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第四十五話 帝都の城で検証

 ジェラード王国やソメール教国へと通じる道が伸びる貿易都市オーレンドルフから、北東に向けてさらに二日ほど移動した、グラヴィーナ帝国の中心にあり、この国で一番大きな都市……帝都。


 そこには立派な天守閣が……あるわけではなく、少し小高い丘になっているその場所にはジェラード王国で見たものと同じような西洋の城が立っている。


 貿易都市オーレンドルフでもそうだったが、この国で作られている特産や名産と言えそうな調味料や食べ物、和服などは日本を感じさせるようなものばかりだというのにも関わらず、建物は相変わらず切り出した石や焼いた粘土のレンガで作られた西洋風のもので、純粋な木造建築や、それに漆喰などが厚く塗られた家、障子や縁側がある家屋などは一見も見かけなかった。


 考えてみれば開拓時代は長く一つの国だったということだし、国が分かれたからと言って元々あった家や砦を取り壊して立て直すことも、今まで扱ってきた建築技術の成長を急に方向転換して成功するか失敗するか分からない賭けに出ることも無いだろう。


 まだ文明の成長途中だった時に国のトップが分かれたことで時間がたつにつれ生活様式や特産物にこうして違いが表れたようだが、そんな違いが生まれるというのも珍しい事なのかもしれない。


 日本という似て非なる文明を知っている自分としては、西洋の城の門に日本甲冑を着こんだ武士が立っているのはどうにも違和感があるのだが……。


 というよりも、逆に何故、武器や防具が独自の進化を遂げたのだろう……現代日本でも海外から関心されていた刀ならばともかく、薙刀に関しては日本でも時代の流れで槍へと変わっていったので完全に退化しているように思える。


 聞くところによると大量の鉱山を抱えているそうなので、鎧だって別にあえて手間のかかる漆塗りの革鎧を作るのではなく、チェインメイルやスケールメイルなど軽量の金属鎧開発を目指せばよかっただろう。


 そもそもプレートアーマーという斬撃を通さない鎧が既に目の前にあるのであれば、わざわざ切る方へ特化させた刀を作るのも謎だし、西洋剣の叩き切る斬撃に耐えられない日本甲冑を後から開発するのもおかしい。


 歴史的に人族同士で鎧を着こんで武器を手に取る戦争が起こったことは無いらしいので一概には何とも言えないが、それにしても既存の武器や鎧に勝てないそれらを開発するというのは、【戦いと開拓の国】と呼ばれるらしいグラヴィーナ帝国の文明発展としてはどうなのだろうか……。


「これも検証が必要だな……」


 自分はここ数日で項目が増えていったグラヴィーナ帝国で検証するべき内容をメモ画面に追記すると、もう一度その西洋のお城に日本甲冑の武士という異様な組み合わせを一瞥してから城の中へと入って行った。


 ジェラード王国と比べると帝都全体の防壁が高く頑丈だったり、城につくまでにやたらと高い塀で囲われた曲がりくねった道を通ったりした上に、その内部も余計な絵画やタペストリーが飾られておらず、見た目よりも機能を優先した作りになっているように見える。


 王都と同じくここも既に大型の魔物や人型の魔物などの厄介な脅威は追い払った後ということなので、今はその建築当時から幾人もの職人によって考えて作られた防衛機能が本領発揮するようなことは無いのだろうが、掃除だけはきちんとされているのか、騎士の訓練なんかで使われたりするのか、苔や雑草が生え放題ということは無さそうだった。


 綺麗に保たれているのは城の内部も同じで、廊下や階段は敷かれているカーペットも含めて汚れているような箇所が見当たらない……ジェラード王国の城でもそうだったが、こんな広い城を隅から隅まで綺麗に保つなんていったい何人の掃除係が必要なのだろうか……。


 ―― コンコン ――


「オルスヴィーン殿下がお見えになられました」


 そんなことを考えているうちに目的の部屋へと到着したようで、先頭を歩いていたダーフィン殿から扉の前に立っていた騎士を通して部屋の主へと取り次がれる。


「通せ」


 部屋の中から聞こえた若い男の声を合図に騎士によって扉が開かれ、脇に避けて頭を下げたダーフィン殿に中へ入るように促された……どうやらここがジェラード王国の王都から数日間共にした旅の終着点で、彼とはしばしの別れとなるらしい。


