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童話もの

幸せの種

 寝坊したお父さんが仕事に行こうとすると、玄関で小さな妖精さんが遊んでいました。

「おい、じゃまだよ。どいてくれ」

 お父さんは急いで靴を履き、飛び出して行きました。


 お母さんが掃除をしていると、外で小さな妖精さんが畑のニンジンをかじっていました。

 「こら、大事なニンジンかじるな」

 お母さんは驚いて掃除機を止め、窓を開けました。


 初めて見る妖精さんだが、何やら様子がおかしい。お腹がすいている様子です。

 お母さんはジャガイモとニンジンのスープを作って、妖精さんに食べさせました。

 喜んだ妖精さんはお礼にヒマワリのような種をくれました。

 エンピツで机に小さく書きました。

「幸せの種です。願いごとをして育ててね」


 その夜、お父さんとお母さんと子供たちが、幸せの種を見て笑顔です。

「さあ、何をお願いしようかな?」

 会社での出世や美味しい食べ物のこと、将来の夢や希望など、いろいろ考えます。

「とりあえず、庭に種をまいてみようよ。幸せの種が増えたら、みんなにもあげよう」

 兄妹が良い提案をしました。


 三日後、幸せの種は芽を出しました。

 家族は笑顔でその芽を見ています。

「やっと芽が出た。よかったね。幸せの種いっぱいなるといいね」

 大切に育てると、幸せの種はぐんぐん育ちます。

「大きくなりすぎじゃないの。何の草なの?」

 ご近所さんも心配です。

「幸せの種だから大丈夫。大きければ大きい程いいんだ」

 家族は笑顔で答えます。

 やがて綺麗な花が咲いて、ヒマワリのような種が出来ました。

 家族は、たくさんの幸せの種をみんなにくばりました。

 友達やご近所さんも喜んでくれました。


「そういえば、願いごとの話はどうなったの?」と兄妹で話しました。

「お母さんと子供たちが笑顔なら幸せだ」とお父さん。

「お父さんと子供たちが健康なら幸せよ」とお母さん。

「みんなが喜んでくれたし、また幸せの種を育てよう」と兄妹。

 大金持ちでなくても、家族はじゅうぶんに幸せでした。


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