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第2話

彼がいつものように仕事に向かうと、

私専用の小さな出入り口から出て、

アニマルセラピーの集合場所である

夢の森センターに忍び込んだ。


夢の森センターでは沢山の犬や猫と飼い主さんが集まっていた。

点呼も終わったみたいなので、

今紛れ込めば大丈夫、問題ないだろう。


「あら、弓月君じゃない。どうしたの?」

とアニマルセラピーによく参加しているという

お向かいの山崎さんが話しかけてくる。


“クゥーン(馨に逢いに…)”

「ホントは検査とかいろいろあるからダメなんだけど、一緒に行きましょうか」

山崎さんの許可も貰えたことだし、

山崎さんの飼い犬のふりをして病院まで歩いていく。

こんなに簡単に紛れ込めるとは思わなかったのだが、大丈夫なのだろうか。

 

夢の森から歩いて20分ぐらいで愛育総合病院がある。

20分の間山崎さんと、山崎さんの飼い犬ワルツと

世間話を交えながら楽しく向かう。

その間も彼の体調が気になって

いつもより早足になってしまったのは仕方が無いことだと思う。

 

会場についてすぐ彼のとこに向かうことは出来ないので、

アニマルセラピーを行っている間はおとなしく子供たちの相手をする。

力加減がわからないこともあり、

耳を引っ張られて痛いが、可愛いので許してやる。

整えた毛がぐちゃぐちゃになりながらも、

この子達が良くなるようにと思いを籠め、最後に一人ずつ抱きしめてやる。

 

「高月さん、チョットいいですか?」

「山崎さんじゃないですか、どうしました?」

「弓月君が悩んでるみたいなので、この後弓月君と話してあげてください」

「うーん、仮眠しようと思っていたのですが。この後休憩なのでいいですよ。」

山崎さん、有難う。


私から話しだせないので山崎さんが仲介してくれて助かった。

素直に話してくれるか判らないが、思いっきり彼にぶつかってみる。

出来る限り彼の助けになりたいから。


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