【第二〇話】
すいません!遅れました。
書いていくうえでの矛盾点など加筆修正いたしました。
他に矛盾点などありましたら感想などで教えていただけると助かります。
僕が王都に着いてから一月が経った。
この一ヶ月間で、必要そうな本は全部読み切ることが出来た。
毎日図書館に通い詰めで調べ物をしてたから、そろそろ体も動かしたい。
ひとまず、この剣について現状で分かったことをまとめよう。
封印された武器について記した本を読んでいて発見した情報に、古代武器というものが存在すると言う物があった。
古代武器はエレチナ王国ができるよりもずっと昔、このメリアガルド大陸に一つしか国がなかった時代の遺物とのことだ。
封印された武器と言っても、その古代武器自体が封印された訳ではなく、あるものを封じるために作られた武器との事だ。
封印されたものがなんなのかと言うと、この星、アットグリムの生命エネルギーが多く溜まった龍脈という場所が封印されているらしい。
最初、エネルギーが豊富にあるのならいいことなのでは? と思ったんだけど、読み進めていくとどうもそういう訳でもないらしい。
龍脈から流れ出るエネルギーが多すぎて、生き物が住めない環境になってしまった。
それが全部で他の大陸も含めて、全部で四箇所もあった。
しかも段々とその範囲が広がっていったらしくそのままだとこの星の生き物が全滅しかねなかった。
そこで、当時の王がエネルギーを吸収する性質を持つ金属で武器を作り、それを龍脈に差し込むことで封印したらしい。
その時、龍脈のエネルギーをもろに受けた王は封印と同時に命を落としたという。
現在では政治家たちの間で知らぬ者はいないと言えるほど有名な賢王として受け継がれているとのこと。
この出来事があったのがこの本が書かれた五百年前の事。
この本が百年前に書かれたものなので、現在から六百年前の出来事だ。
その間、何人もの人間が古代武器を手に入れようとしたらしいが、抜けた例は三回しかない。
どれも戦時中に抜けたらしいが、何故か抜いた者が死ぬと元々あった場所に戻るらしい。
古代武器に関しては数多くの研究がなされており、星の生命エネルギーを多く吸収したそれらの武器は、持ったものを死に貶めるや、所有者を自ら選定するなどといった記録が残されている。
どうして僕がこの剣を古代武器だと思うのかと言うと、どこに龍脈があって、なんの武器で封印されているのか、といった地図が載っていたからだ。
昔の地図だったから分かりずらかったけど、村のあった場所に印がなされていた。
しかもそこにははっきりと剣と書かれていたのでほぼ間違いはないんじゃないかと思う。
ただ、その本には、古代武器の所有者に選ばれた者は身体とどこかに紋章が現れると書いてあったけど、僕の場合どこにもそれがない……と思う。
僕がこの剣を抜いてしまったことで、村のあった場所には今現在龍脈のエネルギーが漏れ出しているのではないだろうか……
もしそうなら、何とかもう一度この剣を刺して封印したいところだけど。
あぁ、あと、それぞれの古代武器に選ばれる条件? のようなものがあり、剣ならば憎しみや悔しさなどの感情が一定のラインを超えた者。槍ならば全てを支配せんとする強い気持ち。杖は決して諦めない心。
これらを持った者が古代武器に選ばれるらしい。
と言っても前例が無さすぎるので、それも定かではないが。
ちなみに槍だけは、どこにあるのかすら分からないらしい。
伝承として『剣は何者にも抜けず、槍は触れた者を支配する。斧は持ち上げることができず、杖は触れることすら叶わない。』というものが残っていることから、槍はどこかしらにはあるんだろう。
「これからどうしようか」
一応考えてることがないことも無くて、まずは村に戻ってこの剣が再封印できないか試してみる。
そこで出来れば、あとは王都に戻ってきて爵位を手に入れるために頑張るだけ。
もし封印できなかった場合は、爵位を手に入れるために行動しつつ、龍脈のエネルギーを抑える方法を探す。
どっちにしろ爵位を手に入れるのは確定だけど、再封印出来なかったらそれも時間かかりそうだなぁ……
「お兄ちゃん、お出かけしよ」
と、僕が一人そんなことを考えていると、ミリカが寄ってきた。
「今日は仕事無いのか?」
「うん。今日はおやすみ」
「じゃあ、出かけるか」
エリカとミリカは職を探して斡旋所に行ったが、年齢的に雇ってくれるところがなく、途方に暮れていたところ、たまたまレストランの給仕を募集しているところがあり、今ではそこで働いている。
先日、給金が貰えたと喜んでいた。
「エリカは?」
「もう外で待ってるよ……?」
近いうちに二人の働いているところでも見に行こうかと思っていたけど色々忙しかったのもあって行けてなかった。
さりげなく次の仕事がいつか聞いてみて行ってみようかな。
なんかストーカーっぽいような気もするけど、妹たちがちゃんと働けてるのか見たいってだけだから。
別にストーカーとかそんなんじゃないから、断じて違う。
「それじゃあ僕達も急がないとね……」
と言ってもミリカはもう準備できてるようだけど……
すいません。急いで準備します……
それから急いで準備して、ミリカと手を繋いで外に出る。
外ではエリカが暇そうに髪の毛をくるくると弄っていた。
「お待たせ」
「うぇっ!? ルイスも行くの!?」
僕がエリカに声をかけると、そんなことを言われた。
付いてっちゃダメなんすか……
「いや、ミリカに誘われたから来ただけで……エリカが嫌なら僕は遠慮しておくけど」
「ちがっ……全然嫌じゃない! ただ、少しびっくりして」
僕がしゅんとしながらそう言うと、エリカは焦ったように言い寄ってくる。
あまりの焦りように僕は少し笑ってしまったが、決して僕は悪くないと思う。
僕が笑ったのに気がついたエリカにパンチされたのは納得いかない。
「お兄ちゃん、これってデート?」
ふぁっ!?
「いやぁ……それはどうだろうね」
急にミリカにそんなことを言われて、ドキッとしてしまった。
いや待て、僕にはシャルがいるだろ。
なんでドキッとしてんだよ、ダメだろ!
「デートじゃ……ないの?」
「うっ……で、デートと言えなくもないかもしれない」
「楽しみ」
こうして、妹たちとのデートが始まってしまったのだった。
評価や感想、ブクマなどして頂けると支えになるのでぜひよろしくお願いします。
下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして頂けるとモチベーションが上がります!