新技開発
だだっ広い、河川敷。広さを活かし、草野球用のコートが敷かれた所に、正志と頼は来ていた。少し前なら、草野球チームとかの練習などでもやっていたのだろうが、今は無人の、ただ、ただ広い、空き地と化している。しかし、今は違う。正志と頼が、頼の技訓練の為、多くのアニマルモンスターを引き連れて、そこで今まさにバトルを開始しようとしていたのだった。
「よ〜し! やるぞ!」
「頼! さっきの事、忘れるなよ!」
「分かってるって! 刀の最大の攻撃は、上から下への振り下ろしってやつと、左右から、反対側への横一文字だろ! へっ! よゆーっだぜ!」
「気をつけろよ、頼! お前のウェポンは、長刀って部類の物らしいから、一回一回の攻撃後の隙がでけーぞ。……おい! お前ら邪魔だ! ……頼! ……攻撃後の……邪魔すんな! ……攻撃後の切り返し……後で遊んでやるから! ……切り返しを忘れるんじゃねーぞ! ……お前ら! 人が話してる時は、……じっとしてやがれ! 邪〜〜魔〜〜〜!! どぉ〜けぇ〜!!」
と、正志は、右手にバット、左手に片手でも使えるように改造した火炎放射機を持ち、モンスターに囲まれた状態で、ぐるぐると回転した。
「ぉお! それ、すげーなそれ! 俺も、やろーかな」
「お前の武器じゃ、無理じゃねーか? ……あ! 思い出した! ……頼! これ、お前に前に貰った物だけど返す! これ、使え!」
正志の投げた物を、頼は咄嗟に受け取ろうとしたが、危険を感じて、サッっと手を引っ込めた。
「正志! 危ねーじゃねーか! でも、返してもらっとく。おーし、これで俺も二刀流だ! 行くぞ! モンスター!」
正志の投げた物、それは小振りの短刀であった。頼は、長刀の両手持ち。右手に長刀、左手に短刀の二刀流。この二つのスタイルを切り替えながら、戦うのであった。