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ツイノベまとめ

世界は恋で造られた

掲載日:2012/06/30

【気付かれぬ恋】

彼女は男の背に恋をした。服ごしにも分かる何と美しい背筋!彼女は男の後ろ髪に捕まったままうっとりと背筋を見下ろす。しかし別れの時はやって来る。男は力強く頭を振ったのだ。髪に捕まっていた彼女は呆気なく、恋する背を滑って床に散る。「酷い雨だ」男は呑気にそういった。


【あなたと共に】

朝日がベッドに差し込むまで、私は彼と思う存分愛を交わし合う。後10分、後5分、後1分だけでも彼と戯れていたい。しかし二人を引き離す瞬間がやって来る。それは冷徹なる目覚まし時計の響く音。私は私自身を包む羽毛の彼をそっと押しのけて、朝の目覚めを迎えるのである。


【嫉妬】

いつも甘い香りのする彼女から、時折男物の香水がかおる事がある。不思議と甘く重い香りであり、それは掌から香った。私は白魚のような掌を嗅ぎ、美しく骨張った手首に体をすりつけニャンと鳴く。猫が嫉妬をしないなど、それは人間の都合のいい幻想なのだ。


【さようなら】

あの子の姿が見えたので、すねこすりは尻尾を振って彼女の膝裏に頭を押しつけた。かつて小さかった彼女もすっかり大人。すねこすりに気付かず去って行く。彼女と遊んだのは遠い昔の思い出だ。大人になった彼女の背を見つめ、大人になれないすねこすりは見送るように小さく鳴いた。


【夏の恋】

夏が終わろうとする時、彼女は球児に恋をした。息を切らした少年が彼女の体を捻る。途端、口から水が溢れる。彼が水を飲むため彼女の口を塞ごうとした瞬間に。「帰るぞ」少年の仲間が彼を呼ぶ。口が塞がれる前に再び彼女の体は締められた。そして彼女はまた一年、忘却の存在となる。


【守ってやろう】

「今朝はやけに皆がお前をジロジロ見てやがる。俺が守ってやろう」「嬉しいけれどそれは無理じゃないかしら」「無理なものか。俺は小さいが腕っ節だけは自信があるのだ」「そうではなく」女は燃えさかる指で明るく輝く彼を指して、困ったように笑う。「あなたが注目を集めてるのよ」


【愛おしい唇】

火星移住の国家プロジェクトがついに始まった。僕の彼女は女性第一号として名乗りを上げる。彼女が火星へ行けば僕たちの遠距離恋愛は宇宙規模だ。訴えると彼女は妖艶な笑みを浮かべる。「私は故郷へ帰るだけなのよ」気がつけば彼女の影は蛸のよう。愛しい唇は異星語を紡ぎ始める。


【黄金の香り】

深酒を過ごした私はバーで不思議な女と一緒になった。女は堪らない色香を振りまいていたが、深夜の直前、慌てて外へと飛び出していく。すれ違う瞬間、黄金の光の匂いがした。「雲が晴れてしまうわ」女は外に出るなり姿を消す。途端曇り空は晴れて天上に月。私は軽い目眩を覚えた。


【月恋病】

深夜だと言うのにまるで光の洪水だ。少女は白いベッドに座り光に包まれていた。それは月光である。黄金に包まれ彼女は息もできない。「月恋病と言います」医者は私に囁いた。「月に恋して光に溺れてしまうのです」「いつ治ります」「永遠に」治りません。医者は苦しく吐き捨てた。


【ポニーテール】

「早朝の教室に行けば良い事がある、そんな魔法を掛けましょう」道で出会ったポニーテールの占い師の言葉を信じたわけでは無いけれど、僕は朝一番の道を走る。冷え切った教室へ白い息を吐き出し滑り込めば、そこにはチョコを握った女の子。恥ずかしげにポニーテールが揺れていた。


