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【第二一話】

 早速僕達は街に出た。

 エリカとミリカは見慣れた景色なのか、堂々と歩いているのに対して、僕はいつも宿から図書館への道しか通っていなかったので、見る場所全てが新しくて新鮮な気持ちで辺りを見回していた。


「こんなに色んな種類の店があったんだな……」


「そうよ、ルイスは折角王都に来たのに宿と図書館を往復するだけで、観光しようとしないんだもの」


 僕がぼそっと零した独り言に、エリカが答えた。

 ごもっともなんだけど、王都に来たのに何も観光をしなかったのがなんだかとっても勿体なく感じてくるから言わないで欲しかった。


「ま、まぁ……だから今日は私たちが色んなところに連れてってあげるわよ!」


 顔を赤くしながらそう言ってくれるエリカ。

 僕のために、恥ずかしいようなことも言ってくれるとは……あったけぇなぁ……


「ありがとな」


 お礼を言いながら頭を撫でると、顔を逸らしたけど嫌がりはしなかった。


「早く行こー?」


 僕がいつでもエリカの頭を撫でていると、ミリカが僕の手を引っ張ってそう言った。


「そうだな……エリカも手、繋ぐ?」


 エリカの頭から手を離し、歩きだそうとするとエリカが僕の手を見ていることに気がついた。

 ミリカみたいに手を繋ぎたいのかな? と思ってそう聞いてみると、エリカは無言で僕の手を握ってきた。



 ***



「さて、着いたわ! ここが今王都で一番人気がある雑貨屋さん、フェアリーマウスよ」


「おぉ……」


 僕は二人と手を繋いで街を歩いて、一番最初にやってきた店がここだった。


「ここは名前の通りに、妖精の口のような小さなものを主に取り扱ってるって!」


 小物か……

 良さそうなものがあれば、シャルにも買っていってあげたいな。


 そう思ってフェアリーマウスの扉を開くと……


「いらっしゃぁぁあい!」


 ピンク色の髪を髪をツインテールにしたマッチョがいた。


「うっ!? ちょっと……僕はお腹痛くなってきたなぁ……」


「あらぁ? 大丈夫かしらぁん?」


 ッ!?


 僕がピンクツインテールから逃げようと、後ろを振り向くと、さっきまで中にいたはずのピンクツインテールが目の前に!


「随分と顔色が悪いようねぇ、アルノルド!このお客さんを奥で休ませてあげなさぁい!」


「あら! ギルバート姉さん、もう終わったのかしら?」


 ふぁっ……

 さらに店内からもう一人のピンクツインテールが……!

 話を聞いてた限りだと、このピンクツインテールたちは姉妹? で、外にいたのがギルバート姉さんで、店内で待ち構えてるのがアルノルドか。

 ツッコミどころが沢山あるが、まず言いたいのは……


 その名前で姉さん?



「うっふーん、あっはーん……あら、目を覚ましたかしら?」


 なんだろう……

 悪魔の声が聞こえる気がする。

 恐る恐る声の方を見れば……ピンクツインテールがいた。

 これはどっちだろう。


「全くもう、いきなりお店の前で倒れるんだものぉ……私もギルバート姉さんも困っちゃったわよぉ」


 どうやらアルノルドの方だったようだ。

 こいつら外見で見分けつかないんだけど、周りの人達はどうやって区別つけてるんだろう。

 っていうか、僕が倒れた?


「……どのくらい前のことです?」


 アルノルドに聞くのは何となく嫌だったから、他に人がいないか探してみたが、この部屋には僕とアルノルド以外誰もいないようだ……


「うーん……だいたい五分くらいかしらぁん?」


「そ、そうなんすか……あざす」


 いきなり脳で処理しきれない量の情報が飛び込んできたから倒れてしまったんだろうか?

 確かにこの姉妹? インパクト強かったしなぁ……


「あなたの妹ちゃんたちは、商品を見てるわよぉ」


 そう言いながら、アルノルドは僕に近づいてくる。

 おい待て、なんでそんなに近づいてくるんだ。

 おい……まて! やめて! 来ないでよ!


「んん〜、熱は無さそうねぇん」


 ヒィッ!

 アルノルドの顔が目の前に!

 こいついきなり僕のおでこに自分のおでこくっつけてきやがった!

 熱はかるにしても手でいいだろ!

 そもそも熱じゃなくて、あんたらの見た目が衝撃的すぎて倒れたんだよ!


 なんて言えるはずもなく、僕はアルノルドが離れていくのを震えて待つことしか出来なかった。


「見た感じ元気そうだしぃ、もう大丈夫かしらぁ?」


 そう言ってアルノルドは扉の方に近づいていき、僕が来るのを待っている。


 さっきまで顔のインパクトが強くて、他に目がいかなかったが、アルノルドを見れば、薄い黄色のワンピースを着ている。

 ただし、筋肉のせいでピッチピチだが……

 なんなんだろう……この破壊の権化的な存在は……

 心臓の弱い人なら見ただけで死んでしまう気がする。

 実際僕もおでこをくっつけられた時は、心臓がキュッと収縮した気がする。

 今もドキドキしてるし……悪い意味で。


 僕はいつまでもここにいるのも怖いので、さっさとエリカたちと合流しようと立ち上がり、扉の方に向かう。

 すると、アルノルドが扉を開けてくれたので、僕はそのまま進んだ。


「あっ、ルイス! 大丈夫!?」


 すると、エリカが僕に気づいてそう言いながら走ってくる。


 さっきまでとてつもないものを見ていたせいでエリカが天使に見える。

 僕は走ってきたエリカを抱きとめた。


「ちょっ……どうしたのよ!」


 突然抱きしめられて驚いたのか、暴れ出すエリカ。

 すまぬ、少しだけ我慢してくれ。

 アルノルドが怖すぎて、体の震えが止まらない……


 すると、エリカの声でやってきたのか、ミリカも現れ、僕の方に寄ってくる。


「お兄ちゃん……大丈夫?」


 そして、エリカの横に来て、首をコテンと倒しながらそう聞いてくる。


 うっうっうっ……

 天使が二人に増えたぁ……

 僕はそのままミリカのことも抱きしめるのだった。

書いてて、自分はどこに向かってるんだろうと思ったけどそのまま投稿しました。

可愛い店のオカマ店員はテンプレだと思いませんか?

まぁ、僕はそう思いませんけど。


次回からはちゃんと本編行きます。

今回は変な方に走りすぎた……orz


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