第七話 邂逅
プライベートな時間が少しずつ取れるようになってきたので毎週土曜日の14時に週一投稿を始めようと思います。
なんで筆者はこんな忙しい時期に小説を書き始めたんだ…??
精神崩壊を無事引き起こすことに成功したとはいえ、事態はかなり深刻なことに違いはない。よく考えればわかるが、どこかもわからない夜の森の中で3歳の子供が1人歩き回っているのである。明らかに危険である。マップを覚えていてもサンデラ王国には王国の端っこに同じような森がいくつか存在しているため、ワンチャンもう王国外である。まあこんなことはどうしようもない。とにかく歩いて森から抜けるしかないのだ。食料の備蓄は十分にある。果実の中に含まれている水分でなんとか水は補給するしかないが。
精神を崩壊させてから3時間くらいだろうか。お月様が沈み始めるのが見える。まあ月という名前ではないが、そんなことはどうでも良い。今は目の前に起きている異常現象の方が重要である。
「…んで、こんなところで何やってんだよチビ」
赤色の髪に特徴的な真緑かつ迷彩柄の服。この時代に迷彩柄なんてほぼ存在しない。つまりこいつは…
「ササン、なのか?」
「なんで俺の名前知ってんだよ。取り敢えずこっちこいよ、保護者呼んでやるから」
間違いない。こいつは俺の(ゲーム内での)1番仲良かったと勝手に思っているササンである。
何も考えずに火力を求めるあまりピーキーな武器やアクセサリーを大量に身につけている癖に普通に扱っているように見える変人ランキング常連のササンである。
「おい、俺だよ、俺」
「新たな詐欺がついにこの世界にもやってきたか」
「絶対にそうではない。まあ、詐欺紛いのこといつもしてたけど」
ただし絶対にこいつに自分がユキノフであることを打ち明けはしない。謎のプライドが自分がこいつに自己紹介することを拒否している。絶対に無理なのだからしょうがない。こいつに自己紹介するのは国を一つ潰すよりも難しいことである。
「お前何俺の昔知ってるような口を聴いて…あれ、もしかしてこいつ…俺のよーく知ってるやつじゃないよな?俺ffw4であいつに貸した金まだ返してもらってないんだが…」
こいつやっぱ頭が少し足りないのかもしれない。普通目の前に知り合いっぽいショタが存在してたら声かけてあげるだろ。…いや、流石に無理あったわごめんササン。
「じゃあ、そこのショタに一つ質問をしよう。俺がffw4の世界で行っていたことといえば?」
「明らかにやばい遺物を掻き集めて自分に装着した挙句国家経営ゲームなのに国家作らずに傭兵気取りで金欲しさに動いてた」
「間違ってはいないけどもっとマシな言い方はなかったのかよ、ユキノフ」
まあ一応気づいてくれたっぽいからいいや。
「ところでササンは何しにここに来たんだよ
「お前忘れたのか?ここには俺が超火力を出す上で最も欠かせない装備があるんだぞ」
「…もしかして《災害》シリーズ?」
「そうだとも」
《災害》シリーズはSTR以外の特定のステータスを1/2し、その減少幅+(全てのステータスの減少幅×3/4)の値をSTRに加算するという性能をしている。どう見ても火力だけしか出ない装備なのだが、こいつは火力さえあればなんでもでいると本気で信じているのでいつもこの装備を着用していた。
「あれ…ってことはここはもしかして…」
「何言ってんだ、ここがどこかくらいわかるだろ?災害の森だよ」
どうやら、一番引きたくないやつを引いてしまったようだ。某有名ゲームであれば目の前が真っ暗になってもおかしくない。
災害の森は名前の通りモンスターが少ない代わりに災害が多発する森のことである。災害の種類は森という地形に関わらず、火事や土砂崩れ、干魃や火山の噴火といった比較的わかりやすい災害から、森の端から突如発生する津波や森の中だけが揺れる地震、更には1週間〜1ヶ月の砂漠化や
魔物の災害まで何でもござれの無法災害地帯である。
これは早めに対処しておきたいところだ。
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