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【第四〇話】

眠い中頑張って書いたので、もしかしたら誤字が多いかもしれません……。

お許しください!

「シャルロットを読んできてくれるか?」


 僕はアシュタルさんの後をついて屋敷にやってきた。

 門番にはあの人がいたが、アシュタルさんに頭を下げたあと、僕の存在に気づき、「お帰りなさいませぇぇえええ!?」と顎が外れそうなほど口を開けて驚いていた。

 その場で笑わなかった僕を誰か褒めて欲しい。


 屋敷に入って執務室に通され、ソファに座ったところでアシュタルさんがシャルを読んでくるように初老の執事らしき人に言った。


「さて、それではひとまず今回のモンスター達について聞こうか。ルイス君の一年間についてはシャルが来てから話してくれ」


「わかりました。まず——」


 そうして、僕はモンスターたちについて話していった。

 その場にいたモンスターについてや、戦い方、数の内訳などを事細かに説明した。

 特にオークとレッドキャタピラーが協力していたことは入念に話した。


「そうか……それだけの数を相手によく無事だったな」


「数が多かったのは厄介でしたけど、一体一体はそこまで強くなかったですよ」


「ふむ? オークもいたと話していたが、それでも強くなかったと?」


「はい。あいつらって力は強いですけど体は大きいし、死角も多いのでそこに潜り込めば苦戦するようなことは無いですね」


「冒険者が聞いたら卒倒しそうな話だな」


「そうですかね……?」


 そんな話をしていると、勢いよく部屋の扉が開かれ、シャルが駆け込んできた。


「ルイ君!」


 そして僕の姿を見つけるや否や抱きついてきた。

 僕はそんな話シャルを受け止め、ギュッと抱き締めた。


「シャル。連絡もなしに長い間いなくなってごめんね」


「本当に心配したんですからね! 行先は王都だからすぐに帰ってくるのかと思ってたのに一向に帰ってくる気配は無いですし! もしかしたら王都で別の女性に心変わりしてしまったんじゃないかってすごく不安で……! 一体一年間もどこに行ってたんですか!」


「心配させて、不安にさせてごめん。一年間のことはこれから話すんだけど、先にこれだけは言っておくね。僕はシャル以外の女性を好きになることは無いよ。僕が好きなのはシャルだけ。何があっても裏切るようなことはしない。これだけは知ってて欲しい」


「うっ……は、はい。私も……ルイ君だけが、その……だ、大好きですよ……?」


 は? 可愛すぎるが?

 顔赤くして上目遣いで目うるうるさせながらそんな事言わないで貰えませんか? もう心臓がドッキドキで死にそうなんですけど!


「ウォッホン! ……そういうのは私の見ていないところでやって貰えないか?」


「「あっ……」」


 アシュタルさんの声で浮かれた気持ちが一瞬で地面に引き寄せられた。

 恐る恐るアシュタルさんの顔を見ると、額に青筋を浮かべて目だけ笑っていない笑顔でこちらの見ていた。


「すっ、すいませんでした!」


「うむ。この話が終わったらルイス君だけ残ってもらえるかな?」


 ひぃいい! この状態のアシュタルさんとお話とか怖すぎるんですけど!?


