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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

初冬に赤い葉

作者: ソラネ。

エロシーン皆無のBLです、重い感情抜きの淡い恋心が描きたいと思いました。

今日はこっちを通ろう。

使ったことのない、初めて道だ。

足元でくしゃくしゃに濡れている赤い葉っぱが目に入る、ついこの間まで頭上で輝いていたそれらが冬の訪れを示しているようで、僕は多少の寂しさと胸の高鳴りを感じた。

僕は退屈していた。

決して何かに悩んでいたわけでも辛いわけでもない、ただただ同じことを繰り返す刺激のない毎日に飽き飽きしていた。だから

普段使わない道を遠回りすることで、新しい何かを発見できるのではと思ってわざわざ早起きしたのだ。

考え事をしながら通学する冬の朝を僕は秋のうちから楽しみにしていた。赤い葉っぱを踏みながら歩く、軽快で明るい音がする。

一番好きな季節を聞かれたら、僕は迷わず冬の始まりと言うだろう。澄んだ朝の空気も、鼻を赤くしながら歩く社会人も、ネクタイの映えるこのブレザーも全てが冬季限定で僕はそんな特別感をとても気に入っている。僕の横をすれ違った人達は、どんなことを考えていたのだろう、僕と同じように退屈しているのか、それとも別のなにか僕には想像がつかないような新しくてワクワクすることでも思い浮かべているのだろうか、忙しそうに早足で通り過ぎていく彼らを少し羨ましいと思った。

あと少しで学校に着く、その前に僕は熱い缶コーヒーを買うことにした。ボロボロの自販機のボタンを二回押して、全く同じ柄のものが2つでてくる、僕はそれを鞄の中に押し込んで校門まで軽く走っていく。

「あ、今日は早いじゃん!」

聴き慣れた声が耳に入ってきた。ソイツは柄にもなくほうきを握りながら近づいてくる

「早く目が覚めただけ、てかおまえこそなんで掃除してんの?」

白白しい、馬鹿みたいだ、わかってるクセに。 「美化委員だからな!!この大量の葉っぱを片付けるためにこんな早くから呼び出しだぞ、他の奴にやらせとけよ!」

「はは、まぁせいぜい頑張れよ、あ、あとこれやるよ」と言って買ったばかりの熱い缶コーヒーをなげた

「おっ、気がきくじゃん、やっぱモテる男は違うねぇ」

いつも通りのからかいをあしらいながら別れを告げて教室へ向かう、毎年美化委員がこの時期に毎朝掃き掃除をすることは知っていたし、アイツが美化委員ってことももちろんわかっていた。口元がにやけるのが止まらない、やっぱり冬の始めが一番好きだ。



初書きの駄文ですが、読んでいただきありがとうございます。

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