【恥ずかしがり屋】

僕が恋をした彼女はとても恥ずかしがり屋で、目が合えば全身に真っ赤な薔薇を咲かせる。触れると指から蔓が伸びて全身を覆い隠し、頭を撫でると髪の毛が曼珠沙華のように逆立つのだ。とうとう愛を囁いた朝、廊下一面を覆うような植物の大群を前に僕は苦笑いを浮かべた。


【大丈夫】

女の言う「大丈夫」ほど信用できない物は無い。「大丈夫よ」と応援を受けた試合は失敗し「大丈夫!」と言われた夜に息子が出来た。そして五十年後、「大丈夫」と言って彼女は逝った。それから何年経ったか。「大丈夫?」と懐かしい声に惹かれ、気づけば私は彼岸の淵に居る。


【まだ守る】

真昼の光も眩しい遊歩道、女が頼りなげに歩いている。足が悪いのだ。目も見えていない。女に寄りそうよう男は立った。壁となり陽を防ごうとするが光は男の体をすり抜ける。「生者と死者は立つ線が異なるのだ」死神は苦笑し、憐れむよう言う。「女の為に人まで殺してまだ守るか」


【妻の体温】

朝は散歩に出る、妻が逝く前からの癖だ。子供達は非難めいた言葉を吐くが、私は気にせず歩き始めた。すると古い靴は数歩で紐が解ける。かつては妻が結い直したそれに手を伸ばすと不思議と懐かしい妻の体温がある。振り返ってもそこは冬の遊歩道。それは四十九日の朝の事だった。


【リップ】

老人の仕事は死に行く人間にリップを塗る事である。塗れば痛みが薄れ、人生も家族も自身さえも忘れて幸せな白昼夢の中で死に至る。100人目の患者はかつて愛した女。苦痛の中、女は男を忘れたく無いのだと訴える。男は自分の唇に件の薬を塗り込むと、笑顔で彼女に口づけた。


【乾いた手】

男は長い坂道を歩く。朝の坂、夜の坂、それを幾度も繰り返し歩き疲れた頃、ようやく終わりが見えて来た。「お久しぶりでございます」終わりの地にはかつて愛した女の姿。男は言いそびれていた求婚の言葉を思い出しながら、渡しそびれていた手紙を握る。その指は乾き老いている。


【偏執狂】

老人の異常さは、村内でも有名だった。彼は花しか愛さない。小さな家は巨大な花畑に囲まれ、花の全てを彼は愛した。誰かが手折れば彼は烈しく抗議する。やがて村から人が消え偏狂の彼は一人花の中で死んだ。老人が死んだ後も花は咲き、花畑からは大量の骨が見つかったそうである。


【革命の女】

いつか必ず。女は言った。必ず二人であの空へ。男も誓った。二人の間を阻むのは、巨大な壁だ。二人は約束のために銃を取り、人を殺し、そして幾年。女は敵となった男と相まみえる。壁は壊れたが男は二度戻らない。これが戦争の真実である。と、老いさらばえた革命の女は語った。


【残り香】

噂に聞く三途の川とは目が焼けるほどに眩しい場所だ。現世で良い事が一つもなかった人間は死んでも碌な目に遭わぬ。そんな私の瞳を嗄れた手が覆う。川を渡り暗がりになると途端に手は離れた。振り返って見てもそこは闇。顔に残る残り香は、先に死んだ連れ合いの物では無かったか。


【大好き】

昼にもそこは暴風域となるそうだ。彼女は強風吹き荒れる歩道橋の上、一人儚く立っていた。「もう帰る」そう言う少女の目には涙。「寂しくなんてないもの」彼女は風と共に消え去った。ああそうだ。彼女は人では無い。彼女は天の邪鬼だった。そう私が思い出したのは後の事である。