 国が違うと言っても言葉は同じなので通訳などは必要ないし、今から会うのは自分の親や兄弟という設定の人物なので心配することなどないのだが、そうは言っても設定は設定だ。


 実際の親や兄弟というわけではなく、自分からしたら他人も同然なのに向こうは自分のことを知っているように会話してくるというのは、普通の人間を相手にするよりも難しいのではないだろうか……着々と獲得スキルの数を増やしながらも未だにコミュニケーションスキルが項目に現れない自分には少々難易度が高いような気もする……。


 まぁ、かといってここで迷っていても仕方がない……これも検証だと気持ちを切り替えて、その開け放たれた扉から中に入って行く……そして……。


 ―― ガキン ――


 部屋に足を踏み入れた瞬間に反応した【万能感知】スキルの警笛に促されるまま亜空間倉庫から短剣を取り出し自分の首の前へと構えると、そこへ横から振られた片手剣の刃がぶつかって甲高い音が鳴り響いた。


 短剣で受け止めた片手剣を辿るように視線を向けた先にいたのは、自分と同じような黒い髪に黒い瞳を持つ二十代半ばくらいの男性だったが、その顔立ちは平凡ながらも整っていると感じていた自分以上に整っていて、目鼻立ちがハッキリしたその顔は多くの女性を魅了しそうな風貌だ。


「ほう……」


 彼は感心するような声を漏らして長いまつ毛の備わったその目を細めてこちらを眺める……手に伝わって来た感触から推察するに最初から本気で斬るつもりはなく寸止めするつもりだったのだろう……それを受け止めた自分に何か得たものがあったのか、その男は満足したように刃を離すとその片手剣を腰に下げた鞘に納める。


 しかし自分は……彼が剣を納めると同時に、堪えきれずにその場に膝と手をついた……。


「ふんっ、なんだ……隣国で少しは鍛えてきたのかと感心してみれば、磨いてきたのは腕だけで、その王家の子孫として恥ずかしい脆弱な精神は変えられなかったか」


 刀を納めた恰好のまま冷めた目でこちらを見下ろす彼は、きっと自分がその攻撃を受け止められたはいいものの恐怖で膝をついたのだと思っているのだろう……確かに彼の淀みのない真っすぐな斬撃は素晴らしく、おそらくフェイクだろうが一瞬見せた殺気は小動物ならそれだけで命を奪えてしまいそうな気迫だった。


 だが、自分が今こうして膝をついているのは彼に恐怖しているからではない……。


 せっかくの初対面イベントで斬られる検証をし損なった……。


 それだけを心の底から後悔して膝をついていたのだ……。


「くっ……」


 自分は本気で悔しがり、苦悶に満ちた表情を浮かべてそう声を漏らす……。


 あそこは短剣で受け止めたりなどせずに両手を広げて日本刀に飛び込むべきだった! ……怪我をするはずのないイベントで怪我をするという検証をせず何がデバッガーか! ……セーブ機能が存在するのであれば今すぐにでもリセットしてもう一度このイベントをやり直すのに……!


 そんな後悔が頭の中をぐるぐると駆け巡り、まるで目の前で救えたはずの大切な人を亡くしてしまったかのように涙まで流す……。


「えっ? あ、いや……そんなに怖かったか? おいオース、泣くな……お前もう十五だろ? いや、その……悪気があったわけじゃない……俺は兄としてお前の成長をだな……」


 どうやら自分にいきなり剣を振るってきたのはこの世界での兄だったらしく、帰って来たばかりの弟にその対応はどうかとは思うが、自分が悔し涙を流しているとオロオロと慌てて心配そうにこちらを覗き込んでいるところを見るとそれほど悪い人間ではないのかもしれない……というか今、自分はオースと呼ばれただろうか……。


