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【第八二話】

やはり昨日は間に合いませんでした……。

「それでは特異個体のミミックスライムの討伐報酬ですが、今回はモラスクの擬態だったということで、モラスクの討伐報酬である、金貨二〇枚に特異個体の発見に対する報酬で金貨五〇枚、本来の討伐報酬である銀貨五枚で……合計金貨七〇枚と銀貨五枚になります」


「そんなにもらえるんですか」


「ルイスさんが特別なんですよ。通常モラスククラスのモンスターを討伐するのに最低でも五人は必要になります。金貨二〇枚を五人で分けることになるので一人当たりの報酬はそこまで高くなりません。さらには今まで確認されていなかった特異個体の情報です。ルイスさんの報告がなければ特異個体という存在が知られることはありませんでした。そのため、他の探索者の方々の危機を事前に防いだということで特別報酬が金貨五〇枚です」


「なるほど。そういうことならありがたくいただきます」


 この金はマリアンナちゃんの装備を新調するのにでも使おうかな。

 もともと出るはずのなかったあぶく銭だし、今までのモンスター討伐で生活費は問題なく稼げてるからぱぁっと使っちゃったほうがいいだろう。


「今回は我々の調査不足で危険にさらしてしまい、大変申し訳ございませんでした」


「初の事例ですし、仕方ないことだったと思いますから謝らないでください。あまり気にしないでもらえると、これからの活動もやりやすいですし」


「ありがとうございます。今後もよろしくお願いします」


 いつまでも受付嬢さんに頭を下げられているのも申し訳なかったので、頭を上げてもらうと、受付嬢さんは見惚れてしまうような笑顔でお礼を言ってきた。

 僕も一瞬見惚れそうになったけど、隣にいるマリアンナちゃんからの圧がすごいので、まじめな顔を作ってやり過ごした。

 マリアンナちゃん、シャルと大分仲良くなっていたから、僕が別の女性にデレデレしてたりすると、全部報告されそうなんだよね。

 ……そりゃ僕だって男なんだから美人に見惚れるのはしょうがなくない!?


「それじゃ、これからやることがあるので……」


 ボロが出る前にさっさと撤退しようと、マリアンナちゃんを連れてギルドを出た。

 受付嬢さんが「今度食事でも……」と言っていたのが気になるところだが、すいません! 僕にはもうシャルっていう婚約者がいるので……!


「これはシャルちゃんに報告しなければ……」


 ひぃぃ! マリアンナちゃんが恐ろしいことをつぶやいてる……!

 何とかご機嫌を取らなければ!


「マリアンナちゃん! 新しい装備を見に行こうか!」


「装備ですか?」


「うん、今着てるその装備も性能は悪くないだろうけど、今回入ったお金でもう少しいいものが買えそうだからさ」


「あ、じゃあ武器も買っていいですか?」


「武器? 杖以外でってことだよね?」


「はい、近接で戦うのにやっぱり杖だと戦いにくいので、私でも使えそうな短剣なんかが欲しいなって思って」


「いいよ。なら買いに行こうか」



 ***



 そうして僕たちは一日かけてマリアンナちゃんの新装備をそろえた。

 防具はパラサイトという蜘蛛のモンスターから手に入る糸を編み込んだもので、性能は十分なのに加え、見た目もオシャレという素晴らしい装備だ。

 どういう原理なのかわからないけど、スカートなのにどれだけアクロバティックな動きをしても中が見えない神装備。

 可愛いマリアンナちゃんが()()()()目で見られなくて済むのはありがたかったので、少し値は張ったけど即購入を決めた。

 マリアンナちゃんの希望でもあった短剣だが、掘り出し物も見つからなかったので、普通によさそうな物を一本購入した。


「いろいろと買ってもらってしまってすいません」


「このくらいマリアンナちゃんの安全に比べたら安いもんだよ。できれば僕は『すいません』じゃなくて『ありがとう』って言ってほしいな」


「えっと……あ、ありがとうございます!」


「どういたしまして」


 恥ずかし気に顔を赤らめ、お礼を言ってきたマリアンナちゃんの頭を撫で、これからの予定を考える。


 マリアンナちゃんも自衛できる程度には強くなったから、もう少し依頼のレベルを上げてみてもいいかもしれない。

 雰囲気的にはもうそろそろ開戦っぽいから、それまでにできるだけ腕をあげておきたいところだ。

 僕の場合はうぬぼれでもなくこのくらいの敵なら無傷で倒せる自信があるし、僕自身が強くなるには敵のレベルを上げないといけない。しかしそうするとマリアンナちゃんに危険が及ぶ可能性がある。


 今は少しずつでもマリアンナちゃんを強化していくのが一番だろう。


「じゃあ今日はそろそろ帰ろうか」


「そ、そうですね……この装備も試してみたい気はしましたけど、明日でもいいですからね」


「明日からは、もう少し難しい依頼を受けるから嫌でも試せると思うよ」


「ルイスお兄様のお荷物にならないように頑張ります!」


「張り切りすぎて怪我しないようにね?」


「はい!」


 そんな会話をしながら、僕たちは泊っている宿まで帰った。

 それから、夕食とお風呂に入って、マリアンナちゃんの回復魔法を使う練習をしてから、それぞれの部屋に戻って眠った。

普段あまり考えずに書いてるんですけど、どのくらいの文字数が読みやすいとかありますか?

自分は多い方が読んでる感じがして好きなんですけど、いざ書くとなると自分の話が多いのか少ないのかいまいち分からないって言う。


「続きはよ」「面白かった」と思って頂けたら

少し下にある☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂けると励みになります。


評価や感想などもモチベーション向上に繋がるのでぜひ。

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