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やれるもんならやってみろ

「あの生徒会長の、自信に満ちあふれた顔を見てたらつい、出来心で」


「お前、まさか」


「やれるもんならやってみろって思っちゃったんだよねー」


「乙女感ゼロじゃねーか」



タツヤにドン引きされてしまったが、私だって充分に反省している。そんな目で見ないで欲しい。



「むしろ聖羅らしいじゃない。面白かったよ、聖羅サイコー♪ たださぁ、アレってこの先、面倒なことになるんじゃない?」



これまた幼なじみの雪菜が笑いをこらえられない様子であたしの前の椅子にどかっと腰をおろす。私も大概ガサツだが、雪菜もなかなか豪快なタイプだ。タツヤと雪菜と私、幼馴染三人の中では、残念ながらタツヤが一番繊細で常識人なんだよね。



「すでに充分面倒くさいことになってるんだよ。どうしよう、あれ」


「だよねぇ、絶対にまた来月挑みにくるよね。あたしはまぁ、楽しみだけど!」


「うんうん!また生徒会長が間近で拝めるのね」


「生徒会長の苦悶の表情、最高だった……」


「光る汗がお美しい」



くっ……雪菜ときたら完全に面白がってる。しかもそれに便乗して女子たちが性癖をぶちまけ始めてる。


そりゃね、完全なる生徒会長があんなに真剣な顔で挑むなんて、学年も違う私たちなんか見る機会もないだろうよ。


だが言っておくが、挑んでること、めちゃくちゃしょーもない事だからな!?



「いーじゃん、せっかくだからやって貰いなよ、お姫様抱っこ」



二ヒヒ、と笑う雪菜に私は渋い顔でこう答える。



「別にいい。先月すでに生徒会の……武士っぽい先輩に姫抱っこして貰ったし」



教室は、再び阿鼻叫喚に包まれた。



「武士っぽいって……桐野先輩!?」


「カッコイイ〜〜〜!!!」


「え、鍛えたらいけんの!?」


「見た目筋肉ゴリゴリじゃねーよな」


「細マッチョなんじゃね?」


「ああ〜〜聖羅が羨ましい〜〜むしろ憎い……!」



物騒なヤツまでで始めた。ていうかやっぱ桐野先輩って武士っぽい人で通じるんだな。



「まぁだから生徒会長のあれは、単なる負けず嫌いの産物なんだよ。むしろ落とされる未来しか見えない」


「まぁな」


「桐野先輩は一瞬で持ち上げて揺らぎすらしなかったしね。桐野先輩の完全勝利」


「桐野先輩、すげえ……!」



私のこんなリークのせいで、一年生の間では桐野先輩人気が男女ともに高騰することになってしまった。桐野先輩にお小遣いくらい貰ってもバチはあたらないと思う。



「見て!俺ちょっと筋肉ついた!」


「俺なんか腹筋割れてきたしー」



そして、桐野先輩の偉業に憧れた男子諸氏が、筋トレに明け暮れだしたとも聞く。


筋肉は全てを救うのか? そんなワケなくない?

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