「あーあー、兄貴がまたオースを泣かしたー」


 またそう呼ばれたような声が聞こえて、自分は流れる涙をそのままに視線をそちらに向けると……そこには今の自分より少し年上だろうか、十代後半に見える活発そうな見た目の青年がいた。


 聞こえてきたその呼び名は、注意深く聞くとオルスと言っていて、自分のこの世界での名前らしいオルスヴィーンの略称だと分かったが、発音が良すぎるのか、呼び慣れたその名前に意識が引っ張られているのかどうしてもオースと聞こえてしまう……なのでもう今まで通りそう呼ばれているものと認識しておこう。


 ケラケラと笑いながら自分をそう呼ぶ青年は、さきほど斬りかかってきた人物を兄貴と呼んでいるので同じく兄弟なのだろう……整った顔立ちをしているのは年上の方の兄と同様ではあるが、細く柔らかい髪質なのか少しパーマがかった髪型のため、黒髪の外国人かハーフのように見える容姿だ。


 馬車での移動中、ダーフィン殿から自分のこの世界での家族構成やその特徴は聞いていたので、それに当てはめると自分を攻撃してきたのが第一王子のテオドールで、それを見て茶化しているのが第二王子のヴォルフだろう……そして……。


「だっはっは、記憶を失ったって聞いたが、泣き虫なのが変わってないところを見ると、とてもそうは思えないなぁ? オース……お前、本当になんもかも忘れちまったのか?」


 このダイニングのようにも会議室のようにも思える細長い部屋の一番奥で、窓から差し込む光を背に浴びて少し逆光気味に姿が陰って見えながら、存在感……いや、威圧感が一番大きいと思われるこの人物が、この世界で自分の父親に当たるグラヴィーナ帝国の帝王……マクシミリアン・ゲーバーなのだろう。


 彼はサラサラ髪の第一王子テオドールや、猫毛パーマの第二王子ヴォルフと違い、自分と同様の芯が太いと思われる黒髪を特に手入れなどすることなく背中まで伸ばしているようで、同じように伸ばされた無精髭や鋭い眼光も相まってとても野性的で攻撃的な印象を受ける外見だった。


 その服装も着物を着くずして晒の巻かれた上半身をはだけさせていたり、片腕を襟から出していたり、羽織に腕を通さず肩に掛けているだけだったりと、一国の王がそれはどうなんだと思えるようなだらしない恰好をしているのだが、ひじ掛けに立てた手を顎に置いた偉そうなポーズをした彼にはそれがよく似合っている。


 そして別にどうでもいいのだが……父が和服なのに対し、その子供二人がヴェルンヘル殿下のような西洋騎士の恰好をしていたり、冒険者のような革鎧スタイルだったりするのは如何なものだろうか……自分も良かれと思って貴族服を着ているので何も言えないが……。


「はい、残念ながら自分にはここで過ごした記憶が無く、こうして家族と顔を合わせてもその思い出さえ回想することが出来ません……」


 自分はハンカチで悔し涙を拭いてから立ち上がり、周りを見渡してから帝王に向き直ってそう告げる。


「はぁ……それは何とも……悲しいなぁ……」


「申し訳ありません……」


「ま、いいさ……それよりもその敬語を止めてくれ……なんだか他人行儀で、余計に悲しくなるだろ? はっはっは」


 帝王は大げさに悲しむようなリアクションをした後、冗談めかすようにそう言って笑って見せる……しかしその完璧に作られた笑顔が逆にその裏に隠された哀しみを感じさせ、彼にとっては本当に自分が息子なのだなと思わされた。


「うむ、ではそうしよう……父上、と呼んで良いのだろうか?」


 だから自分は発達していないコミュニケーション脳を精一杯使い、せめて表面だけでも家族のようにふるまう努力をしようとそう続ける。


「ああ、本当はヴォルフみたいに親父って呼んでくれてもいいんだが、お前は昔からテオドールの真似ばっかりしてそう呼んでいたし、その方がいいな……というか口調も前のまんまじゃねぇか……記憶を失ってもそういうところは変わらないもんなのかねぇ」


