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星31 独りじゃないこと



 ツヴァイに担がれて、町の外を運搬されていくステラ。


 混乱が収まってきたので、疑問を口に出す。


ステラ「あのー、そろそろ教えてもらえませんか?」

ツヴァイ「よしよし、冷静だな、良い子だから大人しくしてろよ。ステラード」

ステラ「私はもう、そんな小さな子供じゃないです!」


 だが、ツヴァイはまともに答えてくれるどころか、子供扱いしてふざけだす始末だ。


 だが、そんな行為でも、数分もすればツヴァイの意図に気が付いてきて。


 ……あれ、そんなに怖くない?


 ステラは先程まで感じていた森への恐怖心が無くなっている事に気が付いた。


 森を目で見つめたから駄目なのかしら。

 どうなんだろう


ツヴァイ「ここまでくりゃ、簡単には町には逃げ込めないよな。よし、そろそろ外してやる」

 

 言われて、目隠しを外される。


 見えた森の景色に一瞬だけ、胸が苦しくなるが、しかし想像したほどではなかった。


ステラ「……不思議、思った程怖くないわ」

ツヴァイ「じゃ、これならどうだ?」


 次いで、ツヴァンに地面に降ろされる。

 自分の足でしばらく周囲をウロウロしてみるが、それほどでもない。


ステラ「どうしてなのかしら……」


 首を傾げてみる。


 ステラはそれほど恐怖を感じているわけではない。

 初めは、景色が見えないからか、それか自分で移動しているわけではないから、だと思っていたが、それは違うようだ。


ステラ「一体どうして?」

ツヴァイ「課外授業の時といつもの時と何が違うか考えて見りゃすぐ分かんだろ」

ステラ「えっと……あ」


 制服以外に、明確に違う物。

 それは独りではない事だ。


ツヴァイ「お前は、一人になって他の人間からはぐれた時に魔物に襲われた、だからたった一人で恐ろしい相手から逃げ続けなきゃならん状況が脳裏に強く刻み込まれてたんだろうな」

ステラ「そっか、それで……」


 一人でない今は、それほど怖くないのだ。


 だから最初から門の所で、一人でないのだと強く意思を持っていれば大丈夫だったのだ。


ステラ「そんな簡単な事だったのね」


 見ると先程は足が震えそうになる程だったというのに、今はそんな事は無い。

 あれほど怖く思えた森の中が大した事が無いように思えてくる。


ステラ「先生、ありがとうございます」

ツヴァイ「またく手間がかかる生徒だな」

ステラ「でも、一言余計ですよ」

ツヴァイ「親切な事しか言わねぇ奴なんて胡散臭くてしょうがねぇだろうが」

ステラ「それもそうですね」



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