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【第五〇話】

ちょいグロシーン? みたいなのがあるかもしれないです。

苦手な方は我慢して読んでくださいm(_ _)m

「あいつが持ってる剣、聞いてたのと一緒じゃねーか?」


「色合いも一緒だし、あれだろ」


「おーし、おめぇら! あいつをぶっ殺して剣を奪え!」


 僕が馬車から出ると、周りを囲んでいた盗賊がそんなのことを言っていた。

 僕はオーダーを抜き、自然な体制で構えた。

 数人は生かしておいて、どこでオーダーのことを聞いたのか教えてもらうとしよう。


「「ヒャッハァ!」」


 我先にと飛びかかってきた短剣使い二人の大振りな攻撃を避け、すれ違いざまに首を切り落とす。

 殺らなきゃ殺られる、なんてそんなことはないだろうけど、盗賊なんてモンスターと大差ない。

 いくら斬っても僕の良心は痛まない。


 仲間が一瞬で殺されたのに動揺したのか、周りの盗賊たちはざわつき、動きが止まった。

 すぐに我に返って一斉に飛びかかってこようとしたがもう遅い。

 僕はオーダーに魔力を流し、属性の変換を行ってもらってから刃に炎を纏わせた。

 生け捕りにするのに普通に切ったんじゃ出血で死んじゃうからね。


「なっ、あいつ魔法まで使えるのか!」


「怯むな! 所詮は一人だ、囲めば殺れる!」


「行け! 行け行け!」


 総勢十人ぐらいの盗賊が、一斉に僕に向かってきた。


「こんなにはいらないかな……」


 僕は、先程指示を出した三人の手足を切り落として、残りを皆殺しにした。

 これ以上罪を重ねる前に救ってあげる、なんて言えば聞こえはいいけど、結局のところ罪には罰を……人を殺したなら殺されても文句は言えないよねってこと。

 もちろん僕にもそれは適応されるわけで、ここで盗賊たちの命を奪ったんだから、いつ殺されても文句は言えないだろう。


「それでも、生かしておく価値のない人間を生かしておいてもしょうがないし」


 全員を助けるなんて出来ないんだから、僕はこの両手で収まるくらいの人たちを、ものを助けるよ。

 少なくとも、この盗賊たちは僕の両手には収まらなかった。


「さて、仲間も全滅、君たちは動けない。僕の質問に大人しく答えてくれれば殺さないでおいてあげる」


 手足を失った激痛で叫んでいる三人に、剣を向けながら言った。

 すると、三人は怯えたような目を僕に向けながら、静かになった。


「まず、どこで、誰に古代武器(アーティファクト)のことを教えられたの?」


「お、俺らのアジトに急に現れた女だ!」


「外套を着てて、フードを被ってたから顔は分からなかったが、あの声は間違いなく女だった!」


 フードを被った女ね……。

 一瞬王都に入った時すれ違った紫髪のフードさんを思い出したがどうだろう。

 何も情報がないからなんとも言えないけど、可能性としてはありそうだから用心しておこうかな。


「ふーん。じゃあ次だけど、その女の人になんて言われたの?」


「すごく珍しい剣を持った男がこの道を通る。それがあれば億万長者すら夢じゃないって……」


「その剣を持ってくればヤラせてくれるって言うから……」


「俺もだ」


 金と欲望のために襲ってきたわけか。

 なんのためにオーダーを欲してるのか分からないけど、その女の人は注意しないといけないな。


「その他で女の人のことで知ってることとかは?」


「も、もうこれ以上は知らねぇ!」


「そうだ! 全部話した、だから助けてくれ!」


「死にたくねぇ! 死にたくねぇよォ!」


 どれも嘘をついてる感じじゃないかな。

 これ以上は何を聞いても時間の無駄になりそうだ。


「じゃあ最後に、今まで何度こうやって人を襲ってきた?」


「こ、これが初めてだ!」


「そうだ! 初犯だ!」


「…………」


「へぇ……? 最後の人はなんで黙ってるの?」


「……数え切れないほど、襲ってきた」


「じゃあ他の二人が嘘をついてるってこと?」


「そ、そんなのデタラメだ! そいつが勝手にやったことだろ!」


「俺たちは初めてだ!」


 僕はため息をついて、オーダーに聞く。

 嘘をついているのはどちらかを。

 僕はキャメルさんのところで修行をしていくうちに、オーダーの力も解放されていった。

 そのうちの一つに、【真偽判定(ジャッジメント)】という能力がある。

 これは、相手が嘘をついているのか、本当のことを言っているのかが分かるという能力だ。

 この能力が解放されてから、ダウトで負けたことは一度もない。


 オーダーから返ってきた答えは、二人組の方が偽。

 つまり嘘をついているということ。

 僕はその答えを聞いてから、オーダーにさらに多くの魔力を込めた。

 それだけで、オーダーは僕がしたいことを理解し、炎の火力を上げた。


「正直に話してくれたら、生かして次の街まで連れてったのにね。わざわざ保身に走るなんて……哀れだな」


 そう言って、二人の首を切り落とした。

 そうして、無事に盗賊を全滅させたので、馬車に戻ろうとすると、ガルド達は、引いたような目で僕のことを見ていた。


「ルイス……おめぇ、そんなに強かったのか……」


「えっと、まぁ、武器が優秀だからね……?」


「そうか……」


 それから殺した盗賊たちの頭を箱に入れ、馬車の横に縛り付けた。

 生かしておいた一人は、「殺さない」と言っただけなので、その場に放置することにした。

 衛兵の所に首を持っていけば、懸賞金のかけられている盗賊なら金が貰えるし、わざわざ生きた盗賊を連れていく必要も無いからね。


 基本的にどの大陸でも、盗賊だとか犯罪者に対する扱いは雑なものだ。

 捕縛時の生死は問わないし、なんなら最終的に処刑する分、殺した方が感謝される。

 それくらい、犯罪者ってのは忌み嫌われている。

 まぁ、国からの税だとかがほぼ無いも等しいから、そうそう盗賊落ちなんてしないんだけど。


 それはともかく、解決してよかった。

 馬車に戻ってから、微妙にガルド達に距離を置かれてるような気がするけど、気のせいだと信じたい……。

ルイスがどうしてこんなに盗賊に容赦がないのかは、次回の話で書きます。


まぁ、僕自身としては穏便に全員生け捕りでいいかとも思ったんですが、当初の設定通り進めたらほぼ全員殺ることになりました。

あまりそういうのが好きではなかった方は大変申し訳ございません。


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