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《死神の墓地》:4 ~【死霊魔王】クリセナ〜


「さて、君たちにワタシら天使達の尻拭いを任せたいわけだけども。」


ウリルが偉そうに言う。


「おい、尻拭いって言ったな。お前。」


俺がそれに的確に突っ込むも、ウリルは偉そうな態度を崩さずに続けた。


「君たち、レベルやスキルが低いと感じては、いないかい?」


そう聞いてくる。

それは俺達の気にしている事を的確に突いていたものだったので、


「あんたがこの低レベルやったの?」


「わ、私もこれは……少し……」


などと少しうるさくなってしまう。

まぁ……言って七人だけだがな。


「まあまあ、落ち着くんだ。あと、ワタシ達はやってない。で、だ。それはこの世界にワタシらが呼んだ弊害なんだよ。」


「え、この世界に俺達を呼んでなんで俺達が弱くなるんだ?これはゲームのキャラだろ?」


俺がそう言うと


「確かにそうだ。まず、前提として俺達がこのアバターで中に俺達がいる状況がおかしい。」


阿月がそう続けた。

確かにそうだ。俺達がこのキャラの中にいることがまずおかしい。

転移という状況で気づかなかった。


「え?君たちってその身体じゃないの?」


ウリルも戸惑った様子でそう言う。

マジか、ウリル達がそうしたってわけじゃないのか。

ってか、そういうってことは……


「その反応は僕達(、、)を呼んだってわけじゃないんだね?その身体(、、)って言うってことは。」


俺の考えたことは瑞樹も考えたらしい。


「……うん、そう。……私達は、この世界に一番近い、そして、一番強そうな者を転移させた。」


「じ、じゃあ、私達が中に入った状態のこのアバター達が一番強そうって、こと?」


碧は未だにこの部屋の雰囲気になれないようで、少しビクついている。


……忘れかけてたがここって、奈落の迷宮なんだよな……


「……たぶん、そう。おそらく、呼ぼうと考えたその身体は、中身が空だった。だから、あなた達の意識が、その身体に宿ったんだと思う。」


ゼウシュはそう言う。

……なるほど、まぁ……なんとなく、分かったかな?


「で、話は戻すけど、レベルは転移の弊害だからワタシ達の力で戻せる。だけど、弊害を治すにはちょっとした歪みを治さなきゃいけない。」


ウリルがそう言う。

歪みか……


「歪みってなんだ?」


俺は普通にそう聞いた。

ウリルはそれを待ってましたと言わんばかりにニヤッとして言った。


「それはこのダンジョンの存在。そして、それを治すには―――」


ウリルはニヤニヤ顔で話していくが、


迷宮の主(ダンジョン・ボス)を倒さなければ、いけない。」


最後のセリフをゼウシュに取られてしまい、ショックを受けた顔をしている。


「ぜ、ゼウシュ?なんで最後のセリフ、取っちゃったの?ワタシ、言いたかったんだけどぉ……」


ウリルの問いに対してゼウシュはちっとも悪気のない顔で答えた。


「……言いたかったから。説明のとこで、あんま喋れなかったし……」


「そ、そうね、説明でだいぶ喋っちゃったしね!仕方ないわね!」


悪気がなかったため、怒ることもできずに、ウリルは空元気を出した。


いや、たかがセリフ一個だろ……


「まぁ気を取り直して……じゃ、頑張って。倒せたら戻せるようになると思うから〜」


そう言ってウリル達は後ろへ引っ込んで行った。


「「「えっ」」」


あ、みんなの声が重なった。


ってそうじゃなくて……


「おい!戦闘って戻してからじゃねえのかよ!」


「ぼ、ボクも、てっきりそう思ってたんだけど……」


俺達がそう言っていると、


「ごーめーん、やろうとしたけど無理だったし、頑張って〜」


適当な……


「仕方ない、やるか!」


「《銀剣》の、強さ……見せて上げます……」


「だ、大丈夫。み、みんながいるから……」


碧は不安だなぁ……


ま、久しぶりにやりますか!


ゲームじゃないんだけどね……

……まぁ、宿で色々試したし、なんとかなるでしょ。なんか身体が覚えてるし。


バキバキ……バキッ……


不穏な音が壁からした。

そちらを見ると、そのボスが姿を現す時だった。


……壁の割に大した巨体じゃねぇんだな……


「フッハッハー!我は死者の王!死神もくらいし王とは我のことォ!我は……!」


うん、幼女なんだが……


「【死霊魔王】クリセナァ!」


俺達はそれを見た時、ロリ巨乳という単語が頭に浮かんだ……


安曇達とクリセナの戦いが始まる!


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