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まおう、しつもんする


「ああ、冒険者になりたいという意味ね」

「そうです」


 断じて痴女になんかなりたいわけじゃないですわ。

 裸みたいな格好で歩き回るような趣味はわたくしにはないわけですし。

 ちなみに痴女さんの名前はアシュリーさんと言うらしくそこそこ腕の立つ冒険者らしいです。


「冒険者になる事自体は簡単よ。ギルドで申請すればいいだけだし」

「そんな簡単な事でいいんですの?」

「ええ、あなたも知っての通りこの世界は魔物や悪人が溢れてるからね」


 ごめんなさい。知りません。なにせこの世界には来たばかりですので。


「それらに対処するために冒険者はいくらいても足りないわけ」

「なるほどー」


 つまりは冒険者とは何でも屋みたいなものですのね。

 命の対価として報酬を得る。

 大体の依頼が命の対価としては安そうな気がするんだけど気のせいかしら?


「ならわたくしでもなれるわけですわね!」


 でも吸血鬼の真祖であるわたくしなら命の心配はそんなにないはず。肉片一つでも残ってたら時間はかかるけど再生できるわけですし。

 とりあえずは生活基盤を手に入れるためにもこの世界での通貨は必要になるわ。

 さらに言うなら魔王として活動する前にこの世界のことも知らないと!

 気付いたら死亡フラグが立ちまくってるなんて状況は回避したいですし。


「うーん、貴方くらいの年齢でも確かに冒険者になってる子はいるけど、稼ごうと思ってるならそれなりの特技ないとね。私みたいに攻撃魔法が使えるとか」

「特技ですか」


 吸血鬼としての能力があります! と言えたらどれだけ楽かしら。

 言わないけど! 吸血鬼という種族が襲われていないという確証を得るまでは言わないですけれど!


「一応、大したものは使えませんが神聖魔法が使えます」


 となるとわたくしの特技は神聖魔法しかありませんわね。

 魔法がかなり発達している世界であるならば大したものじゃなくても使えるというだけで普通という扱いに。

 もし、魔法がレアな扱いであっても不利にはならないはずですわ!


「神聖魔法を⁉︎ そんな歳ですごいわね! それが使えるならば冒険者には簡単になれるわ。回復魔法の使い手は貴重だし」


 よかった! 魔王っぽいグロ系魔法じゃなくてよかったですわ!

 初めて神聖魔法しか使えないことに魔王ですけど神に感謝しましたわ!


「でも神聖魔法が多少でも使えるなら勇者協会のほうがいいかもな」

「ぼ、冒険者の方がいいですわ」


 いや、そこは魔王のわたくしとは敵対関係だと思いますが……

 そんな事を考えながらアシュリーさんが御者をする馬車に揺られ、わたくしは色々とわからないことを質問するというのを繰り返すのでした。

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