「えっと……あまり時間もないんで。今日は今までの説明なんかをしたらさっさと出ようかと思ってたんですけど……」


「なぁに、そう時間はかからないさ。少し話すことがあるだけだからね」


 ダメだ。逃がしてくれないらしい。

 くっ……こうなったらしょうがない、僕も言いたいことを言わしてもらおうか。

 ……どのくらい頭下げたら許してもらえるだろうか。


「さて、シャルも来たことだし話してもらおうか。この一年ちょっと、どこで何をしていたのか」


「……はい。じゃあ話すんですけど、その前に一つだけ約束してください。今から話す内容は信頼のおける人間以外には絶対話さないでください」


 ロッドウェル大陸に吸血鬼がいる話が広まればキャメルさんたちに迷惑がかかるし、龍のこともパニックになってしまったらせっかく話した意味が無い。

 全世界で協力しなければならないことなんだけど、皆がみんな協力的とは限らない。

 もしも悪意ある人間がその情報を手に入れてしまった場合、キャメルさんたちが危ないかもしれないし、龍との戦いで邪魔される可能性が出てくる。

 だから話す相手はしっかりと見極めて欲しい。


「まず、王都に行ってからひと月は図書館でこの剣なんかのことを調べていました。そこで見つけた情報で、この剣が古代武器(アーティファクト)だということを知りました」


 それから村に戻って、剣のあった場所に行くと、またしても黒い霧があったこと。

 その霧を剣が吸収すると剣が抜けるようになっていたこと。

 それと同時に吸血鬼イーリスと戦闘になったこと。

 イーリスに負け、ロッドウェル大陸にある吸血鬼の里で修行することになったこと。

 その修行が1年間かかったこと。

 これらを丁寧に説明した。


「そして、僕がなぜ修行をしなければならなかったかと言うと、約二年後にアヴァリス大陸に龍が現れるからです」


「なっ! 龍だと!?」


「はい。僕はその龍に対抗するために修行を詰んだんです」


「……話はわかった。このことは国王様にもお伝えすることになるが構わないか?」


「出来れば吸血鬼のあたりはぼかして貰えるとありがたいんですけど……」


「できる限りでやってみよう」


「一年間も吸血鬼の人達と一緒にいたんですか……。その服もそこで?」


 シャルが僕の装備を見ながらそう言ってきた。


「そうだね。イーリスと、あと僕の修行をつけてくれた師匠みたいな人が作ってくれたものだよ」


「むむぅ……女の気配がします……」


 お、女の気配……?

 確かに二人とも女の人だったけど……。


「さっきも言ったけど僕が好きなのはシャルだけだよ?」


「それはわかってるんですけど! なんてうかモヤモヤすんですよ……」


 シャルはそう言って頬を膨らませてそっぽを向いてしまった。

 だから可愛すぎかって。


「現れる龍とやらの規模はわかっているのか?」


「いえ、ここまではわかっていないんです。でも、その龍をどうにかするために僕は二年以内に信頼出来る仲間を見つけないといけないんです」


「…………」


「またどこかへ行ってしまうのですか……?」


「ごめんね」


 僕だってシャルのこんな悲しそうな顔は見たくない。

 それでも僕がやらないと……。


「……正直そんな話は聞いたことがなかったから未だ半信半疑な部分はある。だが、私はシャルの信じた君を信じたい。もしその龍とやらが現れなかったとしてもここの所モンスターの動きが活発になってきている。何かが起こるのは確実だろう」


「僕としてはほぼ確実に現れると思っているので、その対策はしておいて欲しいですけどね」


「そこら辺は国王様の判断だからな……私の方でも進言しておくが」


 これで龍が現れるって話は各国に行き渡るだろうか。

 エレチナの国王が各国の王族にも注意喚起してくれるとのちのち動きやすくなるんだけど……。


「はぁ……まぁ大体はわかった。この後ルイス君にはシャルとの付き合い方についてたっぷり話をしようと思っていたんだが、頭痛がしてきた。ルイス君もさっきの話を聞く限りだと、すぐに違う国に向かうのだろう? 少しでも二人の時間を過ごすといい」


 あれ? さっきは話、すぐ終わるとか言ってなかったっけ?

 なんかたっぷりお話が何とかって聞こえた気がしたんだけど……。

 気のせいかな?


「わ、わかりました……。それじゃあ失礼します」


「…………」


 僕は無言になってしまったシャルを連れて部屋を出た。

 部屋を出ると、シャルが僕の手をギュッと握りしめてきたので、僕もシャルの手をしっかりと握り返した。


 そのまま僕達はシャルの部屋に向かったのだった。

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