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【第八五話】

遅くなってしまい本当にすいません!!!!

書こう書こうと思っていて気づけば前回の投稿から2日も過ぎていた。

次回は早めに投稿できるように頑張ります!

「君がルイス殿で合っているかな?」


 マリアンナちゃんがいつまでたっても離れようとしないので頭を撫で続けていると、突然知らない男の人に名前を呼ばれた。


「そうですけど、どちら様でしょうか?」


「失礼、私の名前はベルナルド・シフエンテス。クロノピオの領主をしている者です」


 まさかの領主様だった。

 貴族を前にこんな女の子に抱き着かせたままなんて不敬罪で首をはねられたりしないだろうか。


「こちらこそ領主様だったとは知らずに失礼な態度をとってしまい申し訳ございません」


 マリアンナちゃんもいい加減離れてくれませんかね?

 僕の命がかかっているかもしれないんですけど……。


「敬語は必要ないですよ。もしルイス殿が今回のことに気付いてくれなければこの街のは少なくない被害が出ていたでしょうから」


「僕なんてそんな……。街の防衛がすごかったですし、命の恩人なんていわれるほどすごいことをしたわけでもありませんので」


「ルイス殿もご存じかもしれませんが、今はアポトリシキとの戦争に向けて、戦力の大半を国境方面に寄せていました。なのでもしも急にモンスターの大群に攻められるなんてことになれば対応が間に合わず住民にまで被害が出ていたでしょう。それを事前に知らせどころかたった一人で避難や防衛の時間まで稼いでいただいたのですから、命の恩人と言っても過言ではありません」


 僕のやったことをここまで褒めてくれると、なんだか気恥ずかしくなってくる。


「それならその……お役に立ててよかったです」


「それでですね、今回の件に関して詳しい話を聞かせていただければと思っているのですが今からお時間大丈夫ですか?」


「僕は大丈夫です」


「……私もです」


 ここにきてようやくマリアンナちゃんが僕から離れた。

 下を向いていたからよく顔は見えなかったが、一瞬見えた目元は赤くなっていたので、泣かせてしまったなと自己嫌悪に陥りそうになる。

 それでも僕の袖を離さないマリアンナちゃんを見て、今度は心配させないようにしようと心に決めた。

 まぁ、心配させちゃうこともあるんだろうけど、極力気を付けるってことで……。


「それじゃあ馬車を準備してあるからそれで向かいましょうか」



 ***



 一般的に僕たちが移動に使う馬車とは全く違い、揺れも少なく移動の音も小さいという高機能な馬車に乗ってベルナルドさんの邸宅までやってきた。

 ベルナルドさんの家は、一時的な住民の避難先として使われることも想定しているらしく、公爵家であるフォーサイス家と比べてもかなりの大きさだということが分かる。


 僕たちは門をくぐって、庭を通り抜けると、玄関の前で降りることになった。

 ベルナルドさんが馬車から降りると、まるで待ち構えていたかのように、玄関から一人の妙齢なメイドさんが現れた。


「旦那様、おかえりなさいませ」


「あぁ、お客さんがいるから部屋の準備をしておいてくれ」


「かしこまりました」


 メイドさんは、耳に着いたピアスのようなものに触れると、小声で何かをしゃべっていた。

 二回ほどのやり取りをすると、メイドさんは「失礼します」と頭を下げてから屋敷の中に入って行った。


「今のピアスみたいなのって何なんですか?」


 もしかしたら僕たちがちょうど求めていた遠距離の連絡手段なのではないかと思い、ベルナルドさんに尋ねてみると、予想通りの返事が返ってきた。


「あれは遠話ができるようになる魔法道具です。遠方に行ったときにたまたま購入できまして、いろいろと便利なので屋敷の者に持たせているんです」


「それってどこで購入したのかって教えてもらえたりしますか?」


「あるだけ購入したので、もし必要なようでしたら安値でお譲りしましょうか?」


 それは願ってもない話だ。

 ちょうどそういうものがあればいいのにって話をしていたところで、こんないいものが安く売ってもらえるとは。


「是非買わせてください!」


「そこまで喜んでいいただけるのなら無償でも構いませんが……」


「それは流石に申し訳ないですから、お金は払わせてください」


「そうですか、今回の件のお礼にと思ったのですが……何か他に必要なものがあれば言ってくださいね」


「ありがとうございます。もし何かあればお願いします」


 そんな話をしつつ、僕達はベルナルドさんに連れられて客室にやってきた。

 客室にはもう既に、人数分のお茶などが準備されていた。

 僕たちがソファに座るのを確認したベルナルドさんは、カップに注がれていた紅茶で口を湿らせてから話し始めた。


「さて、それでは詳しい話を聞かせてください。私がマリアンナ殿から聞いた話では、森にモンスターが全くおらず奥に行くと数え切れないほどのモンスターがこの街に向かって侵攻していたとの事ですが、それに間違いはないですか?」


「そうですね、最初は数え切れないほどモンスターが(ひし)めいていました」


「この辺にはいないはずのモンスターも目撃されたらしいけれど……」


「僕が無知なだけでなければ、この辺には生息していないはずのモンスターも混ざっていました。熱帯の方に生息しているはずの『キングコング』もいたと思います。見えたのは少しだったのでもしかしたら見間違いの可能性もありますけど」


「なるほど、他に何か気がついたことなんかがあれば教えて欲しいのですが」


「そうですね、通常のモンスターに比べて生命力が高かったですね。いえ、生命力と言うよりは、アンデットっぽかったって感じですかね。頭をどうにかしない限り動き続けていましたから」


「……なるほど。思ったよりアポトリシキの力は強大なのかもしれませんね」


 そう言ってベルナルドさんは腕を組んで何かを考え始めた。

「続きはよ」「面白かった」と思って頂けたら

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評価や感想などもモチベーション向上に繋がるのでぜひ。

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