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俺と知らない風景とロボットと

大質量が転がるような騒音が鳴り響く。


「オメェもかッ!なンでESを前進させるだけの事が出来ねェンだ!どいつもこいつもォ!!」


 けたたましいほどの轟音と共に転倒するそれ。

 そして空気を揺らす叫び声。


 声を発した主は10人中10人に「おやっさん」と言って通じる風体。

ツナギを身にまとい大型のソケットレンチを振り回している。

組織の親方とか、そんなではない。町工場のおやっさんだ。


 そんなおやっさんが大型機械を操縦する

…いや、()()()()()()者を睨み腰に手を当て仁王立ちで文句を並べている。


「テメェの所為で唯一の練習機が入院じゃネェか。エンジンスレイブのリアクターをストールさせたら復旧にどれだけ掛かるか教習所で教わンなかったか。このKF-VEだって数は多いって言っても貴重なンだぞ。わかってンのか」


…いやいやいや。

 多分これ異世界転生ってヤツだよな。知ってる。好きだしそのジャンル。めっちゃ読んでる。

 信号無視の車が突っ込んで来たようなそんな映像も頭に残ってる。

不慮の事故で起きたら見たことのない環境。異世界。

うん、王道すぎるくらいの王道。

 50%くらいの確率で転生前に神様に会ったりするけど、それは引けなかったらしい。

それはいい。なんか神様に会った話の半分くらいは「間違えちゃった(てへぺろ)」とか言われてるし。

うん、神様は会わなくていい。

 ただね、転生モノってめっちゃ読んでるけど行く先は中世的な感じでギルドとか冒険とかとりあえず剣と魔法だろう。

少なくともこんな汗臭い感じはない



「違うやん。

 話、違うやん…」


 ひとしきり脳内で騒いだあと誰に言うでもなく独りごちる。

 目の前で繰り広げられるはおっさんの叱咤の嵐。

いくら想像できても理解が追いついていない。

そして聞こえる怒声。

追いつかない理解が更に距離を離すような心境だ。

 とは言え状況を整理しよう。

そうだ、冷静になれ。

順を追うのが大事だって高校時代の恩師も言っていた。

 轟音で目が覚めた。

目が覚めたら大きくメタリックな部屋で大きくメタリックなロボットがすっ転んでた。

確認できる限り付近にはロボットとおっさんだけ。

怒鳴るおっさんと怒鳴られるロボット(のパイロット)


 やっべぇ。

意味わかんねぇ。

参考になるラノベ知らねぇ。

そもそも転生先にロボット、居ない。レイ◯ースだって基本は剣と魔法だ。王道カムバック。


「ん?おめェ、いつからそこにいンだ?ここは認証なきゃ立ち入り出来な…うぉああああ」


 再び轟音。

今度は外からのようだが…

ごめん、俺置いてけぼり状態なんだけども。

さっきからビビるしかしていないんだけども。

ども…

※KF-VE型エンジン ダイハツ工業の直列3気筒エンジン

みんなの足、軽自動車ミラなどに搭載

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