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仕返しされても仕方ないよね

(この子は私の専属侍女かしら。それにしては高圧的ね。確か名前は、メイだったかしら。子爵家一人娘だったはず。)

「あー、そうそう、水持ってきてあげましたよ!」

ビシャ!

「っ!」

私は何をされたのだろうか。

まだ理解できていない私に追い打ちをかけるように

「綺麗にしてあげたんだから、感謝してくださいね!あとほらこれあげますから」

と雑巾を投げつけ、

「後片付けは自分でやっとくんですよ!」

(何をふざけたことを言っているんだろうか…)

フェリシアは、こんなことをされてもずっと耐えてきたのか。

自分の中で何かがきれる音がした。

目の前のメイドを怒鳴ろうと口を開けたが、

(声が出ない?)

声を出そうと必死になったが、

「…!」

喉が固まったように声が出ない。

(さっきまで普通だったのに…)

ウィーン! 

まるでシステムが起動するような音が聞こえる。

何の音?という質問に答えるように、目の前に大きな板が現れる。

これは、選択画面?

「癒しの光〜帝国の秘密〜」をプレイした時に出てきた選択画面とよく似てる。

1、謝る

2、お父様に言う

3、やり返す

やはり選択画面なのだろう。

どうするべきか考えていると、

「返事しなさいよ!」

というメイドの怒鳴り声が聞こえた。

それと同時に、選択画面から警告音が聞こえた。

驚いて見てみると、

(警告!5秒以内に選択しなかった場合、自動で選択されます!?)

5秒前、4秒前…

1もありえないし、2もありえない。

フェリシアの父である、カイルはフェリシアのことを恨んでいるし、味方してくれるはずがない。

何より、このメイドをタダで返すわけにはいかない!!

急いで3を押すと、体を勝手に動き始めるのがわかる

(選択は絶対なのね)

近くにあった水の入ったコップを手に持ち、頭から水をかける。

何が起きたのかわからないのか、目を白黒させるメイドに対して思うことはただ1つ。

「ざまあみろ」

(えっ!声が出る!)

感動していると、また耳障りの声が聞こえてくる。

「あんた私にこんなことやっていいと思ってるの!」

この子は何を言っているんだろうか?

貴族社会にとって、爵位というのは絶対的な地位である。

1つ爵位が変わるだけでその家紋の及ぼす影響力が変わってくる。

子爵家令嬢ごときが侯爵令嬢である私にこんなことをしていいはずがないのだ。

「あなた、私の名前を答えなさい。」

「は?フェリシア・アトランティス様ですが」

「そう。私はフェリシア・トランティスよ。たかが子爵令嬢ごときにやってはいけないことがあると思って?」

「…っ!」

そこまで言われて、やっと自分の置かれている立場に気づいたようだ。

(先ほどこの世界に来たばかりだから、自分が何歳なのか、 置かれてる状況も分からない。このメイドを処罰するのも簡単だが、脅せば使えるかもしれない)

「そうね、したことがしたことだもの。あなたの家明日には潰れてるかもしれないわね?」

「申し訳ございません!どうかそれだけは!」

見事な土下座を披露する彼女に冷たい目を向けながら、

「あなたに一度だけチャンスをあげる。私の言うことに全て従いなさい。私があなたに何を聞いたとしても質問することを許さないわ。」

「っ!分かりました。」

「あなたは私に従ってるうちは、あなたの心配しているようなことを起きないわ。」

「はい…」

「ふふっ、いい子ね」

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