 ふむ……この世界の自分は元の世界と似た性格なのだろうか……それがゲームのキャラクター設定的にそうなのか、後から自動で調整されるシステムなのかは分からないが、今までと同じ喋り方でいいのは楽でいいな。


「では、兄上二人はどう呼び分けていただろうか?」


 自分はそう言いながら二人の兄の顔を交互に見る。


「ふむ、ここ最近は三人で一緒にいることが無いので兄上と呼ばれてばかりだが、昔は俺の方はテオ兄、ヴォルフのことはヴォル兄と呼んでいたな」


「そうそう、兄貴はそう呼んでもらえなくなってから何だかオースに冷たく当たるようになったよなぁー?」


「だ、黙れ! そんなことは無い! たまたま偶然、忙しくなる時期やそろそろ王族としての教育をせねばという時期とそれが重なっただけだ!」


「はいはい、そういうことにしておきますよー」


 なるほど……王位継承権を賭けて戦うなんて聞いていたから、どんな血なまぐさい関係の兄弟なのだろうと思っていたが、もしかしたら戦いはこの国で昔から行われているしきたりというだけで、兄弟の仲は今も昔もそれほど悪くは無いのかもしれない。


 そうして挨拶とも言えない挨拶を済ませた後は、ずっと立っていたテオ兄も椅子に座って、自分も席についてアルダートンで買ったお土産を広げ、それぞれの空白の時間を埋めるように雑談を交わした。


 話の内容は主に自分がここに来るまでどんな風に過ごしていたかという内容で、気がついたら竜の休息地のど真ん中に佇んでいたことや、その近くの村で古着や食べ物を分けてもらったこと……商業都市アルダートンで冒険者になり、様々な依頼をこなして無印からFランクに上がり、そろそろEランクに上がれそうだったことを話す。


 テオ兄は「貧弱なお前がそんな過酷な環境で……」などと貶しているのか心配しているのかいまいち分からない反応をして、ヴォル兄はそんな兄をからかいつつ、冒険者の暮らしに興味があるのか色々な質問を投げかけてきて、父上は王になる前は冒険者のようなことをしていたらしく、どんな話題も過去の自慢話へとうまく繋げて語り始めた。


「……で、王位継承の戦いがあると呼ばれて、ダーフィンやコンラートと共にこの国に帰って来たのだが……そういえばその戦いについてまだ詳しく聞いていなかったな」


「おっと、そういやぁそれも覚えてないんだったな……なんだかこうして話してるとお前が記憶喪失だってことを忘れちまうぜ……んじゃ、テオが説明してやってくれ」


「ふんっ、仕方ない……一度しか説明しないから、その記憶容量の少ない頭でしっかり覚えるんだな……まぁ、どうしてもというなら聞き返してくれれば……」


「兄貴ー、もういいからさっさと始めてくれー」


「……う、うむ」


 そうしてテオ兄から伝えられたのは、この戦いは一般人も巻き込んだ四年に一度の大規模な武闘大会だということ……。


 試合は魔法無し、毒や薬も無し、防具は何でもありで、武器も刃の潰されたものであれば制限なしのトーナメント形式で行われる物理特化の戦いで……まず一般参加者で観戦者のいない予選が行われて大会出場者が十人選出され、大会の本戦前に行われる前哨戦で、その十人がランダムに組まされた相手と一戦交えて五人の選出者が決まる。


 そしてその五人に自分たち三人を加えた八人で改めて本戦のトーナメント表が組まれ、三回勝ち抜けば優勝、帝王への挑戦権が与えられ、挑戦者が王に勝てばその大会の閉会式がそのまま王位継承の儀に代わってしまうという無茶苦茶なイベントらしい。


 予選からメインの大会まであまり期間が空いてないらしく、前哨戦に続いて本戦が執り行われるため、疲れの抜けない一般参加者はその時点で結構不利な状況ではあるが、それでも帝王学などを学んでいない一般人が戦いで帝王になってしまうというのは、やはり【戦いと開拓の国】と呼ばれるグラヴィーナ帝国ならではだろう。


