55・なんちゃって奴隷。
次の街に着いたのでアランさんの馬を仕入れた。
アランさんの世界の馬とは大きさが少し違うらしい。
もっと大きかったそうだ。
オレの世界の馬は大きさが様々だ。
騎士が重装備で乗っていた1トンもある重種から乗るなんて絶対無理! な
犬くらいのものまで居る。
でもまあ、馬なんだから乗れないのって……ねぇ。
あんまり小さいのはちょっと好みじゃあないなぁ。
ココの馬はそれほど大きいとは思えない。
ちょっと足の太いサラブレッドって感じかな?
服も仕入れた。
どことなくなんとなく違和感を感じる服装なんだよね。
生地は上質なんだと分かるんだけどね。
代金はあの足長ワニな魔獣を換金した。
それほど知られた魔獣じゃあなかったらしく安目だったけど。
実を言えば驚かれた。
この街のギルドで討伐隊が組まれて出ようとしてたんだよ。
皆の稼ぎを奪ったような形になってしまったので代金を彼等にも多少ながら
分配することにした。
アランさんが気にしたんだよね。
全部彼が受け取っても良かったのに。
「彼等の稼ぎを横取りしたなんてのは気が引けるなぁ。
分配してくれると気が楽だね。
私ではコノ街までなんてとても運べなかったし助けてもらえなかったら
のたれ死んでたよ。
まあ、奴隷だからご主人のいいように計らってくれれば文句は無い」
う~ん、なんだか随分偉そうな奴隷だねぇ(笑。)
まあ、奴隷のふりをしてる貴族の坊ちゃんって感じだね。
態度がデカイのに首輪をしてるんで結構目立ってるよ。
丸腰なのもなんなので彼にも剣を渡すことにした。
アイテムボックスのを渡そうとしたらココの街の店にあったごく普通の
バスタードソードがいいという。
まあ、お金は有るので購入して渡した。モチロン防具もね。
リョーさんはさっそくお相手をさせてたよ。
うん、強くもないけど弱くもない。
騎士のガビーさんの方が強いね。
剣より魔法が得意なんだそうだ。
無属性の魔法みたいだね。
魔獣を一人で倒せるくらいだからどこかに仕官するのにも
冒険者として生きていくのにも苦労は無いと思う。
ちょっと態度がデカイけど。
まだ日数が浅いから言葉はマダマダだけどね。
オレもリョーさんも「異言語理解」のスキルを持っている。
アランさんにはそんなスキルは無い。
恨まれて飛ばされたせいだと本人は納得してると言う。
言葉ができるようになるまであの首輪が外せないなんて……
そうだ! あの首輪も魔道具なんだから師匠なナオミさんにお願いしたら
普通の翻訳の魔道具を造ってもらえるかも!
商業ギルドでお願いしてフロルまで手紙を届けてもらうことにした。
まあ、帰るのはだいぶ後になりそうだけどね。
この街の神殿でも神官さんにオレの「何か」をみてもらった。
やっぱり「何か」あるのは分かっても何なのかは不明だった。
う~ん、ダメか……
神官さんのレベルの問題なのかな?
ともかく街ごとに神殿があって神官さんが居るんだから中には
レベルの高い方もいるだろう。
マメに神殿に行ってみよう。
神殿とココの孤児院に寄附をした。
もちろん自分のお金でアランさんのじゃあないよ。
一応オレが預かってはいるけどね。
時間があったので子供達とも遊んだよ。
どこでも子供は元気だね。
アランさんは神殿に付いて来た。
お祈りをしていた。
元の世界の家族のことでも思い出したんだろうか。
まあ、プライバシーだから追及はしないことにした。
彼は奴隷であって奴隷じゃあない。
「なんちゃって奴隷」なんて言葉が浮かんじゃったよ(笑。)
すこしづつコノ世界に馴染んで来たみたいなアランさん。
態度が大きいのは治らないみたいです。
奴隷には向いてないんでしょう。
まあ、お前は奴隷に向いてる!なんて言われたくないですがね。
お仕事はしなかったのに分配が来ちゃった討伐隊の方々は驚いたみたいです。
魔獣と戦わなくて済んだので一安心しました。
でも魔獣が増えて魔物の出現も増えてるのが確実になったので
安心ばかりもしていられません。
リョーさんの一行のおかげで対策を検討することに。
救援要請が間に合うとはかぎりませんからね。
まあ、備えあれば憂いなし……ということにしたいですね。