【プラネタリウム】

深夜から降った雨は朝になっても止まなかった。朝の星を見に行きたかったのに。拗ねる私の手を引いて、彼が連れて行ったのは小さなプラネタリウム。「偽物の星じゃ嫌」「そう?」彼は操作室に乗り込むと、プラネタリウムの屋根を開ける。雨の雫がまるで星のように天を一面彩った。


【相合い傘】

ストレスが溜まると彼女は爪を噛む。そんな彼女の新婚2日目の夜は不運な雨だった。爪を絆創膏で隠し彼女は傘を持って駅へ向かう。終電が過ぎ始発が来ても彼女は動かない。そして一年後の夏、噛む爪も無くなった彼女の隣に男が現れた。やがて相合い傘は静かに墓地へと消えて行く。


【二人の休日】

可愛い帽子とフリルの日傘も買おう。君は歓声を上げ、白い手足を惜しげ無く光の下に晒し出す。「だってまだ午後3時だもん」周囲を見渡せば、きらきら色鮮やかな買い物袋を下げた家族で街は満員御礼。「地球滅亡は6時でしょ?」目のクマを歪ませ笑う彼女を僕は黙って抱きしめる。


【古本屋】

女は毎日古本屋へ足を運ぶ。そして必ず同じ本の同じページを開くのだ。眺める時間は数分、長くて1時間に及ぶ事もある。何を見ているのか尋ねてみれば、「恋人です」彼女は本に描かれた男を指した。「本に焦がれ本の世界へ。馬鹿な人」本は音を立て閉じられ、彼女は瞼を振るわせた。


【蠱惑的】

深夜になるとその長屋には美しい女が現れた。家業を捨てて逃げた若旦那の長屋である。「この首のせいで私の人生は無茶苦茶だ」男は女の首をつつき、うっとりと言う。「一方的な言い分ね」「お前こそ悪い気はしないくせに」女の首は今や天井に付くほど伸びて蠱惑的に揺れるのである。


【1.3秒】

積年の愛を言葉に乗せ伝えたのに彼は地球の人で私は月の住人。「知ってる? 月の光が地球へ届くまで1.3秒かかる事」彼は気むずかしく言う。「今僕が見ている君は1.3秒前の君だ」だから僕の方が1.3秒早くお爺ちゃんになってしまう。それでも良ければ、と彼は初めて照れた。


【リング】

彼と会えるのはこの朝が最後だった。涙を堪え私は冷たいガラスに額を押しつける。涼しげな水中で泳ぐ彼は一匹のイルカで、私はどうしたって人間の女。彼が遠い水族館に引き取られる日、私は彼にさようならと言う。その声が聞こえたのか、彼は大きなドルフィンリングを私に投げた。


【書店】

夜に開く不思議な書店。そこで私は古びた本に恋をした。「傘をどうぞ」入り口で立ち呆ける私に店主が傘を差しだす……雨だ。「熱いの。冷めるまで待って」「本に恋する子は君で5人目」。店主は呆れ声。「そのうち君も本になる」そうなればあの本の横に並べてあげよう。と彼は笑う。


【行こう】

「つまらないって顔してるね」終業式の午後、蝉時雨の教室に彼は現れた。一人で残る私の目前、彼は黒板消しを掴むと黒板を一撫で。途端、黒板はかき消え代わりに現れたのは夏空、入道雲へ続く真っ直ぐな線路!夏風が髪を舞い上げる。「さ、行こう」彼は笑顔で私に手を差し出した。


【ペット】

早朝のエレベーター、いつもすれ違うあの人に恋をした。「お散歩ですか?」ある朝、私は思いきって声をかける。リードを持つ彼女が黒目がちな瞳を潤ませ頷いた。想像通りの可憐な姿。話が出来た幸せを胸に私は彼女を見送る。立派な尻尾をふさふさ揺らしペットの人間を連れた彼女を。


