星51 混沌
予想に反して、懸念していたような危ない事とかよく分からない事は起こらなかった。
だが、それは途中までの話で……。
予想とは別の大変な事は起きているが。
ニオ「にゅふふー、えへへー」
ライド「ちょ、ニオちゃん。これお酒じゃないの未成年なのに、何買っててきてんの」
ニオが酒を飲み始めた所から、場の空気がおかしくなってきていた。
ステラ「これ、お酒だったのね。どうりで体がおかしいと思ったわ。熱いわね、脱いじゃおうかしら」
ツェルト「ちょ、ステラ駄目だろ、こんな所で、いや、行為自体は別に駄目じゃないけど、他の野郎がいる所では駄目って言うか……。あー、やっぱり二人っきりでも駄目だ正気に戻ってくれよ」
何か、場の雰囲気が荒れてきた。
そう思うが、思考が上手く回らなかった。
みんな楽しんでる。
ならそれで良いんじゃない。
頭の中身が大抵そんな感じでまとまるからだ。
ニオ「ニオ、王様になる。命令ね。めーれー」
ライド「ちょ、ニオちゃん急に立ち上がらないでって、あぶねっ」
ニオ「一番の人が二番の人にちゅー」
ライド「いや、何も始まってないから。ていうかニオちゃん、ちょっと重いんだけど」
ニオ「三番の人が四番の人にぎゅー」
ライド「無視された!」
混沌という言葉が似合いそうなその場所に、様子を見に来た使用人が声をかけた。
使用人「お嬢様、お飲み物を……、ええとこれは?」
ぐったりとしたステラの代わりに応えられる人間は、ツェルトしかいなかった。
ツェルト「あー、何だろう。こういうの、カオスって言うんだっけ。何かごめんなさい」
ニオがよく言ってる言葉を流用して、そう形容するのだった。