 ふむ……身分問わず、戦いに勝ったものが王となる、か……それは帝王というよりも、覇王だな。


 どれだけ情報を集めてもこの国は別に複数の国を束ねているというような情報は出てこないし、国の呼称も帝国ではなく普通に王国でもいいのではないかと思うが……他の二国よりも開拓に熱心で、武力によって領土を広げられるだけ広げようとしているらしいからな……大陸全土の天下統一を目指している国だという将来性を考えてこのようなネーミングになったのだろうか。


 まぁ、国に関する詳しい歴史を検証する時間は後でたっぷりあるだろうし、不足している知識はその時に調べてみればいいだろう……とりあえず今わかったことは、ゲーム的に自分の父親だという設定のこの目の前の人物は、この戦闘狂の集まる国の中で、誰よりも強いということ。


 自分は初代からずっとドワーフが治めていたこの国が戦いによって人間が治めるようになったというのは、反乱などではなく本当に戦いによって勝ち取ったものだったのだと理解すると同時に、その偉業を成し遂げたのが自分の目の前にいる人物、マクシミリアン・ゲーバーだということに関心や尊敬という言葉では足りない感情を覚えた。


 さきほど雑談していた時にSSSランクの魔物であるロック鳥と一対一で、しかも素手で戦って倒したという、言う人物が異なれば大ボラを吹いているようにしか思えない話は、もしかしたら本当の事なのかもしれない。


 自分たち王子組も大会では一般人と比べて戦う回数が少ないとはいえ、それでも三回は戦いを勝ち進む必要があり、その後にそんな人間をやめた絶対強者が万全な状態で立ちはだかっているのだ……これは王が老いるのを待てと言っているようなものではないだろうか。


 実際に王の交代が行われるのは今の王の動きが鈍くなるほど老いた後で、しかも大会では優秀な治癒術師が待機していて負けても命を落とすことが無いとなれば、一般人が勝っても引退した前王からサポートされながら仕事を引き継ぐ期間もある……。


 聞いた通り鵜呑みにすると無茶苦茶な王位継承に思えたが、もしかしたらそれなりに理にかなった仕組みなのかもしれない……しかし……。


「これは厳しい戦いになりそうだ……」


「だっはっは、まぁ、オレ様に勝とうってんなら何十年かかったって無理な話だが、少なくとも一般参加者に勝てばメンツは保てる……とりあえずお前はそこだけ目指して頑張りゃいいのさ」


 おそらく父上の言う通りだ……彼はもう旅をしながら修行していた当時と比べれば年を取り、今は話を聞く限り五十代くらいと言ったところだが、その見た目は髭を剃ればまだ三十代後半だと言われても信じられそうなほど若々しく、帝王の座につきながらも毎日鍛えているのか、肉体だって衰えるどころかおそらく磨きがかかっているくらいだろう。


