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眼の星  作者: 朝梅雨
弐人鏡
5/8

4

俺は(おれ)

否定されるのが怖くて、ずっと黙っていた。

感情も意識も持たない。

俺も何度か話しかけてきてくれたけど、何も返さなければ諦めてくれた。

それのお陰で、否定されることはなかった。

それのお陰で、肯定されることもなかった。

受け入れられたんじゃない。無視された。

存在をじゃない其処に居る、有ることを。

俺は強かった。

(おれ)は守る為に生まれたのに。

嫌な現実から、優しい俺を。純粋で強くて普通の俺を。

だから、時々代わっていたんだ。最近は結構代わっていたけど。

俺はノーモフィリアじゃない。(おれ)は俺の逃避になりたかったんだ。

安全な避難所になりたかったんだ。

でも、そうだ。

それはただの過保護で、ただの余計なお世話。俺が一番欲しい時に欲しい言葉を言ってあげるだけの相槌機械。

普通の人は絶対に持たない(おれ)を俺は知っていながらも無視して普通に頑張って生きてきた。

でも、あいつのせいで。

俺が出てきてしまった。自由に言葉の身体の主導権を握ってしまった。

正直、嬉しかった。

いくら俺に否定されても傷つく痛みより、これで俺を守れると思ったからだ。その考えや嬉しいと言う感情は俺は違う意味に捉えてしまったようだけど。

次にあいつが出てきたら(おれ)が代わろう。

絶対に俺が関わっちゃいけない。

そう感じるほど、あいつは視えているから。

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