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星21 罠



 走った廊下の先にステラが倒れていた。

 その傍には一人の男、ヨルダンだ。


 その周囲には、黒い人の形をした影が多く揺らめいている。


ツヴァイ「テメェ。そいつに何をした」


 ステラードの前進には奇妙な紫の模様が蛇のように這っている。


ヨルダン「こいつは要らない人間だ。なら、俺の為に有効活用させてもらう」

ツヴァイ「こいつの命はテメェのもんじゃねぇよ。こいつ自信のもんだ」

ヨルダン「我々は王宮の意向を受けて動いている。歯向かうのか」

ツヴァイ「はったりだな。だが、だったらどうだって言うんだよ。それで俺が止まる様に見えるのか?」


 ヨルダンが薄く笑む。


ヨルダン「この女はいずれ死ぬ。今はその女をお前達に預けよう。面倒を見る手間が省ける。良い足掻きを期待している。良いサンプル収集を期待しているぞ」


 ヨルダンはそう言ってその場から離れて言った。


ツヴァイ「おい、ステラード。しっかりしろ」


 一瞬迷ったが、ステラの方を放っておくわけにはいかなかった。






 のしかかる様なけだるさと共に目を開けたステラは、自分が病室のベッドに寝かされてる事に気が付いた。


ツヴァイ「気が付いたか」

ステラ「先生?」


 傍にいたのはツヴァイだ。ずっと見守っていてくれたらしい。


ステラ「あれからどうなったんですか?」


 尋ねて説明が返って来る。


 会場が停電が起きて、その後ステラは不審な動きを見せたヨルダンを追って行ったのだが、物陰から飛び出した何か……人間なのかよく分からないものに隙をつかれて倒れてしまった。途中から記憶が途切れていたのだ。


 ツヴァイの説明によると、そのステラを担いでいたのがヨルダンだと言う。


ステラ「私に何をしようとしていたのかしら」


 様々な嫌な想像が脳裏によぎって、寒気がする。

 先生が書けてつけて助けてくれなかったらどうなっていたのか。


ステラ「私、強くなったって思ってたのに、まだまだですね。今回も先生がいなかったら……」

ツヴァイ「誰も予想できやしねぇよ。あの状況で、それができたら人間やめてらぁ」


 ツヴァイは乱暴な口調で気休めの言葉を口にしてくれたが、ステラはその言葉を受け取る余裕がなかった。


 カルネはそれから、かねてから感じていた不審な気配が無くなったと聞く。

 ヨルダンの件に関係があるのか分からないが、もしそうだとしたら、彼女はステラをおびき出す為に利用されたのかもしれない。


ステラ「私もっとしっかりしないと。強くならないと」

ツヴァイ「だから思いつめるんじゃ……」


 自分でも意識しない内に零れ落ちた言葉に、ツヴァイが何かを返そうとするのだが、その言葉がちゃんとしあ意味を紡ぐ前に扉が開かれた。


ツェルト「ステラ! 大丈夫か!」


 ツェルトだ。

 他にもニオや、友人達がいる。


ツェルト「俺のステラが倒れたって聞いて、びっくりしたんだぞ。無事だよな。怪我とか大丈夫だよな。生きてるよな」

ステラ「ちょっと、落ち着いてツェルト。生きてるから、私は大丈夫だから」


 心配で心配でしょうがない様子のツェルトに、言葉をまくしたれられてその勢いに押されてしまう。

 寝起きの頭に大声はちょっと響いた。


ニオ「もーツェルト君。ステラちゃん病み上がり何だから、そんな大声で喋っちゃ駄目でしょ」

ライド「まったくだぜ。一応お前の目の前にいるの病人。分かる?」

ツェルト「あ、ごめんなステラ」


 こういう時に意外にも場をとりなす様に発したニオの言葉で、我に返ったツェルトが謝って来る。


ステラ「いいのよ。ありがとう来てくれて」


 とりあえず大事には至らなかったようで、無事な姿を見せて、安心させられただろうか。




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