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星02 人間関係



 学校の教室に入ると、友人が元気な挨拶を返してくる。


ツェルト「ステラッ! おはよう。今日も良い天気だな。でも俺は、ステラがいれば雨でも曇りでも良い天気だけどな」


 そうちょっとよく分からない事を述べてくる男子生徒は、ツェルト。


 鳶色の髪に薄紫の瞳を持った少年で、人懐こそうな笑みを浮かべて近寄って来る。


ステラ「おはよう、ツェルト。でも最後のはちょっと分からなかったわ。宿題やった? 忘れ物してない? 先生に怒られる前に私が見てあげるから」

ツェルト「やったやった、ちゃんとやった。ステラに構われたいからってワザと忘れたフリしたかったけど、俺超頑張ってちゃんとやったから。でもこの年で子供みたいに心配された俺はちょっと悲しいぜ?」


 極度のかまってちゃんで、ステラが相手をしてくれないとなると途端にすね始めたりいじけ始めたりするのだが、甘やかしては駄目だ。

 ステラが子供の時に世話になった先生も、情けは人の為にならないと言っていたし。


 前に一回それをやって喜ぶだけだったのを知っているので、ステラはあえて厳しく言う。


ステラ「そういう事主張するのはちゃんと宿題を見せにこなくなってからよ」

ツェルト「ええー、そんな事言わないでくれよ」


 途端ツェルトが、この世の終わりが来たような顔をし始める。

 出来ても出来てなくともステラにノートを見せにくる習慣をまず直すべきだと思う。


ステラ「不安だからと確かめて欲しいのは分かるけど、だったらその不安がなくなるまでちゃんと確かめなきゃ」


 そんな風に述べるのだが、何故か教室にいた大半の生徒がツェルトに同情の色をこめた眼差しを送り始めた。


 隣でニオも、同じような目になっている。

 たまにこんな事がよくあるのだが、ステラにはその現象の意味がよく分からなかった。


ステラ「ねえ、ニオ。私、変な事言った?」

ニオ「ううん、すごくまっとーな意見だと思うよ。ただね、ニオ……皆の代わりにツェルト君に言うね。どんまい」

ツェルト「やめろやめろやめろ、うわぁ、ステラの親友がが言うと余計なんかみじめっぽくなるだろ」


 ぽむっと、ニオがツェルトの肩に手を置くと、彼は情けない声を残しながら教室を出て行った。


 ツェルトは何かショックを受けたような感じだったが、前回似たな事があった時も大丈夫だった。放っておいても授業前には戻って来るので大丈夫だろう。


ステラ「ツェルトの事は良いとして、とりあえず予習しておかなくちゃ。新しく習った剣の型の名前、テストがあるんだったわよね」

ニオ「うーん、放置してても自然治癒する事は分かってるんだけど、ニオちょっと可哀想になって来たよ」


 周囲から「とどめを刺したお前が言うな」。

 ニオはクラスメイトに突っ込まれている。




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