不健康で病気がちな最低限度の身体
窓の外の木々がほのかに色づき、秋の気配がことのほか深まっていったある日のこと‥‥
（‥だるい‥‥‥）
風邪引いた‥‥
熱っぽい‥‥
喉痛い‥‥
正直これが初めてではない。
初乳を飲んでないせいか、はたまた口にする物が偏っているのか、しょっちゅう熱を出している。
その度にじいちゃんが付きっきりで看病してくれる。
病気のせいで家に貼り付けてしまって‥‥
申し訳ないなぁ‥‥
という訳で、前々から考えていたことを実行に移すことにした。
熱を出す度に思っていた事、
どうやったら成功するか考えていた事‥‥
‥‥魔法で病気を治せないものか‥‥
自然治癒じゃなきゃ免疫が強くならないと思って、その内やろうと後回しにしていたけど、
こうも しょっちゅうじゃ、流石にじいちゃんに悪い。という訳で‥‥
さて、先ずは‥‥体の中の病原体を魔法で探れないかな？
以前、元気な時に魔力を使って、体内をサーチしておいた。
その時と比較すれば病気の原因が解るんじゃないかと思って。
だけども とりあえず、ダイレクトに病気の素を魔法で探査してみることにした。
これが上手く行けば比較の手間が省ける。
まぁ成功すれば御の字って位の思い付きだけど…………
………ありゃあアッサリ成功しちゃったよ‥‥
全くどういう理屈なんだか‥‥
何でもアリだな魔法って‥‥
因みに測定して比較する方法でも、病原体はしっかり解った。
じゃ、次は殺菌ですな。
再び魔力を体内に巡らし、ウィルスを攻撃して………
ハイ、駆除はすんなり完了しました。
けれども‥‥‥
（熱下がんないなぁ‥‥）
考えてみれば当たり前の事。
病原体が居なくなったところで、痛めつけられた体はそのまんまなんだから、一変に症状が回復する訳はなく。
これをすぐに何とかするには‥‥
代謝のスピードを上げてみますか。
とりあえず体に、魔力を巡らせてみて………
うん、次第々々にだるさは引いていった。熱下がったんだろうなぁ。
こりゃあ怪我にも使えるかも。
でもいっぺんに治るって訳じゃないねぇ‥‥ 何かやり方ないもんかなぁ‥‥
………健康なときの体は測定している‥‥
その時に戻すって‥‥ 出来るかな？
いやぁ～～流石に都合が良すぎるか‥‥
‥‥まっ ダメ元でやってみましょ。
まだ痛みの残る喉に
魔力を通して………
……………うっそ‥‥‥ 一瞬で痛みが引いた‥‥‥ 成功しちゃったよ‥‥‥
すげぇ‥‥ 魔法ってすげぇ‥‥‥ 凄すぎて怖えぇ‥‥‥