【悪ふざけ】

泣き虫の、君は早くも半べそだ。僕の指、軽く握って離さない。「美味しいよ」沢庵つまみ「さあ食べて」。差し出せば、涙と共に飲み下す。「辛すぎる」「涙の味だ」「分かってる」漬け物が苦手な君は、帰国子女。そうこれは、愛する君への悪ふざけ。


【沢庵】

「あなたはこれがお好きでしたね」「こんな塩辛い沢庵、お前にしか漬けられんからな」「これ昔風の漬け方なんですよ」「塩辛いのが癖になる」「いつでも食べに来て下さい」「また来るよ」「……きっとですよ」女は沢庵の古漬けを三枚、仏前に供えて手を合わせる。


【約束の履行】

このキスでさようなら。と、彼女は僕の額にキスをした。「なんでさようならなの?」「すごく遠へ引っ越すから」彼女は美しい横顔に憂いを滲ませ僕を見る。僕は彼女に恋をしていた。「じゃあ年に一度僕が必ず会いに行く」幼い約束は数千年先まで履行され、僕等は七夕の恋人となった。


【足りない?】

「ねえ、どれくらいぶり?」女は煙草を吹かしながら男へ言う。その若い男は、金がある時だけ女に会いに来る。「あれ? もしかして会い足りない?」「愛足りないね」「でも俺はこれくらいが丁度良い」「……何度言っても懲りない奴」女は諦めて薄情な男の額にキスをした。


【悔しい】

今宵も雨。かつて女の元へ足繁く通った男は「雨の日には行きたくても叶わぬ」など軽口を叩いたものである。そして毎年この時期は雨が降る。男を夢中にさせた女の指は年老いた。彼は今頃美しい指を持つ別の女を愛しているのだろう。「悔しや」天の川をすくい濡れた指は空気を掠めた。


【ドライブ】

「今日はどこへ行く?」男は無邪気にそう言って私の掌にキスをした。興が乗ると手に口づけを落とすのが男の癖。私は彼の頬を軽く撫でてハンドルを握る。「ドライブよ」長く伸ばした指の爪には赤のマニキュア。一緒に塗り込んだ毒はそろそろ良い具合。「遠くにね」私は優しく笑う。


【愛の示しかた】

私のこと好きにして。と、女は蕩けるような視線を僕に投げかける。彼女の体は細い糸に絡められ足の先も動かせない。それでも、「さあどうぞ」と女は笑って朝露に光る羽根を伸ばした。僕は蜘蛛、彼女は蝶。捕らえ食べる以外、愛情の示し方を知らない僕は黙って彼女の羽根をもぐ。


【泡沫の夢】

女は海の上、悲鳴のような歌をうたう。それに魅入られた男達は海に沈み女は孤独に沈む。やがて闇を割り新たな船が現れた。「愛しい人!」船上に立つは昔の恋人。女は初めて歌を堪えた、声が消える、男が手を差し出す。かつて人魚姫と呼ばれたセイレーンは泡沫の夢から目を覚ました。


【過去形】

夕闇迫る病院の奥深く、男は女の痩せた薬指に透明のチューブを巻き付けて「愛している」と囁きかけ、言い淀み、その手を強く掴み「……愛していた」言葉が終わる前に甲高い機械音が鋭く吠えた。


【自嘲】

「具合はどう?」厚い壁に向かって女は問いかける。指に挟んだ煙草から紫煙が揺れた。「病気で臥せってたよ、もう長くね」壁の向こうから男の声が聞こえ、「もう若くなってことだ」と自嘲するお互いの声音は年を経ている。結局一度も会う事無く死んでいくであろう恋人を女は想った。


【神の声】

「聞こえる?」彼の声は途切れながらも私の耳にしっかり届く。私は天から伝わる細い糸に小指を絡め、ベランダより身を乗りだして夜空を見上げた。「聞こえるよ。今どこ?」「火星だ」宇宙から繋がる一本の糸。蜘蛛の糸より細いそれから感じる彼の声は、私にとって神の如き音だった。


