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【第七三話】

なんか上手く文が組み立てられなかったかもしれないっす。

それでも楽しんでいただければ幸いです。


少し修正しました。


「それじゃあ行ってきます」


「行ってきます!」


 マリアンナちゃんが準備をすると言った日から二日経って、僕とマリアンナちゃんは男爵とモダンさんに見送られながら屋敷を出た。

 本来なら昨日出発する予定だったが、予定外のことが起きて急遽もう一日日にちをずらすことになった。


 これから二人で帝都に向かうわけだが、歩きで行くには時間がかかりすぎる。

 ならどうやって行くのかというと――


「おぉい! ルイス~!」


 空から声。見上げると一隻の船が空に浮いていた。

 そう、僕たちは、僕が男爵領に来るときにも乗ってきた飛行船『ダイナマイトジェニー号』で帝都に戻ろうとしていた。

 これが日にちをずらすことになった原因。

 陛下が、「飛行船を向かわせたから帝都にはそれで来い」なんて手紙寄越すから……。

 まぁ大分時間が短縮できるから助かるんですけどね!


「お久しぶりです、今回もよろしくお願いします」


 さっき僕の名前を叫んでいたのは、男爵領に来るときにもお世話になった男性だ。

 ドン・ペリーと言う名のいかにも船乗ってますって感じのイケおじだ。そんなことを思いながら降ろしてくれたハシゴを上り、船に乗り込んだ。


「久しぶりだなぁ、ルイス! 元気してただか?」


「まぁまぁって感じですかね」


「んだ、陛下から頼まれてルイスを迎えに言ってやってくれっていうもんだから、急いで船飛ばして来たんだべ」


 陛下が帰ってから直ぐに手配してくれたのなら、出発したのは一昨日か……。

 僕が来る時は五日かかっていたのに、たった二日で来れたのは船員さんたちが相当頑張ってくれたのではないだろうか?


「ありがとうございます。また頼ることになってしまいますが、お願いしますね」


「任せるべ、今回は急ぎだって聞いてるから前回みたいに丁寧な運転はできないけんど、我慢してくんろ」


 そうして、前回とは比べ物にならない速度で飛行船は男爵領を飛び立っていった。

 今までずっとおとなしくしていたイデアは、自分が卵から孵った場所だとわかるのか、テンションが上がって船内を飛び回っていた。

 僕はそんな元気いっぱいなイデアをなだめつつ、初めてというマリアンナちゃんをフォローするために近づいて行った。



 ***



 飛行船に乗ってから二日後、僕たちは帝都にある宮廷の庭に下りていた。

 僕たちが飛行船から降りると、そこには見知った人たちがいた。


「お久しぶりですね、ルイス様」


「本日はお忙しい中急遽来ていただきありがとうございます」


 そう言ってきれいなお辞儀をしてくる二人。


「大丈夫ですよ、アイリスさん、フェリシアさん」


 そう。この場に現れたのは、前に僕のことを拉致った陛下のメイドさん兼護衛だ。

 相変わらずアイリスさんはキリっとした感じでハキハキしゃべるのに対して、フェリシアさんはおっとりマイペースだ。

 この一見正反対のように見える二人だが、相性はいいようだ。


「着いて早々で申し訳ありませんが陛下がお待ちですのでこちらへ」


 そうして僕たちはアイリスさんとフェリシアさんに連れられて陛下の待つ謁見の間へと向かったのだった。


 前回来たときは筋肉フェチ疑惑が浮上するようなことをされたせいで、あまり帝国の皇帝陛下って感じはしていなかったんだけど、改めてこうして玉座に鎮座しているのを見るとやっぱり陛下なんだなって感じた。


「今回は急に呼び立ててすまなかったな。今回お前を呼んだのは二つ理由がある。一つ目はウルズのこと、もう一つはエレチナのことだ」


「ウルズ伯爵のことは分かりましたけど、エレチナですか?」


「あぁ、まぁ順を追って話そう。まずはウルズのことだが、今回の事件私はことを重くとらえていてな……爵位を剥奪するとともに、一年間の無償労働、さらには魔道具で、自分より十五歳以上年上の異性にしか反応できないようにした。ウルズが納めていた領地は直属の部下が代わりに治める」


 その処罰が重いものなのかは判断が付かないが、十五歳以上にってやつは結構きついような気がした。

 僕も当然男だし、そういう気分になることもある。

 だけどもし自分が十五歳以上年上にしか反応しないとしたら……。

 考えただけでも恐ろしい。


「さらに今回の賠償として、ウルズの私物を売り払って作ったお金、金貨八万枚を男爵領に送ることにした」


「ありがとうございます」


 金貨八万枚で一つの領地をどれだけ維持できるのか知らないけど、それだけの大金であれば男爵も少しは楽になるんじゃないかと思う。


「ほかにもいろいろとあったがこれは我が国のことだからお前は気にしなくていいことだな。それじゃあ本題に入ろうか」


「……エレチナのことですよね」


「うむ、私がショペル男爵領から帰ってきたときのことだ、我が国とエレチナは貿易をしていることもあって友好的な関係を結んでいるんだが、そのエレチナから救援要請があった」


「なッ!?」


「詳しく話を聞いてみると、アポトリシキ王国から宣戦布告があったとのことだ。確か、人を探していて、そいつらを渡せと急に要求してきたから、それを突っぱねたら即宣戦布告だったと聞いた」


 アポトリシキってマレガストを倒したあの?

 だとしたら探している人って誰だ?

 アポトリシキの関係者……いや、マレガストの可能性もあるのか。

 ……そういえば、エリカとミリカがマレガストの双聖女って言っていたな。

 あれからそこに行ったか分かっていないし、急いでエレチナに戻って二人を探さないと、後悔する気がする。


「僕は急いでエレチナに戻ります」


 隣にいるマリアンナちゃんを見る。

 すると、マリアンナちゃんも僕の方を見ており、目が合うとうなずいてきた。

 どうやら一緒についてきてくれるらしい。


「そういうと思ってもう準備はしてあるさ。エレチナまではこの私が転移魔法で送ってやろう」


「転移魔法って座標がわからないと使えないんじゃないんですか?」


「エレチナに転移のための魔法陣が書いてある。本来ならそうやすやすと使わないが、お前はこの国の膿を吸いだしてくれた。その恩には報いねばなるまい」


「ありがとうございます!」


「準備はいいか? 飛ばすぞ!」


 陛下がそう言った瞬間、僕たちの足元に光り輝く魔法陣が現れ、光が僕たちを包み込んだ。

 光が収まったときにはもう、懐かしの街並みが広がっていた。

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