第百十話 魔法と錬金術の検証 その一
「と、いうわけで……今回も授業で習った内容の検証をしようと思う」
時刻は早朝、場所は王都の冒険者ギルド前。
先日の魔法基礎の授業で魔法の使い方をばっちりと覚えた自分は、冒険者仲間のグリィ殿に声をかけて、まだ営業を開始したばかりの冒険者ギルド前に来ていた。
アクセル殿にも一応声をかけたが、彼は授業で知り合いになった貴族と親睦を深めて、さらにその知り合いと繋がりを持つという、彼自身の使命で忙しそうだったので、そちらの作業に集中して大丈夫だと言って今回の参加は見送ってもらっている。
まぁ、彼に参加を辞退してもらった本当の理由は、彼が忙しそうだったからではなく、今回の検証で自分が魔力を大量に使う予定だからなのだが……。
メインストーリーの検証も進めたいので、いずれはアクセル殿に自分が勇者と呼ばれる存在なのかもしれないと伝えるつもりではあるが、まだここで検証しておきたいことが山のように積まれているので、もう少し待ってもらおうと思う。
特に、今日から始める魔法の検証は、習得すれば他の検証でも役に立ちそうなので、今のうちにやっておくべきだ。
そういうわけで、今日から数か月、休日を使って何度か行うであろう魔法系の検証にはアクセル殿は参加せず、自分の検証チーム……もとい、冒険者パーティーとして参加してもらうのは、グリィ殿だけになるわけだが……。
「あ、あの……わたしはなんで呼ばれたんでしょうか……」
「いやいや、それを言うならあたしこそどうして呼ばれたの?って感じでしょ……ちょっと聞いた話の流れから察するに、魔法の授業の復習をするために冒険者の討伐依頼あたりを受けて、実戦で魔法を使ってみるみたいだけど、あたしは冒険に必要な傷薬を作るならともかく、あたし自身を冒険に連れていかれても全く戦えないし、役に立たないわよ?」
「……オースさんがよく分からない行動をとるのはいつものことっすけど、とりあえず私はこの二人のことを全く知らないっすから、とりあえずこの二人がどこの誰なのか紹介してほしいっすね」
うーむ、聴覚や感覚を強化するスキルのおかげで聞き取れはするが、それに対応する人間が一人しかいないことには変わりないので、そう一度に話しかけないでほしいな……。
この場には、グリィ殿の他に、魔法基礎の授業で隣の席になったカヤ殿と、アルダートンにあるアドーレ殿の薬屋でもお世話になったアーリー殿の二人も呼んでいる。
その理由は、殆どアーリー殿が言っていた通り、授業で習ったことを実践で検証するためなのだが、復習する授業の内容が、魔法だけじゃなく錬金術も含めるというところが、彼女の認識と少し違うところだろうか。
「ふむ、そうだな……とりあえずグリィ殿の言った通り、これから共に検証をする仲間としてお互いのことを知っておいた方がいいだろう……というわけで、最初はその紹介を提案してくれたグリィ殿……彼女は自分がリーダーを務める冒険者パーティーの仲間であり、検証チームの頼れるデバッガーである」
「うーん、検証とかデバッガーとかはよく分からないっすけど、オースさんの冒険者パーティーに入ってる冒険者のグリィっす……このパーティーにいると何だか色々とわけの分からない大変なことが起きることが多い気がするっすけど、オースさんが作ってくれる美味しいご飯のために頑張ってるって感じっすかね? よろしくっす」
「は、はい……よろしくお願いします」
「あー、アルダートンで噂になってた〈怪力娘〉のグリィさんってオース君の仲間だったんだね」
「うぐっ……そのどこかで聞いた二つ名……アルダートンでも呼ばれてたっすか……」
「そうだねー、他に〈大食漢〉とか〈食べ物収納魔法人間〉って感じの二つ名もついてたかなー」
