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眼の星  作者: 朝梅雨
弐人鏡
6/8

5

「あ、あれ?」

鏡に呑み込まれた後、身体の主導権も全て俺に戻っていた。

「夢、ではないよな。あの変な人は・・・置いてきたのか」

『はい。多分あっちはもう暫く此処に戻ってこれないと思います』

いきなり返される返事にビクッとする。普通言葉って脳がこう喋ると信号を送るから喋れるんであって・・・なんか不思議な感じだな。

『とりあえず俺は(おれ)のことをマナって呼んでください。(おれ)はマナブって呼ぶんで』

「えっと」

『なんかそっちの方が漫画みたいで面白そうじゃないですか』

「そんな理由かよ」

呆れたと同時に安心した。

不快感もどこかに消え、やっぱり(おれ)は俺だなと思う。

こんな時にまで、そんな考えを持っているんだから。

「いいよマナ。ところでかなり暗いけど今何時」

『俺はスマホのAIじゃないですから。』

「そうだなスマホ見ればいいよな」

暗い中目を凝らしながらスマホを探して電源をつける。暗いなか光るので一瞬目が怯んでしまった。

「えーっと、七時⁉︎これ部活って言って誤魔化せるかな」

『ギリアウトだと思いますけど』

まず学校から出られるかが問題なんだよなぁ。先生に見つかったらヤバイ。

「一階には流石に電気ついてるよなぁ」

『ここはアレですよ。誰も起こしてくれなかったとか理由を』

「それだと俺が虐められてるみたいじゃないか!」

早く帰らないと、母さんと父さんが心配してしまう。昔一回だけ家出したことがあったけど・・・。

『その時は警察まで味方につけて大変だったよねー』

「本当だよ」

大惨事だった。

『俺に代わってくれませんか?いいこと思いつきました』

「あれ?身体の主導権お前じゃないの?」

『別に俺が持ってても意味ないですし』

そうなのか?でもまぁ、帰れるんなら帰りたい。かなり早急に。

「変なことはするなよ」

『俺はマナブに危害が加わるようなことはしませんよ』

だから安心して、そう言うので代わってやる。何故だか少し嫌な予感がした。

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