星09 反省会
どういう事なのか、分からない。
だがありのままの事実を述べる事は出来る。
長い間行方知れずだった、人が目の前に現れた。例の先生だ。
その人がステラ達を助けてくれた。
そして、何故なのか理由は分からないが、ステラ達のいる学校の先生になっていたのだ。
課題を無事に終えた後、合格した者不合格になった者を集めて反省会が開かれた。
課題に合格した者は、力におごることなくこの先をさらに精進するために、合格できなかった者はどのような点が悪かったのか、それらを話しあう為にだ。
ニオ「そーんな風に難しく考えてるのはステラちゃんだけだよ、皆星を見ながら楽しくお喋りしてるだけだってば」
真面目に考え事をしていたのを割り込む様にニオが話しかけてくる。
まあ大体は、ニオの言う通りでもあった。
試験と言っても、行わるのは実は一回だけではない。
クリアできなかった物でも、数回は再挑戦できるようになっているので、浮かれている者はいても、考えるほど悲観的になっている者は少ないし、雰囲気も固くなってなどいなかった。
ステラ「私だって分かってるわよ、それくらい。でも一人くらい真面目に考えてる人がいた方が良いでしょう?」
ニオ「うーん、そうだけどね」
息抜きが必要な事ぐらい分かっている。
常に上を目指すだけでは息が詰まってしまう事でも、でもこれがステラなのだからしょうがないではないか。
ニオ「まあ、いっか。放っておいてもステラちゃんを構いたくて仕方がない人がいるみたいだし、ステラちゃんの方も構ってあげたい人がいるみたいだし、さーて、ニオはどっちの味方になろうかなー」
ニオは、そんな事を言ってなぜか複数の男子に囲まれて、説教されているらしいツェルトの方へ交ざりに行った。
それでなんか楽しい感じの場を盛り上げている。
今の言葉の意味は一体どういう事だったのだろうか。
まあ、彼女がよく分かないに事を言うのは今に始まった事ではない。
ステラードは、先程から気になっている人間の方へと向かう事にした。
屋上の策に膝をついてぼんやりと景色を眺めているその人は、久しぶりに再会した先生だ。
ステラ「何してるんですか」
ツヴァイ「何だ、ステラードか」
ステラ「何だですって? ひどい言い草ですね、これでも心配してたんですよ。ずっと連絡も寄越さないで」
ツヴァイ「悪ぃ悪ぃ」
ステラ「許しません。先生の悪いは、謝ってる悪いじゃないので絶対許さないんだから」
ツヴァイ「やれやれガキの頃は騙されたのに、成長してやがるな」
どうしてそこで意外そうなものを見るような目で見られるのだろうか、人間なのだからそれくらい分かるようになるに決まっているではないか。
近づくと、アルコールの匂いがする。
お酒でも飲んだのかもしれない。
ステラ「改めてお久しぶりです。病気とか、してませんでした? 怪我は?」
ツヴァイ「してねぇよ。小さな子供じゃあるまいし、お前こそどうだったんだ、調子は」
ステラ「平気です、先生のおかげでもうすっかりこんなですから」
ツヴァイ「ああ、驚いた、あのちびっ子が、まさかこんなお転婆になるとはな」
ステラ「ちびっ子って、もう」
ああ言えばこう言う。
まったくこの人は、素直でないし、意地悪だ。
昔とずっと変わらない。