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【第五七話】

ちょっと遅くなりました。

 どうも、ルイスです。

 今僕がどこにいるかと言うとですね……何と陛下の自室なんですけども!

 ハハッ、意味がわからないと思うけど、僕も分からないから安心して欲しいな。どう安心すればいいか分からないけど!

 ちなみに僕と陛下はキングサイズのベッドの上で向かい合っております。

 僕がこんな状況に陥った訳は、アイリスさんとフェリシアさんに連れられ宮廷に着いたところまで遡る



 ***



「ここが……宮廷……」


 僕は二人に案内され、馬車に乗ると降りたら目の前にとてつもなく大きな城がたっていた。

 灰色をベースにした城壁に囲われ、全貌を見ることは出来ないけど、それでもエレチナの城とは比べ物にならないほど大きいことが伺える。


「驚くのはまだ早いですよ。帝国の凄さはここからですから」


 僕達が城壁の真ん前まで行くと、壁の一部が四角く光だし、僕達よりも少し大きめの入口が出来上がった。

 そのまま進みつつ、僕は素直な感想をつぶやく。


「す、凄いですね……」


「これが帝国で独自開発した技術です!」


「一体どうなってるんですか?」


 帝国が開発した技術かぁ。

 前に図書館で国について調べた時、帝国は先進国って書いてあったからどれほどのものかと思ってたけど、予想より遥かに進んでるんだな。

 エレチナだと自動で開く扉が最新の技術だったけど、こっちは必要な時だけ開く壁か……圧倒的なレベルの違いに驚きを隠せないな。


「これってどうなってるんですか?」


「知りたいですか? 教えてあげましょう! と言っても帝国に住んでいる人なら誰もが知っているようなことですけど。まず、この入口のことを私たちは魔法の扉(マジックドア)と呼んでいます。これの作り方はすみませんが帝国の極秘情報なのでお教えできません。ですが、仕組み自体は単純で、魔力で作った壁に入口を作り出す魔法を使っていると考えていただければよいかと」


 魔法の扉(マジックドア)

 今仕組みを軽く聞いてみたけど、正直何を言ってるのかさっぱりだった。

 魔力で作った壁というのは魔法で作られた壁のことを言うのだろうか? それともまだ僕の知らない魔法とは別のもので作られているのか。


「そう不思議そうな顔をしないでくださいよ。まだ説明は終わっていませんから。私は先程『魔力で作った壁』と言いましたよね? そこでルイス様は魔法と何が違うのだろうと考えたと思います。結論から言いますと、ここで言う魔力とは、魔法とは全くの別物です。これも帝国で開発された新エネルギー、魔素力(マテリアルエネルギー)といいます。この魔素力を変換し、帝国では様々な魔素道具(マジックアイテム)を作っています。より詳しい説明は帝都内にある魔力分析を専門としている学者に聞いてみるのがいいと思います。」


「今の説明だと、この壁はその魔素道具なんですね。なんだか大陸が変わるだけでこうも文化レベルが変わってくると、色々と困惑しますね……」


「そうですね。他の大陸に比べてここは相当発展していると思います。そのせいで余計に困惑も大きいのではないでしょうか……っと、言っている間に着きましたね。このお部屋で陛下がお待ちです。そこまで礼儀に厳しい方ではないので、気を楽に入ってもらえればと思います」


「分かりました」


 いよいよ皇帝陛下とご対面か……。

 どんな人なのか分からないけど、なんとか帝国にあるって言う杖のある場所を聞いてみよう。どうして僕が帝国に着いていることを知っていたのかも知りたいし。


 三回ノックをすると、中から「どうぞ」という()()()が聞こえてきた。

 皇帝陛下以外の人もいるのかと疑問に思いながら扉を開けると、そこには一人の女性がソファに座っていた。


 ——ッ! あのお付きの二人に名前を聞いた時点で察すればよかった!

 陛下の名は『エレナ・アン・エインザ』、エインザ帝国の女帝だ……!

 帝国は世襲制、一国の主は男が務めてると思い込んでいたからここも前皇帝の息子が皇帝をやっていると思っていた。

 勝手な先入観から名前を聞いても珍しい名前の皇帝だとしか思わなかったが……。


「は、初めまして。ルイス・イングラムといいます。本日はお招きいただきありがとうございます」


「ふっ、帝国のトップが女で驚いたか?」


 最初に詰まった以外では動揺を隠し、普段通りの調子で言ったはずだけど、女帝ほどの人になるとわかってしまうようだ。

 こういうタイプの人は誤魔化しなんて通用しないだろう。

 正直に話してしまった方が印象はいいと思う。


「……そうですね。まさか陛下が女性だとは思いませんでした」


「そうかそうか、正直だな。エレチナから速達でお前のことを聞いてから港は監視させていた。情報と一致する男が現れたと言うからすぐにここに来てもらった次第だ」


 陛下からの自己紹介は無く、自分のことは知っているだろうと言わんばかりに話を進めてくる。

 その圧倒的な覇気の前に、僕は呆然と見つめることしか出来なくなっていた。


「……あっ、えっと……そうですね。で、では聞いているかもしれませんが、杖の古代武器(アーティファクト)のある場所を教えて貰えませんか……?」


「ふむ。確証はないがショペル男爵のところにあるものの事だろうか」


「ショペル男爵?」


「あぁ、たしか遥か昔に作られた伝説の杖を代々守っている家だ。彼が言うにはいつの日か封印は解ける、との事だったが……」


「多分それです!」


「そうか、ならばショペル男爵家への紹介状を書こう」


「ありがとうございます!」


 なんかとてもスムーズに話が終わりそうじゃないか?

 このまま何事も無く終わってくれればいいんだけど。


「まぁ待て、いくらエレチナ国王から言われたからと言って、無償でここまでしてやる義理は私には無い。そこでだ……私の願いを聞いてはくれないか?」


「…………」



 ***



 こうして連れてこられたのが陛下の自室だったと。ベッドで向かい合わせになってされるお願いってなんなんですかね?

 不安と期待が九:一って感じなんですけど。もちろん不安が九です。


「それじゃあ願いの方を言おうか。私の願いは——」

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