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序幕

 以前に【俺達のRPG物語(改)】として投稿していました台本形式の文章を、小説風に書き直してみました。

 まだまだ至らない点は、数多くあるとは思いますが、よろしくお願いいたします。


 基本5日に一話の更新をしていきたいと思っています。



 ビールの空き缶が、数え切れない程散乱した薄暗い部屋の中で、男はソファーに座り、ビールを飲みながらテレビを見ていた。いや、見ていたというよりも、ついていただけなのかもしれない。テレビの中では、ニュースキャスターとコメンテーターが、深刻な表情で話をしていた。

「それでは続きましての話題です」

「昨年から、動植物を中心に広がりをみせている、新型のインフルエンザですが、昨日大阪にて人の感染が確認されました」

「このインフルエンザですが、発症するとどうなるのでしょうか?」

「そうですね、従来のインフルエンザであれば、感染・発症後風邪のような症状が現れ、その後39℃近い高熱を出すのがインフルエンザの特徴ですが、今回の新型は、風邪症状が全く見受けられず、高熱を出すという事もかなり稀なようです。症状としては、今まで動植物の感染例しかなかったので、はっきりした事は申し上げられませんが、発症後突如意識不明の状態になり24時間〜48時間後に意識を回復します。ただ、この意識回復時に性格に変化が生じ、一律に攻撃的になり、植物の場合であれば、自我の生成と共に、移動手段が確保されます。これに伴い、植物が人間又は他の動物を襲うという例が確認されています」

「それでは、このインフルエンザにかかった後の対応ですが…………」

「そんなの分かってるよ。バカじゃねーのこの番組」

 それまで、テレビの音とは無関係のようにビールを次々と飲み干していた男だったが、突然立ち上がると無造作にテレビを消し、ソファーに座り直すと、遠くを見るような目をした。

『そう、今となっては当たり前の事だ。近所の犬や猫が突然狂暴になって人間を襲ったり、その辺の雑草や木が、根っこで歩いてたり……。近所のガキ共は、面白がってバットやエアガンなんかを持ち出して、モンスター狩りだとか言って、学校も行かず毎日毎日、集団で行動しては、人間以外の生き物を何の感情も無く殺しまくってる。隣の家じゃ、家族同然に飼っていたワニがインフルエンザにかかったらしく、泣く泣く包丁で滅多刺しにしてたっけ……。でも、……ん? えっ、人間の感染者!?』

 男の顔に驚きの表情が現れたと思うと、男は慌ててもう一度テレビをつけなおし、今度は真剣に画面を覗き込んだ。



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