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まおう、ふたつなでよばれる

 

 さて! わたくしメアリーは無事に冒険者登録をして早三週間が経ちました。

 ええ、ちゃんと魔王らしく殲滅ジェノサイドしてますわ!

 さあ、今日も一日、殲滅ジェノサイドですわ!


「ふっふっふ、もう逃がしませんわ」


 わたくしはとある一角にあるそれを前に仁王立ちをしながら見下ろしていた。


「もはや残りはお前だけ観念するのだわ!」


 わたくしは宣言すると手を前にかざし、魔力を込める。

 白色の魔力がわたくしの手から溢れるほどの光を放つくらいでわたくしは大きく眼を見開いた。


「受けなさい! オーバーエクストラヒール!」


 エクストラヒールがわたくしの手から放たれ、それはわたくしの足元に生い茂る雑草へと降り注いだ。

 エクストラヒールを受けた雑草は見る見る成長をしていきますがある一定の大きさまで成長を遂げると今度は一気に枯れていきます。


 ふっふっふ、普通のエクストラヒールであれば雑草は成長するだけだったでしょう。

 ですがわたくしが行ったのは過剰なまでに魔力を込めた回復魔法、オーバーエクストラヒール!

 限界を超える成長を強制的に促し、限界を超えさせて雑草を枯れさせる!

 まさに雑草を殲滅するための魔法ですわね!


「ふぅ、これで依頼完了ですわ」


 わたくしは額に浮かぶ汗を拭いながら満足感から笑みを浮かべます。

 今回受けた依頼は庭の雑草の駆除。

 それなりに大きな庭でしたがわたくしのオーバーエクストラヒールに掛かればあっという間でしたわ。


「おお、もう終わったのかい?」

「はい、わたくしに掛かればこんなものですわ!」


 依頼主さんが姿を現したのでわたくしは依頼完了のサインを貰います。


「さすが雑草の天敵と呼ばれる冒険者だな」

「ふふーん、雑草なら楽勝ですわ」


 依頼主からの依頼完了のサインを貰ったわたくしは意気揚々と冒険者ギルドへと足を向けます。

 日も沈み始めてきましたし、今日は雑草駆除の依頼も三件終わらせたのでいい時間ですわね。


 あとはこの依頼完了の入った依頼用紙を冒険者ギルドに提出すれば報酬がもらえますわ。


 冒険者に登録してから三週間、まずは新人らしい事をして目立たないようにしようと思い、初心者向け依頼というのを受けていました。

 まあ、初心者向けという事で溝掃除やら、手紙、荷物の配達、雑草駆除と街の中で終わるような依頼ばかりでおそらくは街に来たばかりの方に街にどんな物があるのかを覚えさせようとする配慮があり大変助かりましたわ。


 そんな中でも雑草駆除というのはわたくしと相性バッチリでした。

 なにせオーバーエクストラヒールを使えばどんなに鬱陶しい雑草であれ駆除することができるのですから。


「おい、あれが……」

「ああ、雑草の天敵の……」

「ウィードジェノサイダー……」


 どうやらわたくしは街の皆さんから雑草の天敵とかいう二つ名で呼ばれているらしいです。

 普通に雑草を駆除しているだけなんですけど……というか全くカッコよくないですし魔王ぽくないですわよね⁉︎


 そんな声に疑問を浮かべながらもわたくしは冒険者ギルドで依頼料を貰い、宿屋へと戻るのでした。

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