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【第一三話】

昨日投稿したと思ってたのに、出来てなかった……orz

代わりに本日二本投稿します。

二本目は18時です。

よろしくお願いします。

 誰一人として喋らない、そんな空気の中馬車は王都に向けて進んでいた。

 僕が無視されたあの時から、だいたい三時間ほど経過している現在、馬車は周りを気で囲まれた道を進んでいる。

 交通の便が発達しているのか、道路はしっかりと舗装されており、馬車に乗っている僕達もほとんど揺れを感じることがなかった。


「あと二時間ほどで王都に着きますが、一度休憩でもしますか?」


 御者の女性が中に顔を出してそう聞いてきた。


「結構よ」


「だ、大丈夫です……」


 無口な少女ーズがそう答える。

 言うまでもないが、先に答えたのは気の強そうだと感じた少女A、あとから噛みつつも答えたのが少女Bだ。

 見た目道理な態度すぎて僕自身びっくりしている。


「僕も大丈夫です」


 女性が僕の方を見てきたので、僕もそう答える。

 続いてフードさんの方を見るが、フードさんは俯いたまま反応がない。

 もしかしたら寝ているのかもしれない。


「じゃあ、このまま王都まで行くからそれまでゆっくりしていてください」


 女性はそう言って引っ込んでしまった。


「お姉ちゃん……」


「大丈夫よ。王都にさえたどり着けば何とかなる」


 女性が引っ込んでしまってから、少女ーズが何やら話し合っていた。

 僕は少しだけ話が聞こえてしまったので、ちらっと少女ーズの方を見る。


「何よ」


 すると、またしても少女Aと目が合ってしまい、今度は睨まれるだけではなく声もかけられた。


「いや……なんか訳ありげな話してたから。聞いちゃってごめん」


「ほんとに悪いと思ってんだったらこっち見ないで」


 えぇ……?

 ほんとになんでこんなに嫌われてんの?

 僕初対面だよね?


「お姉ちゃん!」


「うっ……あんたには関係ないことよ」


 呼び方からして少女Bのほうが少女Aより年下のようだ。

 そんな少女Bに咎められ、少女Aは僕にそんなことを言ってきた。

 まぁ、確かに僕には関係ない事だしめんどくさい事に首突っ込むのもどうかとは思うけど……


「まぁ、そっちがそう言うならもう聞かないけど」


「ふん、なら最初っから聞いてこないで」


「お姉ちゃん! なんでそういう言い方ばっかりなの!」


 またしても少女Aは毒を吐き、少女Bに怒られていた。


「だって——」


「オラァ! ちょっと止まれや」


「きゃぁ!」


 急に馬車が停車した。

 今までほとんど揺れを感じなかった分、急な揺れで体制を崩してしまう。


「な、なんなんだお前たちは!」


「うるせぇなぁ! 大人しく中にいる女共を渡せば命だけは取らねぇから失せろ」


 外からはそんな声も聞こえてきた。

 中にいる女共って目の前の少女ーズのことだよな?


「……なんか狙われてね?」


 僕が少女ーズに聞くと、少女たちは顔を青くしながら手を握りあっていた。


「そ、そんなことを出来ない! お客さんを見捨てるなんて……」


「なら死ね」


「待て!」


 外では男性と誰かが言い合っている。

 会話からさすがにやばいと思った僕は、馬車の扉を開けて外に出る。

 何となくで飛び出してきちゃったけど、これからどうしよう。

 周りを見れば馬に乗って、こちらに武器を構えた男が五人。


「てめぇは……聞いてた男か。生憎だがてめぇには興味ねぇ。中に女が二人いただろ? そいつ出せよ」


「あの子らになんの用があるんだ……?」


「さぁな。俺らも依頼されて来ただけだからよぉ、そんなこたァ知らねぇんだわ。それより早く出してくれや。イライラしすぎてぶっ殺したくなっちまうだろ」


 誰かに依頼されて少女ーズを狙ってるのか。

 真正面にいる大男がリーダーなのか、こいつひとりが話している。周りの四人は武器を構えたまま動かない。

 男が言ってたことの中に気になることもあったが、今はそれどころじゃないだろう。

 目の前のこいつらをどうにかしないと、王都に向かうことすら出来ない。


「そんな物騒なこと言ってるやつの前に女の子差し出せないだろ」


「あ? じゃあ死ねや」


 そう言って男は肩に担いでいた大剣を振り下ろしてくる。


 ——ッ! 早い!


 僕はその大剣を腰から抜いた剣で受け止める。

 とてつもない力が込められており、受け止めるだけで精一杯だった。


「おぉ、これを受け止めんのか。なかなかやるじゃねぇの……」


 男はニヤニヤしながらそんなことを言ってくる。


「じゃ、これはどう、よっ!」


「チィッ!」


 急に大剣から力が抜けたと思ったら、僕の剣に刃を滑らせて、横から切りつけてくる。

 いや、ここまで来たらもう叩きつけるとかの方が正しいのかもしれない。


 僕は急いで剣で防御するが、力に押し負け吹き飛ばされる。

 さっきは縦からの攻撃だったから踏ん張れたが、今回は横からだったから抵抗できなかった。


 そんなことを考えながら僕は飛んでいく。

 もしあと四人があの男と同レベルの奴らだとしたら勝ち目がない。

 ただでさえあの男一人でも勝てないのに。


「少年!」


 御者の男性は心配して叫ぶが、僕は変わらず飛ばされていく。

 そのまま周りの奴らの間をすっ飛んでいき、地面に転がった。

評価や感想など支えになるのでぜひ。

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