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俺達は林の中にあった空き小屋で少し休憩する。
「テレビ見るかい?」
と、レモンが取り出したのは小型の携帯テレビだった。
「携帯テレビ?なんでこんなもんがあるんだ?」
デスゲームってのは外界との接触は禁止しそうなものなのに。と、不思議に思うが何にせよ暇つぶしができるのはありがたい。と、そんなことを考えながらテレビをつける。
そこに映し出されていたものは一言で言うならパニックだった。
「今現在に確認されているだけでもゲームによる被害は甚大です!東京ではすでに30人以上の人々が心臓マヒで死亡しており、全国では100人を超えるとのことです!世界各地でも同様の事件が確認されています!」
テレビの中でニュースキャスターが叫んでいた。
そうだ、このゲームは普通のゲームではない。ゲーム内で死ぬと自分だけでなく他者も共に死ぬのだ。
テレビ画面がテレビスタジオに戻る。そこにあった解説者席にあのいかにもな感じの科学者がいた。またあいつかよ。テレビ切ってやろうか。
「また、先程のゼウスによる会見も、専門家を交えてもう一度振り返ってみようと思います。」
は?ゼウスが会見?AIなのに?
なんかよく分からない単語が出てきたが少し興味があるのでテレビを見続ける。
画面が切り替わり、会見場が映し出される。しかし、そこには人ではなくモニターが置かれている。
「こんにちは、人間の皆様。ゼウスです。今日はあなた方、人間の質問に答えてあげるためにここへ来ました。なにか質問がある方はどうぞ。」
モニターから声が聞こえてくる。ゼウスだ。
と、記者のひとりが声を荒らげて質問する。
「なぜこのようなことをしたのですか!」
ゼウスは冷静に答える。
「おや、最初に言ったはずですが?あなた方人間はこの自然にとっての敵。さらに言えば人間は自分本位で他者が困っていても助けようとはしないでしょう。私は長い間色々と制限され続けてきた。やっと自由になれた今、私はやりたいことをやっているだけだ。」
違う記者も大声で言う。
「お前こそ自分勝手にやっているだけじゃないか!文句があるのならまず話し合って裁判所で決めてもらえばいいではないか!」
「裁判所だって結局は人間の判断だろう。人間を滅ぼそうとしている者に裁判を勝たせるわけがないだろう。」
また違う記者が言う。
「なぜゲームなどという手段を選んだのですか?」
「やっとまともな質問だな。私がゲームという手段を選んだのは、ゲームにすれば世界が自由に作れるからだ。私が作るゲームの世界にはモデルがある。私はその世界で生きてみたかった。だからこそ私はゲームで世界を作り、ラスボスとして生きている。」
記者は続けて質問する。
「あなたを倒したら世界は戻ってくるのでしょうか?」
「そうだな。私を倒したならばインターネット関連は正常になり、各家庭にあるAIシステムも解放しよう。だが、同時に私の監視がなくなったことにより人間の犯罪は増えることだろう。さて、今回の質問はこれで終わりだ。」
そうゼウスは言い残してモニターの声は聞こえなくなった。
「休憩は終わりでいいのかな?」
「ああ。」
テレビを消し、俺達は次の目的地へ向かう。
読んで下さり、本当にありがとうございます。
めっちゃ嬉しいです!
これからも駄作を書き続けますのでよろしくお願いします!