 きっと今のままでは自分も兄たちも彼には勝てない……これは負けイベントだ。


「ふむ……なるほど……よし」


「うん?」


 そう……負けイベントなのだ。


「ならばこの戦い……全力で挑ませてもらおう」


 負けイベントならなおのこと、負けるわけにはいかないな。


 今の自分は冒険者でも一国の王子でもない……デバッガーなのだから。


2022/05/07:帝国の説明を少し加筆しました。


▼スキル一覧

【輪廻の勇者】:不明。勇者によって効果は異なる。

【物理耐性】:物理的な悪影響を受けにくくなる

【精神耐性】:精神的な悪影響を受けにくくなる

【時間耐性】:時間による悪影響を受けにくくなる

【異常耐性】:あらゆる状態異常にかかりにくくなる

【五感強化】:五感で得られる情報の質が高まる

【知力強化】:様々な知的能力が上昇する

【身体強化】:様々な身体能力が上昇する

【成長強化】:あらゆる力が成長しやすくなる

【短剣術(基礎)】短剣系統の武器を上手く扱える

【剣術(基礎)】:剣系統の武器を上手く扱える

【大剣術(基礎)】:大剣系統の武器を上手く扱える

【戦斧術(基礎)】:戦斧系統の武器を上手く扱える

【槍術(基礎)】:槍系統の武器を上手く扱える

【短棒術(基礎)】:短棒系統の武器を上手く扱える

【棍棒術(基礎)】:棍棒系統の武器を上手く扱える

【杖術(基礎)】:杖系統の武器を上手く扱える

【戦鎚術(基礎)】:戦鎚系統の武器を上手く扱える

【鎌術(基礎)】:鎌系統の武器を上手く扱える

【体術】:自分の身体を高い技術で意のままに扱える

【弓術(基礎)】:弓系統の武器を上手く扱える

【投擲】:投擲系統の武器を高い技術で意のままに扱える

【実力制御】:自分が発揮する力を思い通りに制御できる

【薬術】:薬や毒の効果を最大限に発揮できる

【医術】:医療行為の効果を最大限に発揮できる

【家事】:家事に関わる行動の効果を最大限に発揮できる

【サバイバル】:過酷な環境で生き残る力を最大限に発揮することができる

【隠密】:気配を薄くして周囲に気づかれにくい行動ができる 

【鍵開け】:物理的な鍵を素早くピッキングすることが出来る

【解体】:物を解体して無駄なく素材を獲得できる

【収穫】:作物を的確に素早く収穫することができる

【伐採】:木を的確に素早く伐採することができる

【石工】:石の加工を高い技術で行うことができる

【木工】:木の加工を高い技術で行うことができる

【調合】:複数の材料を使って高い効果の薬や毒を作成できる

【指導術】:相手の成長を促す効率の良い指導が出来る

【コンサルティング】:店や組織の成長を促す効率の良い助言ができる

【鑑定・計測】:視界に収めたもののより詳しい情報を引き出す

【マップ探知】:マップ上に自身に感知可能な情報を出す

【万能感知】:物体や魔力などの状態を詳細に感知できる

【人族共通語】:人族共通語で読み書き、会話することができる

【人族古代語】:人族古代語で読み書き、会話することができる



▼称号一覧

【連打を極めし者】

【全てを試みる者】

【世界の理を探究する者】

【動かざる者】

【躊躇いの無い者】

【非道なる者】

【常軌を逸した者】

【仲間を陥れる者】

【仲間を欺く者】

【森林を破壊する者】

【生物を恐怖させる者】


▼アイテム一覧

〈1~4人用テント×9ずつ〉〈冒険道具セット×9〉〈キャンプ道具セット×9〉

〈調理道具セット×9〉〈登山道具セット×9〉〈その他雑貨×9〉

〈着火魔道具×9〉〈方位魔針×9〉〈魔法のランタン×9〉

〈水×60,000〉〈枯れ枝×1,000〉〈小石×1,800〉〈倒木×20〉

〈食料、飲料、調味料、香辛料など×1098日分〉

〈獣生肉(下)×1750〉〈獣生肉(中)×870〉〈獣生肉(上)×965〉〈鶏生肉×246〉

〈獣の骨×747〉〈獣の爪×250〉〈獣の牙×250〉〈羽毛×50〉〈魔石(極小)×90〉

〈スライムの粘液×600〉〈スライム草×100〉

〈棍棒×300〉〈ナイフ×3〉〈シミター×2〉〈短剣×3〉〈剣×3〉〈大剣×3〉

〈戦斧×3〉〈槍×3〉〈メイス×3〉〈杖×3〉〈戦鎚×3〉〈弓×3〉〈矢筒×3〉〈矢×10,000〉

〈魔法鞄×4〉〈風のブーツ×4〉〈治癒のアミュレット×4〉〈集音のイヤーカフ×4〉

〈水のブレスレット×4〉〈装飾品×10〉〈宝石×6〉〈高級雑貨×10〉

〈一般服×10〉〈貴族服×5〉〈使用人服×2〉〈和服×1〉

〈ボロ皮鎧×1〉〈革鎧×1〉〈チェインメイル×2〉〈鋼の鎧×2〉

〈バックラー×1〉〈鋼の盾×2〉

〈金貨×45〉〈大銀貨×6〉〈銀貨×7〉〈大銅貨×8〉〈銅貨×6〉

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