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第二百七話 マギュエ決勝で検証 その三

 

「【水の弾丸(ウォーター・ショット)】」

「【水柱(ウォーター・ビラ―)】」

「【津波(タイダル・ウェイブ)】」

「【水牢(ウォーター・プリズン)】」


 引き続きマギュエの最終決戦。

 自分が亜空間倉庫から水を出し続けている間、教皇様は既に水位が腰の位置を越えたその大量の水を利用した魔法を次々に放ってくる。


 しかし……。


「【魔法解除(マジック・キャンセル)】」

「【魔法解除(マジック・キャンセル)】」

「【魔法解除(マジック・キャンセル)】」

「【魔法解除(マジック・キャンセル)】」


 自分はその全てに対して、魔法の発動自体を解除することによって防いでいた。


 ……これは、箱舟を監視する人工神、マギの目が、船内で行っている内容と同じもの。


 マギの目が使っている魔法障壁が再現できるなら、発動されそうになっている魔法を解除する仕組みも再現できるだろうと思い、こちらもカヤ殿と一緒に研究していたのだ。


 その結果、何とか再現できた魔法がこれなのだが……この魔法、非常に魔力効率が悪い。


 なにしろこの魔法を成功させるためには、相手がその魔法に使用した倍の魔力が必要なのだ……だったら、魔法障壁で防御するか、同じ魔法をぶつけて相殺する方がまだマシだろう。


 相手の足元で発動する魔法などがあるので、そういった魔法に対しては有効かもしれないが、別にそういった相殺が難しい魔法だとしても、わざわざ消さないで避ければいいだけだ。


 カヤ殿が解析済みでも試合で使わなかったのはそれが理由だし、おそらく自分たちと同じように既に解析済みであろう教皇様が使わないのも同じ理由だと思う。


 だったら何故、自分がわざわざ教皇様の行使する魔法全てに対して、無駄な魔力消費をして完全消滅させているのか……。


 その理由の一つとして、自分の魔力総量が教皇様と同程度、おそらく普通に試合をしてもお互いに一試合中に魔力を全て使い切ることが無いであろう量を保有している上に、自分はアーリー殿の魔力持続回復ポーションを服用済みなので、これだけ無駄使いしても余裕があること。


 むしろ、教皇様はひとつ前の試合にも出ていて、アクセル殿に対してそれなりに魔法を放っていたので、少しの休憩時間があったとしても全回復はしていないはずだ。

 試合開始時点の魔力量としては、これが初試合である自分の方が多かったということを考えても、少し前に教皇様が大きな魔法を放っていた時に、自分が小さな魔法でしか返していなかったことを考えても、ここで教皇様の魔力消費量よりも自分の魔力消費量が増えたところで、大した痛手ではない……それが一つ目の理由。


 二つ目の理由は、今行っている検証の都合上、余計なことをされては困るのだ。


 教皇様が発動している魔法が、水を直接操る魔法に限られている点をからすると、自分が懸念しているようなことを教皇様の方でも懸念しているのかもしれないが、ここで超高温の炎魔法など発動されてしまったら、水蒸気爆発が起きて、お互いにどうなるか分かったものじゃない……後で検証するが。


 そうではなく、通常の小さな炎魔法を発動されたとしても、せっかくここまで溜めた水が蒸発してしまう。

 それは単純に考えると、水位を下げる良い方法に思えるかもしれないが、大気中の水蒸気濃度が一定範囲を超えて、その影響で酸素濃度が一定以下にまで落ちるような状況になってしまったら、窒息ダメージのタイミングが早まる……後で検証するが。


 よって、自分はそういった、まだ検証するには早い現象を発生させないように、教皇様の放つ魔法を片っ端からキャンセルして、この闘技場に溜まっていく水に干渉させないようにしているのだ。


「くっ……それなら……」


 —— ザバッ ——


 教皇様が勢いよく飛び上がり、高い水しぶきが上がる。

 そして、自由落下してきた教皇様は、再び水に腰を沈めることは無く、水面へと着地した……。


 ふむ……これは面白い。

 変異させて浮力を高めた魔力を足の裏に広げることで、足が水に沈むのを防いでいるのか。


 足に小さな浮き輪やビート板を括り付けているようなもので、その場で立つだけでもかなりのバランス感覚を必要としそうだが、そこは流石の教皇様……ご自慢のフィジカルさを存分に発揮しているようだ。


