7・護衛の旅。
一応ギルドを通した依頼と言うことにしてもらった。
依頼人はあの商人さんだった。
どうやらオレって水がめ代わりに雇われたらしい。
留守中のことは受付のお姉さんが引き受けてくれた。
業務のうちですからって言ってくれたけどやっぱりコレはお土産とか
あげたくなっちゃうよね。
情報を持ってきた人にはあからさまなウソでなければ報酬を
払ってくれるようにお願いした。
金色イノシシの代金を預けておいたから大丈夫でしょ。
ダンさんと一緒なので不安は無い。
ダンさんによると賊は山の中よりむしろ街とか村とかに近いところで出るそうだ。
コッチが油断するってこともあるし賊も普段は普通に街なんかに
出入りしたりしてるらしい。
まあ、生活するには人の多いところの方が楽だしね。
明るくて暗いところがアブナイというのがあったね。
立ちションみたいなのでさえ通りから一歩入った路地でみんながしちゃうのは
そういうことだそうだ。
街の明るさと街の外の暗さの境辺りに賊は潜むんだね。
魔獣なんかは街の側と言うより山の中、森の中に居る。
連中には魔素が必要だそうで森の中なんかの方が魔素は多いかららしい。
人を見て襲って来るのは向こうには魔素の塊に人は見えてるんだそうだ。
連中が思ってるほどは多くないんだそうだけどとにかくそう見えていると言う。
まあ、迷惑だねぇ。
索敵をしながら進んでると賊も魔物もすぐわかるので軽く撃破する。
魔法は精度が上がって来た気がするね。
ダンさんに剣の相手をしてもらったけどどうも剣より槍のほうが得意な気がした。
魔法が一番得意なのは確定なんだけどね。
時々鳥とかウサギとかを魔力のヒモを付けた矢で仕留めている。
う~ん、槍より弓のほうが得意な感じがしてきた。
猟犬に取りに行かせようにも犬なんていないからね。
魔力のヒモは便利だね。
ワナにもこういう時のマジックハンド代わりにもなる。
目的地の街の近くまで来たらやっぱり賊が出た。
向こうは十五人ほどでこっちは六人。
でもオレは魔法が使える。
ウィンドカッターでなぎ倒してひるんだところを石礫の魔法で追撃。
ダンさん達も負けずに応戦。
ほとんど倒したところで商人さんが人質になっていた。
でも、こっそり魔力の矢をセット。
オレ達が手出しできないと思わせておいてハリネズミにした。
全員捕獲。
街まで近いので警備兵に連絡して引き取ってもらう。
ちなみにこの街はダートというそうだ。
フロルの街より大きい。倍まではいかないようだけど。
ココに一週間滞在してあの街に帰る予定だ。
なんとか順調な旅だったね。
いつもこうならいいんだけど。
でも、最後が悪かった。
宿に居たらココの警護兵たちがやってきて捕まっちゃいましたあ。
オレ……なにかやらかしたんだろうか?
おーや、とっ捕まってますねえ。
魔法は得意だけどそれ以外はごく普通なはずのクローバー君。
変わったことはしてないはずなんだけどねぇ。
まあ、主人公はどこか変わった所がないといけません。
多分なにか変わった所があるはず。
……あるはず……なんだけど……