「えー! なんすかそれ! 私は漢じゃないっすよ!」
「あー……突っ込むのはそこなんだね」
グリィ殿の自己紹介に、カヤ殿とアーリー殿が反応する。
カヤ殿もアーリー殿も、冒険の仲間になるかどうかはともかく、同じ学校に通う仲間としてここで自己紹介をしておくことに異論はないようで、他にもいくつかグリィ殿がどうしてそんな二つ名で呼ばれているのかなどの質問をしていた。
グリィ殿は心当たりがないと言っているが、まぁ今回の冒険で行動を共にすれば、その彼女の【鑑定】画面にずらりと並んでいる個性的な称号一覧の謎は解けるだろう。
「うむ……意図していたかどうかはともかく、直接ではなくともグリィ殿はアーリー殿に知られていたようだな……では次はそのアーリー殿……彼女は自分が学校で一緒に錬金術の授業を受けている学友でもあるが、彼女が王都に来る前にアルダートンの薬屋で助手として働いていた時も少しお世話になったのだ」
「うん、そうね、オース君とは前からのビジネスパートナーって感じの関係だけど……とりあえず今は錬金術研究学科で勉強している、錬金術師見習いのアーリーよ……たまに王都の貴族街にある魔法店で店番をさせられたりしてるから、気になったら覗いてみて……まぁ、学生だとちょっと買えるものがあるか分からない値段だけど……」
「え? 貴族街の魔法店って、〈グルナラ魔法店〉ですか?」
「そうだけど、あなた知ってるの?」
「あ、はい、家が近所なので……魔法店なのにポーションだけじゃなくてお砂糖とかクッキーとかも売ってる変わったお店ですよね……初めて入った時は、何だか甘い香りが漂ってくるなぁと思ったら看板に魔法店って書いてあって、でも気になって入ってみたらやっぱり甘いお菓子が売っていて……おもわず店を出てもう一回看板を確認しちゃいました」
ほう、アーリー殿のご実家は貴族街の魔法店だったのか。
そういえば、前に王都の街中を駆け回って、マップ画面に表示されている情報が正しいか確認したり、その店にどんなものが売っているか、逆にどんなものを買い取ってもらえるかを確認したりする検証で、そんな変わった店に当たった気がするな……。
確か、その時の自分も同じような反応をして、常連らしい客に、この店は砂糖やクッキーも錬金術で作るのだと説明されたのを覚えている。
自分はその説明を聞いて、某錬金術系ゲームでも、砂糖やクッキー、紅茶、ケーキ、スープやステーキまで錬金術で作っていたなと思い、その時はスルーしてしまったが……よくよく考えてみると、リアル志向なこのゲーム世界でそれを実現するのは何とも異端な気がするな……今度改めて検証しなおすとしよう。
「あはは、うちの店に初めてくるお客さんはみんな同じ反応をするわね……っていうか、あの店の近所に家があるって……」
「えぇー!! 貴族街の魔法店にお菓子が売ってるっすか! それは盲点だったっすね……今度、いや、今回の依頼が終わったら帰りに寄って帰るっす!」
「え? あぁ……まぁ、いいけど……ちょっと高いわよ?」
「大丈夫っすよ、依頼をいっぱい受けて、ついでに素材もいっぱい売れば」
「へー、冒険者ってそんな感じなのねー」
アーリー殿の自己紹介に対して、カヤ殿とグリィ殿が反応を返す。
といっても、主にしゃべるのはグリィ殿とアーリー殿で、カヤ殿はどちらかというと聞き手に回ることが多いようだが……まぁ、自分も複数人で会話している時は似たような感じなので、彼女の気持ちは分からなくもない。
だが、今はせっかくこれから一緒に冒険へ出る仲間として打ち解けあう場なのだ、彼女にも自己紹介に加わってもらわなければな。
