待つ
日が暮れるのが早くなると
瞬きしてる間に夜が迎えに来て
少しほっとする
雨が止んで
ブルーグレイの空が
だんだんと眠り色に変わってゆく
小さなビルの裏側
まん丸の街灯が眩しいから目をそらす
秋まつりの提灯が列なり
柔らかい色でゆらいでいる
人波小波
靴の音
自転車のチェーンがカラカラ空回り
ハザードランプは疲れてる
みんなどうせ寂れてる
待つ
いつからか
ずっとそんな役
待ちたくないのに
泣きたくもないけど
待たなきゃならなくて
待つ
いつも迎えに来てくれたから
あの日もその日も
いつかの日も明日も
もう誰も来なくたって
待つ
単なる癖なの
夜は欠かさず迎えに来てくれる
でも
抱かない
愛さない
いつも無関心
だから私は夜と別れて
ひとりで帰る
どこかに