~狩人殺し 遭遇~
俺はもう少し戦闘のコツを掴みたかったので、一旦レモンと分かれてイノシシ共を屠ってから集合場所へと到着する。どこにいるかとキョロキョロしていると、
「おー、やっと来たかね。おっそいよー!」
目の前にレモンがいた。なんか外套を着ている。
「うわっ!びっくりしたわ!てか、近い!」
「そんなことより次の場所行くよ!」
そんなことよりって・・・まぁいいや。かわいいし。
「次はどこなんだ?レベルも上がったしちょっと難しいところでも行けるぜ?」
レベルが上がり調子に乗る俺。
「あー、レベル30までは結構簡単に上がるんだよ。そこからが全然上がんないの。」
調子に乗ってすいませんでした。
「へ、へーそうなの。そりゃ困ったなぁー。」
動揺を隠せない俺。レモンとかのレベルに簡単に追いつけそうとか思ってた俺が恥ずかしい。
「だから次は<野生の森>かな。ボスの《狩人殺し》を倒すのが目標ね。」
明らかにこっちが殺られそうな名前だ。
「大丈夫なの!?こっちが殺られたりしない!?」
「大丈夫な気がするけど、油断したらあっさり死ぬね。あいつ攻撃特化だし。」
「大丈夫な感じがしない・・・」
攻撃特化とか怖すぎだろ・・・
せめて防具くらい買わせてくれよ・・・金はないけど・・・
「さぁ行こうか。」
「あれ?他のやつは待たなくてもいいの?」
「皆は強いから別行動だよ。」
あいつら「俺らがサポートする」みたいなこと言ってなかったか!?
あいつらはもう信じないでおこう。
「そ、そうなのか・・・」
なんかレモンが可哀想になってくる。こんな弱っちい俺の手伝いをしなければならないとか、罰ゲームみたいなことになってるな・・・いやまぁ俺の世話が罰ゲームとかめっちゃ嫌なんだけどね。
そんなこんなで<野生の森>へ到着した。特に道中に何もなかった。つまらん。
「さぁ着いた。あとは頑張ってね!」
「え、嘘でしょ?俺何も知らないんですけど?」
「皆はじめはそうだよ。失敗して学んでいくのさ!」
いいこと言ってる感がすごいけど、このゲームは死んだら終わりなんだよ。学べねぇよ。
「じゃあね。」
レモンはそう言ってすごいスピードでどっかに走って行った。車より速そう。
「しょうがない・・・行くか・・・」
覚悟を決めて、森の中へと入っていく。
20歩ほど進んだところで、
ガサガサガサ・・・
「っ!?敵か!?」
まさかもう出てきたのか!?
出てきたのは・・・
狸だった。
「なんだよ、狸かよ。ビビらせやがって。」
とはいえこいつもモンスターかもしれない。俺は狸の様子を見る。
が、特にこれといっておかしな所はない。至って普通の狸だ。
「こいつは無視するか。」
と、その瞬間ポンッと背後で音がした。
「!?」
振り返ろうとした瞬間・・・
ドカッ
「うぐぁっ!!!」
吹き飛ばされる俺。何となくわかる、これ大ダメージだ。ヤバいやつだ。
フラフラとしながらもHPバーを確認する。
Lv.20 HP:100/2000 状態:全身骨折(動くと微ダメージ)
わーお。
「じゃない!ヤバいやつだ!」
まさに瀕死。よく生きてたなと思う運の良さだ。
(動けないのに敵はすぐそこにいる。これは詰んだか?あぁいい人生だったよ。)
なんかもう諦めの悟りを開こうとしていると、
ガサガサ・・・
「うぉ!?狩人殺しだぁ!皆!逃げろぉ!」
どこかのパーティだろうか、誰かが大声で叫んだ。
当然ながらそちらに反応した《狩人殺し》はそいつらを追って森の中に消えていった。
(ありがたい。誰だか知らんが助かった・・・)
こんな駄作を読んで下さり本当にありがとうございます。
感謝しかありません。ありがとうございました。