【古びた】

部屋は死の空気で満ちていた。古びたベッドの上、これまた古びた女が横たわる。息は絶えたかと思われた。しかし彼女は最後の余力かグリーンの瞳を開き、壁の黄ばんだ写真を見あげる。そして敬礼の如き動きを見せ、やがて死んだ。写真の中、軍服姿で閉じ込められた私は涙も流せない。


【睫毛】

長い睫毛である。形よくカールしたそれは彼女の陶器のような膚に影を落とす。息を吹けば睫毛が揺れ、愛おしい愛おしい愛おしいと何度も彼女の耳朶にささやきかけた。しかし彼女は応えない。それでもいつかその作り物の瞳が瞬きし睫毛が優雅に蠢く瞬間を私は信じて止まないのである。


【あめ】

今日は朝から綺麗なあめ降る日だった。でもあめは当たると痛いので、あたしは渋々可愛くない傘を差す。外へ出るとあめの向こうに彼が見えた。「お早う」何だって今日はあめなんだろう!「14日が近いからかな」彼は笑顔で一粒掌に。それは甘い苺味。 「で、君は何をくれるの?」


【少なくとも世界は朝】

長く冷凍されていた僕達は目覚めると同時、屋上へ向かって走り出した。「何世紀ぶり?」「少なくとも世界は朝だ」外は高温の世界、目を保護する眼鏡が曇る。外そうとすると彼女が顔を背けた。「駄目。私お婆ちゃんだもの」「僕もお爺ちゃんだよ」開けた視界、僕は再び彼女と出会う。


【不運な幸福】

「私と居たら雨が降るって言っでしょ」彼女は泣きそうな顔で唇を噛む。僕は苦笑して、二人の間に傘を差す。「まさか室内にまで雨雲を呼び寄せるとはね」僕たちが身を寄せ合うのは古いソファ。辺りは一面水浸し。濡れた服越しに互いの温度を感じつつ僕等はしばし不運な幸福に耽った。


【逃げる】

朝ぼらけの公園を俺は一気に駆け抜けた。土を蹴って、逃げる、走る、逃げる。背後は恐くて振り返ることもできない。やった!逃げ切れた!安堵するもつかの間、俺は落とし穴の罠にはまる。「捕まえた」穴を覗く女の薬指が光っていた。「今日は結婚記念日だよ」彼女の愛は時に重い。


【蜜柑】

彼女の皺だらけの手が蜜柑の皮を剥き、筋を丁寧に取る。そして朝日差し込む畳の上に皮を広げて実を置いた。「お爺さん剥けましたよ」優しい声は昔と変わらない。皺の走った顔もいよいよ愛おしい。僕はこれまで共に過ごした時間の長さを考えながら、熟した蜜柑を噛みしめた。


【夢を見る】

彼女は本棚に背を預け「雨の日の図書館ってなんか特別な気がする」と言った。彼女の言うとおり図書館は静かで人も少なく、どこか神秘的である。「ここに居てもいい?」彼女は棚に置かれた私の革表紙に頭を押しつけ、甘えた。その柔らかく甘い髪の毛で撫でられ私は人になる夢を見る。


【忘れ物】

綾子は白い息を吐き出して駅に繋がる坂道を駆け出していく。後ろ髪が子犬のしっぽみたいに跳ねるのを、僕は涙を堪えて見つめていた。「忘れてた」彼女は足を止め僕に何かを投げつけた。「今度お返し頂戴」飛んで来たのは暖かいチロル。顔見合わせて僕等は泣き顔のまま笑った。


【百年】

「やっと会えましたね」白衣の老人は揺れる花に声をかける。昼の日差しも届かない、そこは閉鎖された地下の一室、彼が手にするのは闇に輝くしゃれこうべ。花は髑髏の目から生えている。「百年はとても長い、長い時間でした」白濁とした瞳を細め老人は艶と輝く髑髏の額に口づけた。

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