【第九〇話】
【祝】90話!!!!
どうにかここまでやってこれました。
それもこれも全て読者の皆様のおかげでございます。
話数が全てという訳ではないですが、こうして節目になると嬉しい気持ちになるものでして、これからも100話目指して頑張っていこうと思うのでどうぞよろしくお願いします!
※毎度の事ながら遅くなってしまい申し訳ございません。
これからは……というか、これからも週一では投稿できるように頑張りますので見限らず気長にお待ちいただけると幸いです。
前書きが長くなってしまい大変申し訳ありません。
それでは本編をどうぞ!
ベルナルドさんに褒美をもらった僕たちは、知らぬ間に祝勝会の場にて挨拶をすることなっていた。
戦争に無事勝利できたということで、参加していた兵士たちと一緒にパーティーをすることになったのだ。
しかし、さっきまでは普通ご飯とかを食べて今回の戦争に参加していた人たちと話をしていただけなのに、急にベルナルドさんに呼ばれて前に出ると、今回のことについて一言くれと無茶振りされた。
「えーっと、いきなりのことで何も話す内容を考えていなかったんですけど、一言だけ。今回のアポトリシキとの戦争で死者が出なくてよかったです」
僕はそう言って会場内にいる人たちを見てからもう一度口を開く。
「僕は今回が初めての戦争でした。モンスター相手なら躊躇なく振れた剣が、相手が人間になったというだけで振れなくなりました。これまでも盗賊なんかを相手することはありましたが、いざ戦争となると、相手には相手の正義があって、待っている家族もいる。そんな相手を斬ることはできないと思っていなした。……ですが、そんな考えを変えてくれたのはここにいる皆さんの存在です。僕は今回、この戦争で誰にも死んでほしくないという気持ちで参加しました。相手に守りたいものがあるように、自分にも守らないといけないものがあるんだって考えると、自然に剣を振ることができました……。この戦争を通して、気持ちの大きさで人間はなんだってできるんだってことを知りました。守りたいものは何としても守るって、その強い気持ちが持てれば、僕はこれからも剣を振るい続けることができると思います」
僕が話し終えると、それまで静かに僕の話を聞いていてくれた人たちが一斉に沸き立った。
そこかしこから聞こえてくる感謝の言葉が恥ずかしいような嬉しいような気持ちで、「長々と話してしまいすいませんでした!」と頭を下げてからマリアンナちゃんのところにそそくさと戻った。
戻る最中も、いろいろな人に声をかけてもらえて、頑張ってよかったなぁと心が温かくなった。
***
宴は大いに盛り上がり、酔いつぶれる人たちが現れだしたあたりでお開きとなった。
僕はマリアンナちゃんがお酒を飲めないこともあり、飲んでなかったので完全な素面で宿に戻ってきた。
途中の挨拶をしてからというもの、ひっきりなしに人が来て、いろいろな話をしてくれた。
そのため、そこからは食事をそこまで楽しむことはできなかったが、そうやって話に来てくれること自体は嬉しかったので十分と満足できた祝勝会となった。
「もっと強くならないとな……」
マリアンナちゃんとは部屋が分かれているので今は僕一人しかいない。
そんな中、ベランダに出て空を見上げながらそんなことをつぶやいた。
今回の戦い、いくつかイレギュラーがあったものの、基本的には防衛するこちらが有利な立ち位置だった。
それなのに、ドラゴンが一体出てきた程度のことで戦況が一変し、相手に遊ばれるまでになっていた。
ドラゴンと戦う術はキャメルさん達に叩き込まれていたはずなのに、急なことがあるとテンパって動きが鈍くなってしまう。
これからはそういう状況でもしっかりと動けるように訓練しないといざというときに困るだろう。
「今回勝てたのは相手が油断していたからだ。もし本気で殺そうとしていたらマリアンナちゃんたちを重点的に狙われてどうすることもできなかっただろう」
仲間を守る方法を考えた方がいいかもしれない。
僕はそんなことを考えながら部屋に戻る。
ベッドの上には丸まった状態でイデアが寝ていた。
イデアは生まれたばかりということもあり、今回の戦争には連れて行かずこの宿で待っていてもらった。
祝勝会で出された食べ物を少し分けてもらって、帰ってきてからイデアに食べさせると、おいしそうに食べていた。
「……おやすみ」
そんなイデアを一撫でしてから僕も眠りに落ちたのだった。
翌日、温かい何かに顔をなめられる感覚で目を覚ました。
見れば、おなかがすいたのかイデアが僕の顔を舐めまわしていた。
「ふぁ……おはよう、イデア」
「みゃ!」
僕が起きたことに気付いたイデアは片手をあげながらそう返事して、僕の顔面からどいてくれた。
「朝食どうしようか?」
いつもはマリアンナちゃんが作ってくれているけど、昨日の疲れがまだ残っているのか起きてくる様子はない。
久しぶりに今日は僕が作ることにしようかな。
「イデアは何が食べたい?」
「みゃみゃ! みゃー!」
僕がそう聞くとイデアは冷蔵庫の近くにあるブドウを指しながら鳴いていた。
「じゃあブドウを使った料理でも作ろうか」
そうして始まったルイスの三分クッキング。
今回作るのはブドウソースのかかったホットケーキ!
「じゃあまずはホットケーキから作りましょう!」
久しぶりの料理にテンションが上がってしまい、独り言が多くなる。
鼻歌交じりにホットケーキを焼いていると、匂いに釣られたのかイデアがぱたぱたと飛んできた。
そのまま僕の頭に乗っかってきたので料理の続きを見せる。
「ホットケーキがいい感じに焼けるまで、ソースでも作ろうか」
僕は事前に用意しておいたブドウを数個皮を剝く。
そして細かく刻んでから残りのブドウを握りつぶす!
「フンッ!」
ジュースと化したブドウをフライパンに移し、刻んだブドウ、バターも一緒に入れて、液体が半分くらいの量になるまで煮詰める。
そうこうしている間にホットケーキがいい感じに焼けてきたので、お皿に移してソースをかける。
すると美味しそうなブドウソース付きホットケーキが出来上がった。
「マリアンナちゃんはまだ寝てるかな?」
「みゃ!」
僕が言うと、イデアはとてつもないスピードで部屋から出ると、マリアンナちゃんのいる部屋をバンバンたたき出した。
……それから寝起きのマリアンナちゃんが部屋に連れてこられたのは数分後のことだった。
今回の話を書いていて思ったんですが、読者様的にネタを含んでる話ってどうですかね?
あんまり面白くないって言う方が多いと、そういうのも少なくした方がいいのかなぁって気もしてくるんですけど……。
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