「うむ、では冒険が終わったら皆でアーリー殿のお店に行くとしよう……というわけで、次は最後、カヤ殿の紹介だ……彼女は前からの知り合いではなく、この学校に来てから初めて知り合った学友なのだが、カヤ殿は授業を受ける前から並々ならぬ魔法知識を持っているようで、授業で気になったことを聞くと補足説明をしてくれたりするのだ」
「え、えーと……すみません、そんなに大げさに紹介されると困ってしまうのですが、わたしはカヤと申します……両親が魔法の研究家なので少しは人より詳しいところもありますが、だからと言ってなんでも知っているわけじゃないので、あまり期待しないでください……よろしくお願いします……」
「あー、親が魔法の研究家ってことは、やっぱり貴族の人なのかな? 貴族街にあるうちの店の近所に家があるって言ってたし」
「え、あの……はい……一応、父が男爵の爵位を持ってはいますが……そんなに大きな家ではないですし……そこは気にしないでもらって大丈夫です……」
「ん? あー、ごめんごめん、言いたくなかったことなら謝るよ……まぁでも、あたしは貴族様をお相手に商売してる店の娘だから、格式とかに偏見無いし、むしろ修行のためにずっとアルダートンのおばあちゃんの店にいたせいで、逆に貴族様に対する言葉遣いとかできないんだよねー、そんなわけで、これからも崩れた言葉を使っちゃうけどよろしく」
「あ、はい……それで大丈夫です、ありがとうございます」
「いやー、超分かるっすよー! 貴族のあれやこれやって面倒っすよねー……とりあえず私も必要な時以外は固い言葉とか使いたくない……というか、必要な時でも使えないんで大丈夫っす!」
「? え、えっと……はい、必要な時に使えないのが大丈夫かは分からないですけど、ありがとうございます」
カヤ殿の自己紹介に、アーリー殿とグリィ殿が反応する。
何やらカヤ殿も悩みか何かを抱えているようだが、とりあえずアーリー殿とグリィ殿、それからおそらくアクセル殿も、そういったことへの配慮に関しては問題ないだろう。
まぁ、グリィ殿に関しては配慮するというよりも、単純に自身に近い仲間を見つけたような感じで喜んでいるだけのような気がするが、結果的に配慮に繋がっているのであれば問題はない。
そういうわけで、これで突発的に始まった初対面だった三人の自己紹介が済んだわけだが……うむ、なるほど……自己紹介というのは、意外と利のあることなのだな……。
現実世界の日常生活での癖と、普通のRPGをプレイしている時の癖で、こういった会話イベントは自然発生するのを待ってしまっているが、ここはかなり自由の許されているゲームの世界なのだ……自分から発生させるのも悪くはないのかもしれない。
【鑑定】スキルを使えば、そのキャラクターの名前が表示されるし、スキル一覧を見れば得意分野が、称号一覧を見れば過去や方向性が窺えるが……リアルなキャラクターというのは、数値や記号だけで全てを表せるようなものではないだろう。
一般的なデバッガーとしては、数値が正しいか、紐づくデータが正しいかの検証をすることが多いが……自分は一流のデバッガーだ、そういったステータスだけでは表しきれない、ストーリーに沿ったテキスト……人間に置き換えれば、性格や歩んできた人生といった部分もきちんと確認するべきだ。
「それで、これで一通り自己紹介が終わったことになるが、カヤ殿とアーリー殿は一緒に冒険に行ってくれるのか?」
「えっと、あの……」
「まぁ、あたしは三日くらい店番しなくても怒られないし、気分転換にたまには外を出歩くのもいいかなって思うけど……カヤちゃんは難しいんじゃない?」
「あー、そうであるな……まぁ、無理なら無理で諦めるが……」
「だ、大丈夫です!」
「む?」
