序章2
序章が思った以上に長くなってしまって本当にすみませんでした。
俺は急いでテレビをつける。自動でつくのなんか待ってられない。
テレビでは速報でさっきの専門家がペラペラと喋っていた。
「さっきのAIは間違いなく本物です。あれは我々IAIDO(国際人工知能開発組織)が作り上げた世界最高の人工知能、ゼウスです。」
アナウンサーが質問する。
「しかし、本当に人類を全滅させるなんてことが出来るのですか?」
専門家っぽい人は答える。
「ええ、可能でしょう。なぜなら、今の時代は全てが機械化されており、そこに人工知能が入り込んで操作することは難しくないからです。しかも今は身体に電流が流せるナノマシンが埋め込まれているので、それに高い値の電流を心臓に流せば人間なんて簡単に殺せるでしょう。」
そして再びアナウンサーのターン。
「しかし、今はセキュリティだってとても高いでしょう?そんなに簡単には侵入できないのではないのでしょうか?」
専門家のターン。
「いえ、あのAIに不可能はないと言っても過言ではないでしょう。ゼウスは侵入、監視、防御、製作、思考、指示と六つのAIの集合体です。全てのAIは世界的にも有名な開発者が携わっていますし、まさに世界最高の人工知能でしょう。」
アナウンサーのターン再び。
「しかし、電流を勝手に流すことなど人工知能が出来るのでしょうか?」
・・・アナウンサー「しかし」って言葉を使い過ぎな気がする。
専門家は語る。
「今現在使われているナノマシンは外部からのアクセスも可能であり、それを使えばAIにだって電流を流すことは可能です。」
それを聞いても俺はまだ現実感がわかなかった。
突然人類の滅亡とか言われても現実感がないのはまあ当然と言えば当然だろう。
そんなこんなで過ごしているうちに早くも3ヶ月が過ぎてしまっていた。その間は普通に学校もあったし、テレビでもほとんど報道されていなかった。おそらくだがこのゲームに参加した人もそこまで多くはなかったことだろう。今思えば世界中の人は一体何をやっていたのだろうと思う。本当に愚かだった。
・・・だが、ある時をきっかけとして世界中は知ることになった。これは本物なのだと。現実なのだと。
10月31日のハロウィーンの日にそれは起こった。
この日、世界各地で心臓に電流を流されて死んだ死体が発見された。
この事件を機にAIの言っていたことは真実だと世界中が認め、世界中の人間がゲームに参加し始める。各国の政府は日常生活を一時停止とし、ゲームへの参加を促した。
そして俺も当然ながら参加権があり、ゲームへ参加することとなる。
俺は<シュノーケル>をかぶり、ゲームを開始する。
「ゲームスタート」
序章から見て下さった方は本当にありがとうございます。感激です。
まだまだ酷いところが多々ありますが、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします。