~探求の泉 見物~
シュパアァァァァァァァァ
「おお・・・まじでテレポートした!うわぁ!すげぇ!」
「そりゃあそのためのテレポーターだからね。これでテレポートしなかったら大問題でしょ。」
レモンはもうちょいテレポートに対する余韻をくれてもいいと思う。俺はテレポートしたの人生初なんだからもっとはしゃいでもいいだろう。
「さあ行こう。こうしている間にもこっちにモンスターが向かってきている。早くしないとモンスターに囲まれて死ぬよ。」
まて、いま聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ。
「こっちにモンスターが向かってきている?なんでそんなことがわかるんだ?センサーでも持ってるのか?」
「違う。<探求の泉>は常に部外者を排除してこようとしてくる。だからこの場所そのものがモンスターにボクたちの位置を伝えてる。だからここでは常に移動してないと囲まれてしまうんだ。まぁ移動していても囲まれるときは囲まれるけどね。」
・・・どうやら俺は来るべきでない場所に来てしまったらしい。
ここは明らかに初心者が来る場所ではない。
「ほら来たよ。一匹目だ。」
そう言ってレモンの見ているほうに目を向けると、そこには異形の巨人というしかない生物がいた。
なぜ異形かというと、まずこの巨人は腕が4本ある。次に目が5つ、耳も鼻も口もない。顔面は目だけで髪もないので、はっきりいって不気味以外のなにものでもない。まともなのは足だけだ。
「こいつはボクがいくよ。青っちには強すぎる。多分すぐ死んじゃう。盾にもならない気がする。」
レモンがボロカスに言ってくるが多分正論なので言い返すことができない。
「じゃあ戦ろうか!ぶっ殺してやるよ!!ひゃははははははぁぁぁ!!!」
あ、レモンの性格が豹変した。こわっ!性格変わりすぎでしょうよ!
レモンが今まで着ていた外套を脱ぐ。中に着ていたのは・・・
剣でできたスカートだった。
冗談でも比喩でもなく本当に剣でスカートができているのだ。いや、さすがに本物のスカートははいているだろうから、正確にはスカートに剣を何十本とくっつけてスカートのようにしているのだろう。本物のスカートは見えないけど。
「ひゃははっっ!!」
レモンはうれしそうにスカートの剣を抜き、巨人に切りかかっていく。
巨人もそれに気づき、レモンを吹き飛ばそうと大きな腕を振る。
が、レモンは人間離れしたジャンプで軽くかわす。
「じゃあね。」
短い別れの挨拶を巨人に済ませ、レモンは剣を振り下ろした。
ズザッ!! パキンッ!
よほどの力だったのか、巨人は真っ二つにぶった切られ、剣は砕け散った。
「んあー、弱いなぁ・・・」
残った剣の柄を投げ捨てながらレモンが呟いた。
「あ、あのさ、剣壊れたけどいいの?」
豹変したレモンに恐る恐る尋ねる。めっちゃ怖い。剣で刺されたりとか斬られたりとかしないよね?
「・・・?何言ってんの?剣は消耗品でしょ?また買えばいいだけだよ。」
「いや、普通はそんなに消耗しないから。」
レモンにとって剣とは使い捨てなんだろう。だからあんなにたくさんの剣を持っているのだろう。うん、絶対変だ。
「さぁ、目的のものはもっと奥だから進もうか。」
「お、おう・・・」
この先が不安になってきた・・・
俺は不安になりながらもレモンと共に奥へと進んでいった。
読んでくださった方、ありがとうございます。
これからも駄作を生み出し続けると思いますがよろしくお願いします。