「あ、えっと、急に大きな声を出してしまってごめんなさい……でも、大丈夫です……いや、少し友達に会いに行くだけだと言って家を出てしまったので、ちょっとお泊りになりそうだと言いに帰りたいですけど……」
「うーん……それは大丈夫かなぁー……あたしもそれは言いに帰るつもりだし、うちなら緩いから大丈夫だと思うけど……普通は誰の家に行くのか聞いたり、信用できる相手なのか判断したりするでしょ」
「あ……」
うむ……まぁ、普通はそうだろうな……それはカヤ殿が貴族でなかったとしても。
自分たちは、この世界では成人とされている十五歳以上だったしても、現実世界では成人扱いではない二十歳未満……きっと親ならば、たとえ寛容な心で許してくれたとしても、心の内側ではおそらく心配する。
自分やグリィ殿は既に危険な領域での野外宿泊もある冒険者活動をしていることし、それを親にも知られているが、カヤ殿やアーリー殿は今までそういったことをした経験がない女性だ。
アーリー殿も大丈夫だと言っているが、彼女も親に野営のある冒険者活動に参加すると伝えたら、ダメだと言われる可能性は十分にあるだろう。
「ふむ……仕方ない、急なことだったしな……とりあえずそれぞれの親に……」
「うちに泊まるって言えばいいっすよ!」
「……え?」
「うちなら……まぁ、正確には私が今お世話になってるヘルガさんの家なら、周りの貴族から信頼されてるから大丈夫っすよ」
「え? あ、あの、ヘルガさんって……もしかして厳しい教育係として有名な、伯爵夫人のヘルガ・ランプさんですか?」
「そのヘルガさんっすね……自分から言うのもなんか変な感じがするっすけど、私も一応、形式上は貴族の娘っすから、私と一緒にいるって言えば大丈夫じゃないっすかね?」
「あー、やっぱりグリィちゃんも貴族なんだ……さっきカヤちゃんの気持ちが分かるって言ってた時に、なんかそんな感じがしたのよね」
「まぁ、今、そんな貴族社会から絶賛逃亡中って感じっすから、私にもカヤさんと同じく普通に接してもらって大丈夫っすよ」
「おっけー、分かったわ」
「あ、あの……ありがとうございます……でも、いいんでしょうか……そんな嘘をついたら、何かあった時に、グリィさんにとんでもない迷惑をかけてしまうんじゃ……」
「確かにそうねー……貴族の子を預かって怪我をさせたなんてことになったら、それこそ怒られるだけでは済まないだろうし、グリィちゃんだけじゃなくて、そのヘルガさんってお家の人にもきっと迷惑がかかるんじゃない?」
「だ、大丈夫っすよ! 何があっても私が絶対に守るっすから!」
うーむ……確かに、グリィ殿の家に泊まるという嘘をつくだけで、冒険が終わった後に無事に家まで送り届ければ、怒られるだけ、もしくは、大きくても今後の冒険を禁止にさせられるだけで済むかもしれない。
もちろん、グリィ殿じゃないが、検証に付き合ってくれる二人のことは、何かあれば全スキルをフルに使って守り通そうとも思っているので、滅多なことでは怪我もさせないだろう。
しかし、滅多なことが起こらないとも限らないし、無事に帰れたとしても、自分の検証のせいでグリィ殿やそのお世話になっている家に迷惑をかけてしまうのは、社会人としていただけない……まぁ、そんな展開も検証してみたいというデバッガー心も……いや、やめておこう。
今の優先事項は、魔法と錬金術に関して、なるべく早く、より深くまで検証すること……。
そして、そのためには検証仲間が……カヤ殿とアーリー殿の、今後の協力も必要なのだ。
であれば、今後の冒険者活動を禁止されるような中途半端な案は却下……今の段階で、今後も二人が協力してくれる環境を作る必要がある。
その環境を作らなければならない二人は、一人は貴族の娘で、もう一人は貴族を相手に商売している店の娘……うむ……いけそうだな。
