性】:時間による悪影響を受けにくくなる

【異常耐性】:あらゆる状態異常にかかりにくくなる

【身体強化】:様々な身体能力が上昇する

【成長強化】:あらゆる力が成長しやすくなる

【武器マスター】:あらゆる武器を高い技術で意のままに扱える

【武術】:自分の身体を特定の心得に則って思いのままに扱える

【魔力応用】:自分の魔力を思い通り広い範囲で精密に操ることが出来る

【実力制御】:自分が発揮する力を思い通りに制御できる

【薬術】:薬や毒の効果を最大限に発揮できる

【医術】:医療行為の効果を最大限に発揮できる

【家事】:家事に関わる行動の効果を最大限に発揮できる

【サバイバル】:過酷な環境で生き残る力を最大限に発揮することができる

【諜報術】:様々な環境で高い水準の諜報活動を行うことが出来る

【解体】:物を解体して無駄なく素材を獲得できる

【収穫】:作物を的確に素早く収穫することができる

【伐採】:木を的確に素早く伐採することができる

【石工】:石の加工を高い技術で行うことができる

【木工】:木の加工を高い技術で行うことができる

【調合】:複数の材料を使って高い効果の薬や毒を作成できる

【指導術】:相手の成長を促す効率の良い指導が出来る

【コンサルティング】:店や組織の成長を促す効率の良い助言ができる

【超観測】:任意の空間の全ての状況や性質を把握できる

【人族共通語】:人族共通語で読み書き、会話することができる

【人族古代語】:人族古代語で読み書き、会話することができる


▼称号一覧

【連打を極めし者】

【全てを試みる者】

【世界の理を探究する者】

【動かざる者】

【躊躇いの無い者】

【非道なる者】

【常軌を逸した者】

【仲間を陥れる者】

【仲間を欺く者】

【森林を破壊する者】

【生物を恐怖させる者】

【種の根絶を目論む者】

【悪に味方する者】

【同族を変異させる者】

【覇者】


▼アイテム一覧

〈1~4人用テント×9ずつ〉〈冒険道具セット×9〉〈キャンプ道具セット×9〉

〈調理道具セット×9〉〈登山道具セット×9〉〈変装セット×1〉〈調合セット×1〉

〈その他雑貨×8〉〈着火魔道具×9〉〈方位魔針×9〉〈魔法のランタン×9〉

〈水×54,000〉〈枯れ枝×500〉〈小石×1,750〉〈倒木×20〉

〈食料、飲料、調味料、香辛料など×1089日分〉

〈獣生肉(下)×1750〉〈獣生肉(中)×709〉〈獣生肉(上)×1005〉〈鶏生肉×245〉

〈獣の骨×720〉〈獣の爪×270〉〈獣の牙×258〉〈羽毛×50〉〈魔石(極小)×64〉

〈革×274〉〈毛皮×99〉〈スライムの粘液×850〉〈スライム草×100〉

〈木刀×1〉〈棍棒×300〉〈ナイフ×3〉〈シミター×2〉〈短剣×3〉〈剣×3〉〈大剣×3〉

〈戦斧×3〉〈槍×3〉〈メイス×3〉〈杖×3〉〈戦鎚×3〉〈弓×3〉〈矢筒×3〉〈矢×10,000〉

〈訓練用武器一式×1〉〈雑貨×50〉

〈魔法鞄×4〉〈風のブーツ×4〉〈治癒のアミュレット×4〉〈集音のイヤーカフ×4〉

〈水のブレスレット×4〉〈装飾品×5〉〈宝石×6〉

〈一般服×10〉〈貴族服×4〉〈使用人服×2〉〈和服×1〉

〈ボロ皮鎧×1〉〈革鎧×1〉〈チェインメイル×2〉〈鋼の鎧×2〉

〈バックラー×1〉〈鋼の盾×2〉

〈上治癒薬×19〉〈特上治癒薬×5〉〈魔力回復薬×10〉〈上解毒薬×7〉〈猛毒薬×10〉

〈筋力増加薬×5〉〈精神刺激薬×5〉〈自然治癒上昇薬×10〉〈魔力生成上昇薬×10〉

〈大銀貨×2〉〈銀貨×3〉〈大銅貨×9〉〈銅貨×7〉


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