「……ゆくぞ」


 教皇様は一言そう呟いてから、水面を蹴り、後方に大きな水しぶきを上げながら、こちらへ急接近してくる……。

 自分に対して魔法を行使しても意味がないことが分かり、接近戦でどうにか水の放出を止めさせる作戦に出たようだ。


 だが、申し訳ない……。


「【要塞(フォートレス)】」


 —— ガキンッ ——


 アクセル殿にこの呪文を託したのは、この自分だ。

 自分がこの全方位からの攻撃を完全に防ぐこの魔法障壁を張れないわけがない。


「っ……! 化け物め」


 《称号【人とみなされぬ者】を獲得しました》


 うーむ、称号がたくさんもらえるのはいいが、相変わらずこのシステムが称号として選定している基準が理解できないな……。


 自分は相変わらず変な称号しか与えてくれないシステムに不満を抱きながら、なおも攻撃を続ける教皇様に対して魔法障壁を張り続けた。


▼スキル一覧

【輪廻の勇者】:不明。勇者によって効果は異なる。

【全耐性】:あらゆる悪影響を受けにくくなる

【全強化】:あらゆる能力が上昇する

【武器マスター】:あらゆる武器を高い技術で意のままに扱える

【武術】:自分の身体を特定の心得に則って思いのままに扱える

【魔術】:自分の魔力を特定の法則に則って思いのままに操れる

【錬金術】:素材と魔力で様々なものを生み出し、扱うことが出来る

【実力制御】:自分が発揮する力を思い通りに制御できる

【家事】:家事に関わる行動の効果を最大限に発揮できる

【冒険術】:冒険に必要な行動を高い水準で実行することができる

【諜報術】:様々な環境で高い水準の諜報活動を行うことが出来る

【工作】:様々な素材を思い通りの物に加工することが出来る

【指導術】:相手の成長を促す効率の良い指導が出来る

【コンサルティング】:店や組織の成長を促す効率の良い助言ができる

【舞踊】:あらゆる条件で思い通りに踊ることができる

【超観測】:任意の空間の全ての状況や性質を把握できる

【人族共通語】:人族共通語で読み書き、会話することができる

【人族古代語】:人族古代語で読み書き、会話することができる

【古代魔術語】:古の魔法陣を読み解き、描き、呪文を詠唱することが出来る


▼称号一覧

【連打を極めし者】

【全てを試みる者】

【世界の理を探究する者】

【動かざる者】

【躊躇いの無い者】

【非道なる者】

【常軌を逸した者】

【仲間を陥れる者】

【仲間を欺く者】

【森林を破壊する者】

【生物を恐怖させる者】

【種の根絶を目論む者】

【悪に味方する者】

【同族を変異させる者】

【覇者】

【権威を振りかざす者】

【禁断の領域に踏み入れし者】

【自然に逆らいし者】

【奪いし者】

【獣を操る者】

【世界征服を目論む者】

【魔王と呼ばれし者】

【人の道を外れし者】

【民衆を脅かす者】

【人とみなされぬ者】 NEW


▼アイテム一覧

〈水×999,999+〉〈土×999,999+〉〈石×199,680〉〈木×20〉〈薪×815〉〈布×89〉

〈食料、飲料、調味料、香辛料など×1,960日分〉〈保存食×20,000〉〈飼料×4,340〉

〈獣生肉(下)×1750〉〈獣生肉(中)×500〉〈獣生肉(上)×480〉〈茶蕎麦×500〉

〈獣の骨×710〉〈獣の爪×260〉〈獣の牙×248〉〈羽毛×40〉〈魔石(極小)×69〉

〈革×274〉〈毛皮×99〉〈スライム草×100〉〈抑制の首輪×5〉

〈着替え×1,000〉〈本×100〉〈遺物×10〉〈宝石・鉱石×170〉

〈冒険者道具×1〉〈調理器具×1〉〈錬金器具×1〉〈変装道具×7〉

〈掃除道具×1〉〈茶道具×1〉〈絵画道具×1〉〈手持ち楽器×4〉

〈木刀×1〉〈ミスリル合金の軽鎧×1〉〈ミスリル合金の短剣×1〉

〈音信のイヤリング×1〉

〈教国軍の消耗品×200,000〉〈教国軍の装備品×19,990〉〈教国軍の雑貨×100,000〉

〈金貨×0〉〈大銀貨×1〉〈銀貨×11〉〈大銅貨×135〉〈銅貨×84〉


▼ 商業ギルドからの借金

オース名義:金貨2枚

グリィ名義:金貨2枚


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