「ふむ……なるほど……よし」
「グリィ殿も二人も何もしなくていい、ただ一度家に帰って、少ししたらもう一度ここに集合だ」
この王都に住み始めてからずっと、王族として貴族と関ることを避け続けるという検証をしていたが、結局、ただ挨拶がしたいという手紙が延々と増え続けるだけで、それ以外の反応は無かったことだし、それもそろそろ次の検証段階に進んでもいいころだろう。
これからは、未来の検証のためにも、使える権力は使っていくことにする。
後でバレる分には、もう内容を取り消せないので、とりあえず今コンラート殿に見つからなければ何とかなるな。
自分はそう意思を固めると、この場はいったん解散とし……第三王子としてのサインやグラヴィーナ帝国の封蝋を施した、殆ど強制召集のような、二人に冒険に同行してもらうという、一方的な決定だけが書かれた手紙を用意して、屋敷にいる従者二人ではない使用人に運ばせた……。
▼スキル一覧
【輪廻の勇者】:不明。勇者によって効果は異なる。
【物理耐性】:物理的な悪影響を受けにくくなる
【精神耐性】:精神的な悪影響を受けにくくなる
【時間耐性】:時間による悪影響を受けにくくなる
【異常耐性】:あらゆる状態異常にかかりにくくなる
【身体強化】:様々な身体能力が上昇する
【成長強化】:あらゆる力が成長しやすくなる
【武器マスター】:あらゆる武器を高い技術で意のままに扱える
【武術】:自分の身体を特定の心得に則って思いのままに扱える
【魔力応用】:自分の魔力を思い通り広い範囲で精密に操ることが出来る
【実力制御】:自分が発揮する力を思い通りに制御できる
【薬術】:薬や毒の効果を最大限に発揮できる
【医術】:医療行為の効果を最大限に発揮できる
【家事】:家事に関わる行動の効果を最大限に発揮できる
【サバイバル】:過酷な環境で生き残る力を最大限に発揮することができる
【諜報術】:様々な環境で高い水準の諜報活動を行うことが出来る
【採集】:自然物を的確に素早く採取し、集めることができる
【工作】:様々な素材を思い通りの物に加工することが出来る
【調合】:複数の材料を使って高い効果の薬や毒を作成できる
【指導術】:相手の成長を促す効率の良い指導が出来る
【コンサルティング】:店や組織の成長を促す効率の良い助言ができる
【超観測】:任意の空間の全ての状況や性質を把握できる
【人族共通語】:人族共通語で読み書き、会話することができる
【人族古代語】:人族古代語で読み書き、会話することができる
【魔術語】:魔法陣を読み解き、描き、呪文を詠唱することが出来る
▼称号一覧
【連打を極めし者】
【全てを試みる者】
【世界の理を探究する者】
【動かざる者】
【躊躇いの無い者】
【非道なる者】
【常軌を逸した者】
【仲間を陥れる者】
【仲間を欺く者】
【森林を破壊する者】
【生物を恐怖させる者】
【種の根絶を目論む者】
【悪に味方する者】
【同族を変異させる者】
【覇者】
▼アイテム一覧
〈水×34,000〉〈枯れ枝×400〉〈小石×1,690〉〈布×100〉
〈食料、飲料、調味料、香辛料など×1960日分〉〈保存食×100〉
〈獣生肉(下)×1750〉〈獣生肉(中)×660〉〈獣生肉(上)×950〉〈鶏生肉×200〉
〈獣の骨×720〉〈獣の爪×270〉〈獣の牙×258〉〈羽毛×50〉〈魔石(極小)×64〉
〈革×274〉〈毛皮×99〉〈スライム草×100〉
〈木刀×1〉〈着替え×20〉〈変装セット×10〉〈宝飾品×100〉
〈調合セット×1〉〈本×100〉
〈掃除道具一式×1〉〈茶道具一式×1〉〈絵画道具一式×1〉〈手持ち楽器一式×1〉
〈金貨×0〉〈大銀貨×0〉〈銀貨×0〉〈大銅貨×0〉〈銅貨×0〉