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入学式。その1

 私たちが入学する『魔法学園』の正式名称は『王立アルルスタン魔法魔術学園』と言います。


 『アルルスタン』は初代国王陛下のお名前です。ですので、国王陛下の名前を呼び捨てにするみたいで良くないと言う事で、皆さん、『魔法学園』と呼んでいます。

 この初代国王陛下のお名前を頂戴した有り難い学園は長い歴史があって・・・と、言いたいところですが、創立91周年と微妙な年数です。私が前世にいた世界の方が創立100周年以上の学校がたくさんあると思います。

 何故、こんなに微妙な年数かと言いますと、単純に100年前まで戦争が度々起こっていましたので、学校に通っている暇がなかったと言うのが理由です。


 現在、魔法の基礎を学ぶのは12歳からとなっていますが、昔は物心がついた頃から学んでいて、13、14歳から当たり前のように戦場に出ていたのです。

 攻撃魔法なんて、実戦で学ぶのが一番!と言うかなり乱暴な事が日常茶飯事だったんですよね。


 カルゼナール王国の国民性は、他国の間で何か問題が起これば、戦争で解決しよう!とにもかくにも戦争だ!・・・そんなかなり野蛮で攻撃的なところがあります。王族方も好戦的で血の気の多い方ばかりだったとか。大昔から戦争で負けなしですからそうなってしまうのでしょうね。

 五大公爵だけが、高度な魔法を習得している理由の一つが、そんな国民性のせいでもあるんですよね。でなかったら、未だに戦争が頻発していたと思われます。

 今、平和で良かったなと心から思います。



「はー、やっと着いた」

 私、カサンドラ・ロクサーヌ、入学式が行われる会場へとやって来ました!

 入寮の次の日は早速入学式が行われるのです。

 私、昨日、情けない事に、寂しくてなかなか寝付けませんでした。うっ。でも、早く慣れなくてはなりませんね。ううっ。


 にしても、学園の敷地はとっても広いですね。

 校舎の背後にはおどろおどろしい深い森がありますが、それも学園の敷地内となります。全部で○○ドーム何個分になるんでしょうかねぇ。ちょっと分かりませんねぇ。

 当然の事ではありますが、王族方も通っている学園ですので、警備は万全です。

 部外者の侵入を防止する結界が張り巡らされているそうです。

 身を守る術のない私に、安心していいからね。と、父が言ってくれました。

 生徒の家族でも、事前に申請をしなければ、門をくぐる事すら出来ないそうです。


 学園の校舎の左側に男子寮が、右側に女子寮があります。

 もちろん、男子寮に女子生徒が、女子寮に男子生徒が出入りする事は禁止されています。

 寮の部屋については、また説明しますね。


 そんな広い学園ですが、私、会場に一人で来れました。

 やれば出来るではないですかー。と、言いたいのですが、実は案内の看板がいくつも出ていましたので、迷うわけがないんです。

 学園は親切ですね。ありがとうございます!

 にしても、大きな建物ですねー。と、思いつつ、口をぽかーんと開けていますと、

「おい。レディが口を開けたまま、ぼーっとするな」

 と、言う声が聞こえましたので、私はそちらを見ました。


 レオ様、リバー、シュナイダー様、ルークの4人がいました!


 ぎゃあっ!素晴らしい目の保養です!

 レオ様、シュナイダー様が白バージョン、リバーとルークが紺バージョンの制服を着ています!

 皆さん、お似合いです!私、生きていて良かったです!でも、鼻血が出てしまいそうです!出血多量で死んでしまうかもしれません!


 レオ様は黒の軍服姿も素敵ですが、白の方が王子様感ハンパないですね!

 シュナイダー様は白の方が髪色に合ってますね。麗しいです!

 ルークは白の方がおめでたい感が出たのではないでしょうか(髪色が赤なので)。でも、賢そうに見えます!

 もちろん、リバーも負けてませんよ!


「良かった。迷わずに来れたんだね」

 リバーがホッとしたように、「来ていなかったら、迎えに行こうと思ってたんだ」

 寮の前までは行っていいんです。

「大丈夫よ。私だって、もう15歳なんだから」

 と、私がからから笑って言いますと、

「外見だけな」

 レオ様が鼻で笑いました。むっ。

「あのですねえ。レオ様。私だって」

 と、私はレオ様に文句を言ってやろうとしましたが、あれ?目線の高さが違う?もしかして・・・「あれっ?!レオ様、私より背が高くなってますか?!若干!」

「若干は余計だ」

 レオ様はむくれましたが、にやっと笑って、「やっとキャスを追い越したようだなー」

 と、嬉しそうに言いました。

「・・・」

 と、言う訳で、私、一番小さくなっちゃいました。ちぇ。


 それにしてもです!

「皆さんと毎日会えるなんて、不思議ですね!でも、とっても嬉しいです!」

「それより、キャスが色々やらかしてくれる事を楽しみしてるよ」

 レオ様!そんなことを楽しみにしないで下さい!

「大丈夫ですよ!自分、ある程度は覚悟してますから!」

 ちょっと、ルーク!ある程度って、どの程度ですか?!

「ルーク。キャスを舐めない方がいいよ。想像を絶するかもしれないよ」

 リバーったら、お姉ちゃんの事を何だと思ってるんでしょうか?!


 さすがにシュナイダー様は素直に嬉しいと言って下さいますよね?と、私が期待しながら、シュナイダー様を見ますと、 


「ふっ」


 わ、笑った?!


「す、すみません。ちょっと色んな想像をしてしまいました」

 シュナイダー様の声はやや震えていました。


 ど、どんな想像をしたんですか?!



 ちなみにこの後、皆さん、『嬉しい』と、言って下さいました。もー。早くそう言って下さいよー。


 ともかく、新生活の始まりです!

 不安でいっぱいですが、楽しみでもあります!


 もちろん、悪役令嬢の役目を全うする事も忘れていませんよ!


 これまで何一つ出来ていませんが、本番はこれからですからね!


 さて!ローズマリー様はどちらにいるんでしょうかねっ?!





 キャスのテンションが高めです。

 ですが、すぐ落ち込むことになると思います。


 男性キャラ達の制服の色は固定します。

 皆、朝、鏡の前で『今日はどっちにしようかな♪』なんて思うタイプではないと思うので。




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